第3話[達子大ピンチ]
静かな教室に蛇乃の息遣いと同時に鳴る笛の音。
蛇乃はまだ足りないと呟き立ち上がった。
その頃、達子と真面目田は職員室に頼まれた物を運び終え、達子は道場に向かっていた。
「そうだ、お弁当を食べるならお茶がいるよね。」
達子は立ち止まり、自販機がある場所を探しお茶を三本購入して道場へ向かった。
その頃、蛇乃は下駄箱で達子の靴の匂いを嗅いでいた。
久しぶりの達子の靴の匂い。
恭子とは違い、全く臭くない。
無臭だが、達子が入学して今まで履いていたと思うとたまらない。
息遣いが荒くなる。
達子が愛おしい。
湧き上がる達子愛を何とか抑え込め、蛇乃は日誌を持って職員室へ向かった。
「はぁ、今度は達子の汗が染み込んだ体操服を食べたいな。」
今まで一度も嗅いだことのない達子の体操服。
移動教室以外、触れる事もできないので一度もチャンスが訪れなかった。
中学生の時、用事があるから先に行っていいよと言っても、達子は待っとくよと言って蛇乃を待っていた。
短い休み時間だからこそすぐに終わると思われ、用事がある作戦が通用しない。
「中学生の頃は授業に遅れる訳にはいかなかったけど、このいい加減な学校なら…。」
イヤらしい笑顔を浮かべながら早く夏にならないかなと呟き蛇乃は職員室の扉を開け担任の警部に日誌を渡して道場へ向かった。
蛇乃が道場に着く頃には達子も着いており、恭子と仲良くお喋りをしていた。
見渡すと達子と恭子以外、誰もおらず。
恐らく部員は恭子一人なのだろう。
一人で寂しかったのだろうか、達子と話す恭子の表情は本当に嬉しそうだ。
「ねぇ恭子。部員はあんた一人だけなの?」
蛇乃の問いに表情を曇らせながらうんと答える恭子。
それを見た蛇乃がニタリと笑う。
「だったら私と達子が入部してあげようか?条件付きだけど。」
予想外の事に驚く恭子。
達子も蛇乃がそんな事言うなんてと呟き驚いていた。
「これからも恭子にはお弁当を食べる手伝いをしてもらわなきゃだし、友達が頑張っている姿を応援したいじゃない。まあ、練習や大会、雑務なんかは私達はやらないけど、応援できれば良かったら…。」
蛇乃から友達と言われ感動する恭子。
達子も蛇乃の言葉に感動し、蛇乃の好感度がぐいぐい上がって行く。
蛇乃の作戦が上手くいく。




