63 遺跡の最後
結局儀式は滞りなく終了した。
女神様もふざけるわけではなく、ただ淡々と意味の分からない詠唱を繰り返すに終わった。
まぁ「神々しい女神には神々しい光が必要なのよ」と言われ俺にスポットライトを持たせたあたり、未だに納得できないが。
「とりあえずこれで葵ちゃんは氷の魔法が使えるはずよ」
魔法石を使った魔法というものだから俺は杖にこの魔法石でもはめ込んで使うのかと思っていた。
だが、実際のところは杖なんて一本も出てこず。彼女の魔法を呼び出す魔法石――――アイスストーンはネックレスのように首からぶら下がっている。
せっかく首から下げるならやっぱり他の魔法石がよかったなと俺は思う。
川辺で拾ったような石ころをぶら下げる葵は、まるで初めて川遊びをした帰りの幼稚園児のようだった。
めっちゃだせー。
そして葵が詠唱を唱えることで魔法が発動する。契約という形で首からぶら下がっている限り、いわゆるMPを消費するみたいなことも無く、何回だって使えるらしい。
それを聞くと俺もめっちゃ目の前の魔法石欲しかったんだけど女神様に止められてしまった。
「それは無理ね。あなたフレイムソード使ってるでしょ。既にその中に魔法石の欠片が埋め込まれているから、新たな魔法石と契約するのは無理」
らしい。なんて理不尽。俺だってキラキラな魔法石から自分だけの魔法石を選びたかった。
まぁそんなこんなで俺たち二人は駄女神に別れを告げ、遺跡を後にした。遺跡の中はよかったものの外に出たら石ころぶら下げているのに抵抗を持ったのか、葵はアイスストーンを服の内側にしまっていた。
まさか葵も首からぶら下げることになるとは思っていなかったのだろう。
だが、この帰り道を歩く俺たちは、翌日学校中で俺たちが付き合っていることになってるという事件を知らない。
どうやら遺跡の中でキスをした写真が出回ったらしく、号外のごとく複製された写真が学校中でバラまかれたとか。
「滅んじまえ駄女神」と思うのも、また明日の事である。
ちょっと魔法石編長かったけどこれで終わりました。
これでこの世界に剣だけで無く魔法も追加されたことになります。
剣と魔法と、ファンタジー感がちょっと出てきましたね(笑)
次回は今回ばらまかれた写真が原因でまた一悶着あります。




