第3話[お嬢様は不登校]
アリスの過去を聞いて、皆んなが押し黙る。
朱莉はアリスの過去を知り、だからあんな事を言ったのかと納得する。
恭子は達子はこう言う話しに弱いからと、アリスを抱きしめるに違いないと考えていた。
だが…。
「だから何。」
達子は皆んなの予想とは違う事を言う。
皆んなが驚く中、蛇乃が動く。
「達子、さっきの話しを聞いて、可哀想とは思わないの?何があったのか分からないけど、許してあげたら…。」
「それとこれとは関係ないよ。」
それを聞いた蛇乃はある矛盾に気がついた。
お金目当ての友人が原因で引き篭もったのに、達子をお金で誘惑する。
何も知らない達子からすれば、アリスが何をしたいのかさっぱり分からないだろう。
「アリスちゃんはやっぱり、私と友達になりたくないんだよ。」
それを聞いたアリスはすぐ様否定した。
本当に達子と友達になりたい。
それがアリスの本心だからだ。
だけどそれは達子に伝わらない。
「私はその人じゃ無いんだよ。朱莉ちゃんだってそう。アリスちゃんからしてみれば軽いテストのつもりだったかも知れないけど、私はあんな事言われて辛かったし悲しかった。」
そう叫ぶと達子は泣き出した。
それと同時に朱莉も泣き出した。
嬉しかった。
アリスには同情もするし、あの時酷い事を言ったのにも納得はした。
それでも、達子の言葉は本当に嬉しかった。
自分がお金目当てに寄ってきた人間では無い事をキッパリと言ってくれた。
それだけで、嬉しい。
そう思い朱莉が感動する中、蛇乃は祈った。
アリスが賭けの事を話しませんようにと。
「ごめんなさい。もうしないから、だから…。」
アリスは最後まで言わずに首を横に振った。
昨日の爺やの言葉を思い出す。
そして達子がどうしたら友達になってくれるか考えた。
他人の気持ち何て考えても分からない。
だからといって、何も考えないのもダメだ。
大事なのは考える努力をした事だ。
今になって分かる。
父様が朱莉達、アイドルグループを呼んだ理由が。
何も言わない私の事を考え、喜ぶと思って呼んでくれたのだろう。
アリスは涙を拭き、立ち上がった。
そして、達子の横を通り過ぎ、朱莉に頭を下げた。
誕生日会の出来事を謝罪し、そして…。
「私と友達になって下さい。」
アリスの一言に朱莉は涙を拭き、アリスの手を取った。
次に暗子、そして恭子の順に友達になっていく。
蛇乃にも頭を下げ、友達になると達子に向かって振り向いた。
「私は達子と友達になりたい。」
真っ直ぐ達子を見つめて、アリスは続けた。




