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第11話[ナラクノハナ]
お互い一歩も譲らない攻防戦が続く。
達子と恭子は黙って、その闘いを見入る。
どれだけハナに蹴られただろうか、どれだけハナに攻撃を喰らわしただろうか。
体が痛む。
倒れて楽になりたい。
だけど、達也の手前、倒れる訳にはいかない。
もし、倒れてしまったら…。
「僕なら何発でも耐えれたけどね。まあ、蛇乃ちゃんじゃ、仕方が無いか。」
などと言ってくるだろう。
そう考えると腹が立ってきた。
怒りを力に変える蛇乃に対し、ハナは焦っていた。
何故、倒せない。
何故、倒れない。
私の力はコイツらに通用しないのか?
どんなに蹴っても達也は倒せなかった。
どんなに蹴っても蛇乃は立ち向かって来る。
二人との闘いで自身を無くしてしまったハナは苛立ち、そして叫んだ。
「いい加減、しつこいんだよ。これで倒れろや。」
勝ちを急ぐあまり、大きな隙ができてしまう。
そして、蛇乃はそれを見逃さなかった。
蛇乃のカウンターを喰らい、更に蛇乃の追撃の回し蹴りを喰らってしまう。
綺麗な弧を描きながらハナは走馬灯の様に過去を思い出していた。




