68 バリアーズ
前回の続きです。
語りも引き続き、小学五年生の葵ちゃん。
そんな感じで初めて守君と話が成立したのですが、彼はさらに私の「ねぇねぇ守君って将来何になりたいの?」という質問にも、ぶしつけな感じではありましたが答えてくれました。
「警官」って。
「え⁉ 警察官。かっこいい! 何で何で?」
「大したことじゃないよ。ただ、お父さんが警官だから……」
いつもは堂々としている守君が珍しく恥ずかしそうに答えているではありませんか。さらに胸の鼓動が跳ね上がります。ギャップ萌えってやつです。
「じゃあじゃあ私も警察官になろうかな。守君がなるなら私にだって」
「んな簡単にいかねぇーよ。それとも俺のことをバカにしてんのか」
滅相もない。どうしてバカにしてると思うのでしょう。どっちかと言えば尊敬しているのに。
「じゃあさ、人を守るっていうのがどんだけ大変か体験する?」
「へ?」
体験……って小学生なのに警察官の体験が出来るんでしょうか? 今流行りの『インターン何とか』ってやつでしょうか?
「まぁ警官よりも守る規模はちっさいけどさ、学校の治安を守る活動」
「う~ん……」
守君の言っていることは少し難しかったですが、どうやら私がその活動をすれば終始守君と一緒に居れるようだったのでやることになりました。
これがのちに『バリアーズ』と名付けられるチームの活動の始まりです。
ちなみに名前がダサいとか小学生の私たちは一切気にしておりません!
まぁバリアーズと言っても学校の治安は先生たちのおかげでそれほど悪くなかったので活動のほとんどはごみ拾いや画びょうが下に落ちてしまった掲示物を正しい状態にしたり、といった小さな活動でした。
でも時にはバリアーズ必須のアイテム、箒と塵取りを抱えていじめっ子を成敗したり、体育の授業をサボっている人のけつを叩いて鼓舞したり、先生に言い寄られる可愛い下級生や同級生を救ったり、屋上に上っている人を「そこ行っちゃいけないんだよ」って下ろしたり、警察官らしい活動もたくさんしました。
――――だが、そんな楽しい楽しい日常は唐突に終わりを迎えました。
ちなみに高校生になった葵ちゃんはバリアーズって名前はダサかったなと名付け親のくせして少々後悔しているらしいです。




