56 扉の先
前回からのバリバリ続きです。
俺は俺でかろうじて攻撃を避けていたもののこれじゃ当てられるのも時間の問題だ。
「ったくどこから攻めれば」
相変わらずこちらの攻撃は一切通じない。すべて防がれる。
だが、その時……。
「どいて~~」
どこからともなく――というわけでも無いけど(小さな同じ部屋にいたわけだし)声が聞こえてき、そして一瞬で目の前にいた甲冑が上半身と下半身でキレイにすっぱりと切れた。
あまりにとっさのことで俺はもちろん、切られている甲冑でさえ何が起こったのか分からないという様子だった。
それはまさに横やり。
甲冑は理解できないまま上半身が地面に、あれだけ厄介だった敵は一瞬で崩れ落ちた。
「あ、あはははは。甲冑から必死に逃げてたら切っちゃった」
その葵を追っていたのだろう甲冑たちも最後の砦となっていた甲冑の残骸につまずきボロボロに崩れていた。
「あ~~!! 俺が頭つかって最後の甲冑をどう倒そうか考えてた時間返せ~~」
とは言いつつも結果的には葵が一瞬で倒してくれて助かったっちゃ助かった。あまり腑に落ちないのだが。
*
まぁそれはそうと、これで扉に向かうことを邪魔するものはいなくなった。
俺たち二人はさっさとこの小さな小部屋からおさらばするべく、奥にあった金属の扉を開いた
その先には――――何もなかった。さっきよりかは広かったけど、甲冑も何も無い。
しいて言えばさらに奥に金ぴかに光る扉があるくらいだ。
あれも罠か?
まぁどっちであってもどうせこのポンコツ女はすぐに「宝の部屋だ~」とか言って駆け出すんだろうな。
と思っていたのだが、その考えが裏切られた。
たった一つの声によって。
「よくもまぁここまでたどり着いたわね。ここまで来れたことは褒めてあげるわ」
まるでラスボスのような口ぶり。だが、実体は無く、声だけが部屋に響き渡っていた。
「ここは、この遺跡の最奥。そしてあなた達の目にも映っているであろうそこの金ぴかの扉こそ、大量の魔法石がしまわれている場所につながる扉」
意気揚々と実体のない何かが語り続ける。
「そういや、自己紹介を忘れていたわね。私はこの遺跡を管理する女神よ」
そう、どうしてこの声にラスボス感が無かったのかと言えば声が普通に女性だからだ。確かにラスボス=男というのは現在の男女平等主義であり、性役割分業が否定されている時代には良くないのかもしれないが……。
で、何を語るかと思えば自称女神でした。
「ふん、私は誰もがうらやむ女神様。あなた達も私という存在に出会えたことに感謝するのね」
そしてセリフからあふれるポンコツ感。これはあれだ、どこぞの異世界にでも転生したら出会える駄女神ってやつだ。
「誰が駄女神よ!!」
「あ、いや、すいません。つい――――」
ってあれ? 俺、『駄女神』って口に出したっけ??
ここら辺キリが悪いですね。次回も続きになります。




