第4話[差異恭之助]
恭子が鼻歌交じりに部屋で着替えをしていた。
今日は朝から達子たちと遊び、蛇乃の家でお泊り会。
産まれて初めてのお泊り会。
洋服選びにも気合いが入る。
下着姿で服を選んでいる中、廊下から足音が聴こえてくる。
「恭子、一緒に組み手でもしないか。」
ノックもしないで歳頃の乙女の部屋に入って来た男、これが恭子の父親の差異恭之助だ。
全く動じず、服を選ぶ恭子。
服を選びながら恭子は恭之助に今日はお泊り会だと告げる。
「何、お泊り会か。なら仕方がないな。」
そう言ってリビングに戻る恭之助。
そんな父に恭子はため息を吐いた。
三日前からお泊り会だと言っているのに、何度も何度も休日組み手しないかと言ってくる。
そして…。
着替え終えた恭子はリビングへ向かう。
すると…。
「あらあら、恭子ったら可愛くデコレーションしてデートかしら。」
母の差異翔子が話しかけてきた。
うぅぅ、お母さん。
お母さんにもお泊り会の事、三日前に言ったよね。
そして、面倒くさい事になる。
「何?恭子お前デートに行くのか。」
父が恭子の所にやってくる。
「まぁ、恭子。今日はデートなの?」
ため息がでる恭子。
うるさい両親に今日は蛇乃の家でお泊り会だと恭子が叫ぶ。
「あら、そうだったわね。そんなに可愛くデコレーションしているからデートかと思ったわ。」
再びため息を吐く恭子。
「お母さん、また意味も分からず変な言葉使ってるでしょ。」
母の翔子は何にでも覚えた言葉を使いたがる癖がある。
この前はエンジョイを覚え何にでもエンジョイをつけていた。
そしてエンジョイの意味を知らない恭子は困惑していたのだった。
「何?恭子お前デートなのか?」
母のデートの言葉に反応する父恭之助。
そして母翔子も恭之助のデートという言葉に反応する。
「あら恭子、デートなの?」
はあ、とため息を吐く恭子。
恭子は再びお泊まり会だと叫んだ。
母の作った朝食を食べ終えた恭子は新聞を読んでいる恭之助に話しかける。
「いい加減、新聞読むのやめたら?番組欄ですら意味がわかってないんだから。」
馬鹿なのに新聞を読んでも無駄だと思っている恭子に恭之助が反論する。
「何を言う。大人は新聞を読まなくてはいけないんだぞ。母さんも読んでいるんだからな。」
そう言って恭之助が翔子の方を見る。
「そうよ恭子。新聞を読むと頭が良くなるんだから。でぃーえいちしぃ?がたっぷりなのよ。」
訳の分からない事を言う翔子に賛同する恭之助。
それを聞いた恭子が口を開く。
「ふーん、そうなんだ。なら私も新聞読もうかな。」
恭子もまた馬鹿だった。




