第12話[ハナの過去]
すごい、私もあんな風になってみたい。
この日から、ハナは格闘技に興味を持ち、自宅の庭でメアリーから借りた翔子の試合のビデオを何度も観ながら真似を始めた。
それからしばらく経ち、ハナはメアリーの通っている道場へ入門する事となる。
通っている道場の流派を学ぼうとせずに、ひたすら翔子の流派、超蝶流を鍛え、師範を困らせるハナ。
超蝶流の流派を完全にコピーしたハナは独自に開発した技を組み込み、超蝶流を更に進化させていった。
この頃には、男女混合のジュニア大会にもいくつか参加し、優勝していった。
やがて、十六歳を迎えたハナに師範が日本の大会に出場しないかと、話を持ちかけてきた。
差異翔子。
結婚して苗字は変わっているが、ハナの憧れの人で、今度その大会に出る事をハナに告げる。
「翔子さんと試合…。」
感動の余り泣き出してしまうハナの頭を師範が撫でる。
ここ数年、何度教えても超蝶流しか扱わない問題児のハナだったが、師範は実の娘の様に可愛がってきた。
そんなハナの夢であった、翔子との試合。
叶えてあげられて良かった。
師範は涙を堪え、大会の開催日を報告した。
開催日の三日前に日本へ向かい、観光などして日本を満喫する。
そして、前日。
緊張からか、全く眠れない。
明日にはあのハナさんと闘える。
あの鋭い眼光で睨まれて、まともに闘えるのか?
弱すぎて翔子さんを失望させてしまうのでは無いか?
そんな事を考えながら朝を迎えた。




