57 駄女神という名のチョロ女神
またまた続きからです。
話を覚えていない人は前回の後半あたりから読むことをお勧めします。
「ふん。勘だけは良いのね。そうよ。あなたは『駄女神』と口にしては無いわ」
「じゃ、じゃあどうして……」
「勘が悪いわね。さっきの誉め言葉返しなさいよ」
勝手に褒められて勝手にけなされた。もはや嬉しくも無いし、悲しくも無い。
「その無関心がよくないのよ。簡単に言ってしまえば私は心の声もばっちり聞こえるって事。圭君が何を考え、何を思っているのかばっちりわかっちゃうって事」
本当に声しか無いのに楽しそうに話すポンコツ女神の様子がありありと目に浮かぶ。
「だから誰がポンコツじゃ‼ ちょっとは讃えなさいよ! ちょっとは『すごーい』って言いなさいよ! 私だって久しぶりに人の子に会うんだから。いつ来るのかな~いつ来るのかな~って楽しみにしてたのに」
わーすごいすごい。
「ふん。それでこそ人の子よ。やっと私のすごさが分かったのね」
わーチョロい。
「ちょ、な、なに言ってんのよ! 私があんなんで喜んだとでも思ってんの。こ、心を込めて私に畏怖の念を抱きなさいよ」
でも、畏怖の念を抱いたらせっかく会えた僕たちが怖くて逃げちゃいますよ。
「え、あ、と……そ、そうね。確かにそうだ。怖いと逃げちゃうよね。あ、でも、ちょっと待って。畏怖って怖いって意味だっけ。恐れ多いとかの意味じゃなかったっけ?」
あーコレ、すげー便利だ。いちいち口を動かさずともコミュニケーションが取れる。
「人を何でも心を読み取ってくれる万能AIみたいに言うんじゃない! っていや、あれか。万能AIっていい言葉か」
てか、そもそもあなた人じゃないですよね……。
「あぁぁぁっぁぁぁっぁぁっぁ!!!!! か、神様である私が何たる失敗を。これ、ヤバいわ。神様失格だわ」
失格したらどうなるんですか。
つい癖になって口を開かないコミュニケーションを楽しんでいたが、そういえばそれでは困惑してしまう人が一人いた。
「ねぇ~ねぇ~さっきから何であの神様は一人で喜んだり怒ったりしてるのよ」
葵である。当然葵の聴覚に入ってくるのはこの駄女神の――――
「駄女神言うな!!」
うっせー。
で、その、葵の聴覚に入ってくるのは駄〇神のツッコミと困惑だけであり、あっちやこっちに話が飛んで行っているせいで全くもって話に参加できないのだ。
「今、神様に暴言吐いたな! 『うっせー』って言ったな! 何なら駄〇神ってちょっと文字隠せばバレないって思ったでしょ。バレバレだよ。バレバレ。どうせ駄女神だって思ってんでしょ! いいよ。いいもん。こうなったら私にだって策があるし。もう、先生にチクっちゃうし。怖いだろ~。先生にチクられちゃうよ~。先生に怒られるぞ~。そうされたくなければ謝るんだな」
スイマセン。
「お~それでいいそれでいい。分かればいいんだよ。そしてちゃんと神様として扱えばいいんだよ」
わ~チョロい。
史上最高レベルの話の進まない具合でしたね(笑) もはや自分でも表情とか行動とか地の文を書いてないから物書きとしてはふざけてるな~って気がしてます。でも、この駄女神は自然と人の子をそうさせてしまうのです(人のせい――神のせいはよくないですよね。スイマセン)
ホントはこの後も「チョロい」って言われたことに対する論争を繰り広げるのですが一向に話が進まないので、次回からはちゃんと本題に戻ります。




