第3話[達子大ピンチ]
「あのさ、何で隠れて様子見なきゃいけない訳?普通に掃除手伝ってあげればいいじゃない。」
蛇乃の行動に疑問を持つ恭子。
そんな恭子に真面目田がどんな奴か話す。
「あのさ、いくら馬鹿な私でも流石に信じられないよ。第一、そんなやばい奴なら達子に直接言えばいいじゃん。」
「恭子、あんたが信じられない事を達子が信じると思う?」
何もいい返せない恭子。
そんな恭子をよそに蛇乃は過去を振り返っていた。
達子には兄がいる。
聖人かという程に優しく素晴らしい兄がいる。
百人に聞いて百人全てがあの子はいい子だと答える程素晴らしい兄だ。
私自身、尊敬していた素晴らしい兄だった。
あの出来事があるまでは…。
小学生の頃、私はお金を貯めていた。
バレンタインデーの時、達子に高級チョコをプレゼントする為に。
お年玉は言えば使わせて貰えるがバレンタインチョコを買う為と言えばすごく面倒くさい事になるし、嘘をつけば更に面倒くさい事になる。
だから、お小遣いを貯めて大きなデパートで私は達子の為に高級チョコを購入した。
一生懸命貯めて購入した時の達成感は忘れられない。
この日は休日だった為、達子の家にチョコを届けに行った。
「達子ちゃんかい?今お母さんと出かけているけど何か用事?」
私は達子の兄、鬼頭達也にチョコを届けに来た事を話した。
「ああ、なるほど。うーん、言いづらいけど達子ちゃん帰るの遅くなると思うよ。待たせてあげたいけど蛇乃ちゃんのお父さんお母さんが心配しちゃうだろうし…。」
私はそうですかと呟いた。
サプライズのつもりで黙っていたけど、これなら遊ぶ約束くらい取り付ければよかった。
落ち込む私にあいつは…。
「良かったら預かろうか?今日中に渡したいでしょ?」
私はお願いしますと言って達也にチョコを預けた。
翌日、私は達子の隣でそわそわしていた。
チョコ喜んでくれたかななどと考えながらチョコの感想を今か今かと待っていた。
だけど達子からチョコの感想を聞ける事は無かった。
達子に昨日、チョコを届けに行った事を話しても貰ってないと言う。
それどころか…。
「お兄ちゃんがね、昨日チョコくれたんだ。しかも高い奴。蛇乃にも分けてあげようと思って残してあるんだ。今日食べに来てよ。」
などと言ってきた。




