第4話[差異恭之助]
そして今、達子たちのおかげでだいぶお洒落になったと思う。
それに、格闘技系の雑誌やテレビなんかは出た事あるし、他の人よりはチャンスだと思う。
ただ、やっぱりそういうのに載る人は綺麗な人じゃないと駄目なのかな。
達子は可愛いって言ってくれるけど、やっぱり自分じゃそうは思えない。
ため息を吐く恭子。
別にファッション誌に載りたい訳ではない。
ただ達子にもっと褒められたいだけなのだ。
達子の家に着く。
達子の部屋にはすでに蛇乃がいた。
思い切って二人に相談してみよう。
そう思い、恭子は二人にどうすればファッション誌に載れるか相談した。
「いや、格闘技系の雑誌やテレビに出ただけでチャンスとかないから。」
キッパリと言う蛇乃に恭子は理由を聞いた。
「いや、担当者が格闘技興味なかったらあんたの事知らないじゃん。それに仮にあんたが有名だったら事務所の許可も得ないといけないしギャラだって発生する。そんな事考えたら迂闊に声なんてかけれないじゃない。」
蛇乃の言っている事がいまいち理解できてない恭子だが、とりあえずファッション誌に載るのは難しいという事だけ分かった。
「恭子ちゃん落ち込まないで、恭子ちゃんみたいに可愛い子に声をかけない雑誌社が悪いんだよ。私、そんな見る目ないファッション誌なんて買わないよ。」
「達子は甘い。」
部屋中に蛇乃の声が響く。
いきなりだったので驚く達子と恭子。
「可愛い?見る目ない?何言ってんの。ファッション誌に載る為にどれだけ苦労しているか達子に分かるの?」
それはと呟く達子。
そんな達子に罪悪感を抱く恭子。
「いい、一般人だろうがモデルだろうがみんなお洒落に気をつかっているのよ。体型を気にしてダイエットの日々、すぐに変わる流行を先取りしなきゃと日々勉強。美しさを気にして毎日お肌のお手入れ。そうやって努力してもお目当てのファッション雑誌に載れなくて毎日泣く日々。そんな人達がいる中でこの馬鹿は、私格闘技の雑誌やテレビなんかに出た事があるから他の人よりチャンスだと思うとか言っているのよ。無理に決まってるじゃない。」
達子に迫り、続けて蛇乃が言う。
「それを達子は見る目ないだの買わないだの、ちょっと酷過ぎじゃない?あんなに努力した人達を達子は見る目ないとか言って否定しているのよ。私だって毎日運動して体型を維持したり、少しでも達子によく見せようと髪に気をつかったり、お洋服にお金使ったりして努力してるのに。だから街を歩けば声がかかるの。なのにちっとも私の事褒めてくれないじゃん。可愛いだけじゃファッション誌には載れないのよ。」
軽はずみに言った事を後悔して半泣きになる達子。
「いや、私が悪いだけだから。達子は悪くないから。」
そう言って達子を慰めようとする恭子に蛇乃はうるさいと怒鳴った。
「いい、達子。みんな努力してるのよ。だからほら、蛇乃可愛いって言って。」
恭子ばかり可愛いと褒めるので嫉妬し達子を責めた蛇乃。
泣きながら蛇乃可愛いと言う達子をギュッと抱きしめて蛇乃は幸せそうな表情を浮かべた。
「ほら達子もっと言って。」
達子の耳元で囁き、達子は言われたように何度も蛇乃可愛いと呟いた。
そんな蛇乃を見て恭子は恐怖を感じていた。




