43 新井の仕事
いつもとはちょっと違ったタッチで小説を書いてみました。
圭たちが屍食鬼たちと相見える前日。新井はとある女性に呼び出されていた。
「準備出来ているんでしょうね?」
「はい」
窓辺からさす光は新井の視界をまぶしく照らし上げ、その目に映るものをぼやかす。
「まぁあなたには期待しているから。くれぐれもその期待を裏切らないように」
そう言い渡された彼女の使命。それが1年A組に壊滅だった。
「Aには優秀な生徒が揃い過ぎている。今のうちにライフを減らしてくべきよ。反乱因子の芽は早いうちから積んでおかなきゃ」
新井はその言葉に抗うことはできなかった。「NO」と言えば自分の命がどうなるか分からない。彼女に従うしかない。
だが、新井もホイホイぺこぺこの駒ではない。彼女には彼女の意思がある。だから水面下での抵抗は見せている。自分を抑え込む彼女に報復するための策を。
それを勘付かれないためにも新井はその芽が花を咲かせるまで、どんなことだって従いぬくつもりだ。
*
屍食鬼の活躍は見事なものだった。もちろんA組の生徒たちも強い。それゆえに食っては切られを繰り返し、お互いに数を減らしていった。
だが、こちらの屍食鬼はいくらでも生産できる。ゲームでいうところの『エネミーのポップ』レベルで新井の魔法詠唱一言でボンボン量産できるのだ。辛うじて負けるとすれば屍食鬼が一掃された時くらいだろう。
校舎の陰に隠れて、詠唱を唱え。屍食鬼に敵を倒させる。『魔物召喚』という魔法スキルの便利なこと、便利なこと。唯一の欠点としては屍食鬼が切られるたびに新井自身に身体的ダメージが来ることくらいだ。
まぁこれだけの数を召喚していれば傷だらけにもなるが……。
それでも、A組のみんなを追い詰めた。残りはそれほどいない。主力だった春風小雪や内田朱里は既に殺している。殺しているといってもこの学校に所属する新井が出している魔物だ。もちろんライフポイント制度が働くからライフポイントを1 削ったに過ぎない。それでいい。さっきも言ったがあの子たちを本当に殺してしまうのは惜しい。あの子たちならもしかしたらこの学校――――ロスト学園の悪しき風習を打ち破れるかもしれない。
もしかしたらこの学校初の卒業生になってくれるかもしれない。
だが、その瞬間私の体が異常な温度に包まれる。それに加えて体中にまるでナイフを刺されたような衝撃が。
新井は必死で呼吸を整え、膝立ちになりながら戦場の方を見た。
「ウソ⁉ なんであのお方があそこに……」
ちなみに新井って誰だよ‼ って思った方、すでに出てきている人物ですよ。是非振り返ってみてください(笑)
次回は普通に圭君視点に戻すかと




