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第9話[目指せ優勝、体育祭]
「あんた乱闘騒ぎを起こして達子が怪我でもしたらどうするのよ。」
などと恭子に説教をしてみるが、達子のテンションは駄々下がりだ。
達子に元気出すように言っても頷くだけ。
これは重症だな。
その様子を遠くで見ていた少女が呟いた。
「鬼頭達子ちゃん、いいじゃない。」
お昼、お弁当を食べながら雑談するも達子は元気が無い。
このチームの中心は達子だ。
達子が元気が無ければみんなにも影響が出る。
蛇乃はパンと顔を叩くと達子の手を取った。
「辛いのは分かるけど、いつまでも引きずってちゃ駄目だよ。周りを見て、達子が暗いからみんなも暗くなっちゃってる。」
周りを見回し涙目になる達子。
そんな達子を蛇乃はギュッと抱きしめた。
「今は泣いていいから、午後の部はしっかり頑張ろう。」
頷く達子の頭を優しく撫でてあげる。
点差的にもう優勝は無理だ。
それでも、達子が元気になれるのならそれで良い。
達子の思い出になれるのなら最後までしっかりと頑張れる。
結果、最後まで頑張ったが優勝は出来なかった。
それでも、達子が笑ってくれた。
達子が笑ってくれるならそれで良い。
それに、何だかんだで私も楽しめた。
「達子、来年こそは優勝しようね。」
達子は笑顔で頷いた。




