62 君の名は。
そんな中葵が選んだのは――――
「それはアイスストーンね。氷魔法を操るやつ」
「アイスストーン⁉」
そのネーミングセンスに俺の方が声を上げてしまった。
「どうしたの」
そしてそんな声を上げた俺の方がまるでおかしいように、女神様はいたって冷静に聞いてくる。
「いや、どうしたのじゃないでしょ。なんだよそのネーミングセンス! さっきまでルベライトとかサファイアとかそれっぽい宝石の名前が並んでたのに何で急にアイスストーンって。もうちょっとなんかあっただろ!」
「んなこと女神の私に言われてもねー。私が決めたわけじゃないし」
そんな言い合いをしている中、葵は我関せずの状態でその手にある、何なら川辺で拾えそうな少し白みがかった礫岩――――もとい、アイスストーンをキラキラした目で眺めていた。
「ねぇ! これ良くない‼ 圭君どう思う?」
どう思う。絶対やめた方がいいと思うけどな。そこら中に人生そう何回も見ることのできないキラッキラの魔法石たちが転がっている中、その石ころを選ぶってのは……
「玉石混淆、玉磨かざれば光なし、玉琢かざれば器を成さず」
唐突に駄女神が駄女神らしく意味わからないことを言い出した。
「言い出してないわよ! あんたがアイスストーンを石ころとか言うから説明してあげたんじゃない。本当の宝物は目に見えるものなんかじゃない。しっかりと大切に磨くことで、まぁつまり大切にすることで本当の宝物は生まれるって話よ」
「つまり?」
「あ~‼ もう、理解の悪い子ね。つまり、そのアイスストーンだって見た目あんなかもしれないけど、大切に使っていれば他の魔法石たちよりも素晴らしい輝きを見せるって事よ」
そして葵もすごく満足そうな表情をしながら「私、このアイスストーンにします」と決めていた。
まぁ葵がそれでいいならいいんだけど。
「だってさ、氷と炎ってすっごく相性がいいじゃん。私が敵を凍らせて、圭君がそれを燃やす。そんな連係プレーがいつかできれば……」
もう、期待に膨らみまくった葵を止めることが出来る人は誰もいなかった。
「じゃあ契約に移りましょうか。そうねじゃあまずは圭君とキ――――」
おい!
あ、やべ。つい勢いで女神様を叩いてしまった。…………まぁキス大好き駄女神を叩いたところでバチは当たらないか。
「当たるわよ! 大当たりよ‼ もう何なら今から呪い殺したっていいんだから。人がまじめに契約の儀式をしようと思ってたのに」
「俺とキスのどこがまじめに契約の儀式なんだよ」
「違うわよ! まだ私キスなんて一言も言ってないでしょ。圭君と協力してって言おうとしたのよ!」
え。え、えっと……じゃあ、あれ、俺、マジで無駄に女神さまを叩いてしまったのでは…………。
タイトルパクリじゃないですよ(笑)
君の名は。じゃん。『君』と書いて『魔宝石』って呼ぶやつでしょ。
ハイ! パクリじゃない。QED‼
…………何やってんでしょうね私(笑)




