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ロスト学園  作者: 神木界人
1章 すべての始まり
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3 雲雀学園は普通と違う

「なぁ更衣室ってどこだ?」


「え~そんなことも知らないの⁉」


 隣のよしみで聞いてみたところバカにされた。 てかなんでお前は知ってんだよ!





 そんな彼女だったけど意地悪な人ではないらしく、親切に更衣室まで案内してくれることに。


 こうして色々なことが一段落するとそれはそれで新たに気になることが出てくる。さっき担任の先生からもらった剣だ。


 漆黒という言葉が似あうほど黒く、剣の長さも1mないくらいの平均的なやつ。地面につければ腰のあたりまでくる長さだ。



 「なぁコレどうしたらいいんだ? てか、ナニコレ?」


 純粋に誰でも考え付きそうな質問をぶつけたつもりだったが、彼女のほうがなぜか困惑した表情を見せる。


「えっと、圭君? 何言ってるの? 校長先生の話聞いてた?」


「校長先生の話?」

 

 入学式の時の話だろうか。校長先生の話がバカ長かったって記憶しかない。それに後半はもはや話の内容すら覚えてないし。



「ははぁん。その反応は聞いてなかったでしょ。とことんバカね」



 葵は、探偵が疑わしき人に向ける眼差しで得意げに迫ってくる。


「バカって言うな! ってものすごく言いたいところだけど、今はバカな俺にも分かるように説明してくれるとありがたい」


 そんな彼女に対して屈辱にも俺は折れ、教えを乞うことにしたのだ。


「まぁしょうがないわね」


 明らかに優位な立場に立った彼女の態度はつくづく鼻につくのだが。



 

 とりあえず前提条件としてこの学校、雲雀学園が県の落ちこぼれを集めている場所だってことはいいよね? でもって県の落ちこぼれってことはまぁ当然国から見ても落ちこぼれなわけさ。だからこの学校に集まった私たちが知能で他の人と競おうとしたところで勝負は目に見えている。ならなにで戦う? 体力しかないでしょ。というわけで私たち生徒一人ひとりに武器が渡され、お互いに斬りあって戦い、戦闘力を上げましょうってわけ。



「はぁ……。じゃ、じゃあもし、斬られた場合その場で死ぬって事か?」


「なんてネガティブ思考! そんなんで死んでたら生徒一人もいなくなっちゃうじゃない。バカなの? もしも、他の誰かから斬られた場合はライフポイントが一つなくなるってだけ。まぁ簡単に言えばマリオとかで敵に当たってとりあえず一人死んじゃった。くらいの感覚かな。私たちも保健室に行けばすぐに復活できる。でも、初期設定として一人に与えられるライフポイントは5しかないんだって。まぁマリオと一緒なわけだ」


「じゃ、じゃあもし、そのライフポイントがすべてなくなったら……」


 恐る恐る俺は聞いてみたが、想像の通り聞きたくなかった答えが返ってきた。


「まぁそりゃ死ぬわね。血が出んのか出ないのかは知らないけど。そして、それとは別に、人を斬った場合にはバトルチップっていうのが一つもらえるの」


「バトルチップ?」


「そう、このバトルチップを50個集めると卒業。つまり、この学校を出るためには50回人を倒すか、5回死ぬしかないってわけ。どう、分かった?」


 分かったも何も、言っていることは分かったにしても現実味がなさすぎる。


 というかあまりにも実感がなさすぎるのだ。ここまでは普通の生活だし、剣を受け取ってからも誰一人殺し合いや決闘みたいなことはしてない。

 自分で一回死んでみないとそのライフポイントというのもよくわからい。

 

 かといって自殺してみる勇気はなかった。5個しかない命を一つ無駄にするかもしれないし、葵の言っていることが勘違いや嘘だった時なんてそれで死んでしまうかもしれないから。




「って、圭君一体どこまでついてくるの?」


 葵にそう言われて俺は妄想の世界から我に返る。 あたり一帯を見渡せば白いロッカーが無数に並んでいた。


「まさかここって」


「まさかじゃなくても女子更衣室だよね~。男子更衣室は隣だったんだけどな~」


「お、お前、それ早く言えよ。てか、お前は入ってこられて嫌じゃないのかよ!」


「まぁ私はまだ脱いでないし。圭君はそういう変態さんなんだな~ってちょっと思ってたところ。もしそうじゃないっていうなら早くここから出ていった方がいいよ。今は私と圭君しかいないけどそのうち女の子も来るだろうし」


「い、言われなくても出ていくわ!」


 そして大急ぎでドアを開けたものの、まぁそりゃそんな現実が待っているよな。女の子が二人、ドアの前に立っていた。いや、立っていたというよりかは開けようとしたドアがいきなり開いて驚いているといった方が正しいか。それとも男が出てきたことに驚いているのか……。


「ちょ、誰よあんた!」


 二人のうち、背の高くて威勢のいい方が、俺の胸ぐらにとびかかってくる。もう一人のちっちゃい方は完全に震えておびえちゃってるし。


「わ、悪い。間違っちまったんだ」


「誰が女子更衣室と男子更衣室を間違うのよ」


「と、とにかくすぐに出ていくから」


 といって、無傷で出られるわけがなく、これから身体測定だというのに身体ボロボロになるのだった。

 

なんか、説明回になってしまったので少し長くなりました。

自分でもこの設定を忘れないかどうか不安です……。


次回はきっと身体測定をするんでしょう。まぁこんな学校の身体測定だから……

(ちなみに漢数字と算用数字の混在は分かりやすくするためにしています。ミスではありません)

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