50 捜索①
「ね、ねぇ圭君。本当にここ歩いて行って大丈夫なの?」
洞窟の入り口。目の前からして明かりが無く、まるで闇の中に飛び込めと言っているようだった。
「でも、行くしかないんだろ。ここに魔法石があるのなら」
彼女は何も言わずコクリと頷く。頭では分かっていても体が拒否しているのだろう。
それでもあの珍獣と追いかけっこをしただけで、何も成果が無いというのは嫌だったのか、俺は自然と足を踏み出していた。
俺が中に入ったとなれば葵もついて来る他ない。
「…………」
「…………」
洞窟の中での視界なんてあったもんではなく、俺は壁伝いに一歩一歩、歩みを進めていた。
俺だって進むことに恐怖が無いわけではない。無いのだが、それをかき消すレベルで暑かった。というか暑苦しい。
「は、離せ! マジで暑苦しいわ! 引っ付くなアホ! 歩きにくい」
「ば、バカな圭君にアホって言われる筋合いはない!」
「筋合い無いならちゃんと歩け! 何でそんながっつりくっついて来るんだよ!」
「そ、そんなの怖いからに決まってるでしょ‼ 何でこんな何にも見えないところをそう平然と歩けんのよ!」
こんな感じで醜い言い争いをしているとますます体温が上がった。こんなんじゃ洞窟の中のに熱中症で倒れちまうわ。
そう思っていたのだが、奇跡が舞い降りたのか、さらに少し歩くと光が見えてきた。
「出口――――ってわけじゃないよな」
「それはもうホラーの館よ。私たちまっすぐ歩いてきたんだから出口なわけ無いでしょ。ば、バカじゃないの圭君」
そういう葵の声も震えている。もしもあの光が本当に出口だったらとか想像してぞっとしているのだろうか?
それでも俺たちは進むしかない。引き返したって、そこには闇と入り口しかないはずだから。
*
そして、前に歩くことがどうやら正解だった。たどり着いたそこは聖堂のホールのような大広間。
どこから電気が供給されているのかシャンデリアの光は太陽のごとく透けた色で輝きを放ち、このホール全体を照らしてた。
そしてそのホールの中央、これ見よがしに早押しボタンのような赤く丸いボタンがポツンと一人で寂しげに立っている。
「いや、どう見ても罠だろ」
万人が見れば万人がそう考えることだろう。
「わ~ボタンだ‼ 何だろう。とりあえず押してみるね」
たった一人の例外を除いては。
ついに50話達成しましたね!! あと何話続けることが出来るのは分からないですが節目の50話までこれたのは皆さんの応援のおかげです!
まだまだ感想・評価も受け付けてますし、ご愛読いただくだけでも感謝感謝です。
これからもよろしくお願いします。




