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第1話[もうこんな学校イヤ]
そして現在、達子は全力で後悔していた。
「今思えば、先生も不思議そうにしてたっけ。」
タイムマシンがあれば過去に戻ってやり直したい。
これは何かの夢だと思いたい。
達子がそんな事を考えていると、背後から蛇乃が元気良く声をかけてきた。
それに驚く達子。
蛇乃はそんな達子の胸に顔をグリグリさせて言う。
「先に行くなら行くって言ってよ、達子の家まで迎えに行っちゃったんだぞ」
いつもの蛇乃と少し様子が違い、少し戸惑いながら達子は答えた。
「ごめんね、どんな学校か気になっちゃって、って違うよ、見てよ蛇乃。」
胸にある蛇乃の頭を掴み校門へと向ける。
校門前に立っている不良を見て蛇乃は達子が何を言おうとしているのか理解した。
「あー、あれね。先生だから大丈夫だよ。」
蛇乃の言葉に耳を疑う。
あれが先生。
白の学ランを着て頭はすごいリーゼント。
達子はあれが先生だとどうしても思えなかった。
「あー、私の言うこと信じてないなぁ。」
そう言うと蛇乃は達子の手を握り、全力で嫌がる達子を引きずり校門へと向かった。