第13話[デタラメ学園]
達子は悩んでいた。
この場所の事、そして泣いている事。
これらを伝え、冷静に考えてと言えば、蛇乃なら流石に気付くだろう。
だけど、ハナさんからしてみれば、失恋したなんて余り知られたくは無いはず。
ここは…。
達子は蛇乃の両肩を掴んだ。
「蛇乃、勝ち負けなんかどうでも良くない?」
良くないと反論する蛇乃に、達子は顔を近づけた。
「いや、どうでもいいよね。そんな事にこだわる悪い子は、私、嫌いだよ。」
達子の顔が近く、頬を赤く染める蛇乃。
「達子…、近いよ。」
視線を逸らす蛇乃を達子は見逃さない。
「蛇乃!どうでもいいよね。」
頷く蛇乃。
達子から解放された蛇乃は力なく地面に倒れ、息を荒くする。
「達子ったら強引。でもすごく良かった。」
そう呟く蛇乃を無視して、みんなで観覧車に乗りに向かった。
観覧車のチケットを購入し、二手に分けて乗る事にする。
達子、蛇乃、ハナ。
恭子、姫、ドン。
このメンバーに別れ、先に達子たちが乗る。
その後に、恭子達が乗った。
姫を車椅子から抱きかかえ、観覧車に乗る。
はしゃぐ姫を他所に、恭子は溜め息を吐いた。
「何じゃ、妾達と乗るのが不満なのか?」
恭子は首を横に振り答える。
「別にそうじゃ無いよ。姫もドンも友達だし、嫌じゃ無いけど、ただハナさんが元気なかったから、力になってあげたかったんだよ。クジとはいえ、蛇乃とハナさんが同じだと…、色々ねぇ。」
今頃、言い合いになっていないだろうか。
恭子は少し心配していた。




