第3話[達子大ピンチ]
「蛇乃、真面目田君が…。真面目田君が…。」
そう言って達子は蛇乃に泣きつく。
そんな達子の頭を至福の笑顔でなでる蛇乃。
そんな蛇乃の隣で恭子が不良達に言う。
「あんた達、あの時の…。」
知り合いなのか尋ねる蛇乃に恭子はこの間、公園で騒いでいる不良達に注意したら喧嘩になり軽く捻ってやった事を説明した。
「あんた何やってんのよ。」
呆れる蛇乃を他所に恭子はポキポキと指を鳴らす。
「あの時はかなり手加減したけど今度は手加減しないから覚悟しなさい。」
蛇乃はため息を吐き恭子を止める。
「何で止めるのさ、このままコイツら放置しとくわけ?色々と面倒な事になるんじゃない?」
さっき話した事を忘れたのだろうか。
まあ、恭子の頭じゃ仕方がない。
そんな事を考えながら蛇乃は倒れていた真面目田を指さした。
「こいつがいるから大丈夫よ。」
さっきまで泣いていた達子と恭子が首を傾げた。
どういう事かと二人が言う。
そんな時、真面目田がゆっくりと立ち上がった。
「クソボケどもが、よくもやってくれたな。ぶち殺してやるよ。」
達子が固まる。
「いい達子、あいつは元不良なの。傷害事件を起こし少年院に行きたくないが為にこの学校に来た危ない奴なのよ。」
達子が黙る。
今までそんな危ない人と一緒だと考えるとゾッとした。
「どうして教えてくれなかったの。」
そう責める達子に蛇乃が返す。
「言ったら信じてくれた?」
黙る達子。
恐らく信じなかっただろう。
見た目も真面目そうで昼休みを使い校内清掃。
元不良だと言われても信じられるわけがない。
そう思い達子は蛇乃に謝った。
「いいのよ達子。達子に怪我が無いだけで私は満足だから。」
優しい蛇乃に達子は笑顔でありがとうと返す。
「これからはどんな事があっても私の事を信じてね。」
うんと笑顔で頷く達子。
そんな中、恭子が二人に話しかけた。
「ちょっと、あいつら殺されそうなんだけど…。」
倒れ込んでいる不良達を何度も殴りつける真面目田。
鼻は潰れ、歯はへし折られ、不良達から奪ったナイフをチラつかせ真面目田が言う。
「おら、俺にここまでしたんだ目玉の二、三個覚悟できてるだろうな?その前に耳を切り落として口を左右に裂くか。」
顔中血塗れの不良達。
今にも耳を切り落とそうとする真面目田。
そんな光景を見た達子が気絶して倒れてしまう。
「達子大丈夫。」
上手く達子の体をキャッチして、どさくさに達子の胸を揉む蛇乃。
あまりに自然に胸を揉んだので恭子も気付いていない。
「達子どうしたのよ。しっかりして。」
心配して達子に話しかける恭子に達子を預け、蛇乃が真面目田に近寄った。
「あんたいい加減にしなさいよ。」
声を荒げる真面目田に蛇乃は蹴りを入れた。
吹き飛ぶ真面目田に蛇乃が言う。
「達子はね、血が苦手なのよ。」
気を失って聞こえていない真面目田を背に蛇乃は達子をおんぶした。
「こいつらどうしようか?」
ボロボロの不良達を指差す恭子。
内心どうでも良かったが、この学校内で殺人事件が起きたんじゃ達子がまた引き篭もる為、助ける事にする。
「流石に三人も運ぶのは面倒だし保健室に着いたら佐渡にでも報告しましょう。」
わかったと頷く恭子。
蛇乃は達子と密着できて幸せだと感じながら保健室へ向かった。
フフフ、今日は達子の胸を揉めたし密着もできて幸せな一日だったな。




