74 魔剣vs魔法石 3
流れは一気に守の方に傾いていた。
大嵐の影響で吹き飛んだ葵にすかさず重力変換を決めたことで葵の動きを封じたのだ。
「さすがの葵ちゃんでもそのうつぶせ状態から魔法を出せるわけないよね」
今度こそとどめを刺すべく守は何のためらいもなく葵の魔法が当てられる範囲内まで入り込んだ。
葵の方も歯を食いしばっているのは分かったがそれでもどうすることも出来ず、ただうめき声をあげることしか出来なかった。
「さて、これで葵ちゃんは僕の物だ」
守は己の魔剣を振り上げる。
俺の中では重力変換の弱点には気が付いていた。それはあの技の持続力がそこまで無いということだ。だからこそ一回目の時、葵は魔法を発動させることが出来た。守としてはあのタイミングで効力が切れたところであそこまで近づいていれば殺せるという計算だったのだろう。
そしてこの弱点が正しければこの状況でも時間稼ぎさえできれば葵を救える。いや、もっと言えば形勢だって逆転できる。
だが、それをするにはためらいがあった。もし、ここで自分が時間稼ぎをしてしまえばそれは葵に協力したことになる。要は一対一の勝負に水を差したことになるのだ。
でも、時間稼ぎをしなければ葵は負けて……。
「うじうじしているなんて圭様らしくありませんわね」
その時思いもよらぬ声が聞こえた。
自分の後ろから歩いて来るはライフル掲げたいかついお嬢様だ。
「何をそんなところで躊躇っていらっしゃるのか分からないですが仲間がピンチなら応援くらいして差し上げたらいかがですの? 先ほどから拝見してましたが、さしずめあの二人で決闘をしている故助けに行きにくいといったところですのよね? でも、応援するくらいなら水を差したことにはならないのでは」
その、あと押しはまるで勝利の女神がそっと俺の背中を押してくれるようだった。
守の剣は既に地面と平行の位置まで振り下ろされている。ここから彼の動きを止めるには叫ぶしかなかった。
「葵‼ お前はそれでいいのかよ!」って。
本当は今回で戦いを終わらせるつもりでしたが終わりませんでした汗。
次回は圭君が叫びます!




