42 それぞれの戦い
我先に屍食鬼の群れに駆け出して行ったのは小雪だった。
俺らの持っている剣よりも少しリーチの長い日本刀を右に左に、まるでダンスを踊るかのように振るっていく。彼女の通り抜けた先では屍食鬼もバッタバッタと倒れる他ない。
そんな小雪が取り逃がしたものを朱里がいわゆるダガーと呼ばれるナイフのような短剣で首元をグサリ、グサリと切り殺していく。
二人ともあれで女の子というのだから怖いよな。度胸あり過ぎだよ。
もちろん俺と葵も負けるわけにはいかない。彼女たちとは別の方角から攻めてくる屍食鬼を迎え撃つ。
我先に俺たちの肉片を食ってやろうと、口を大きく広げながら向かってくる屍食鬼の腹に剣を入れ、その後、首を切り落としとどめを刺す。
俺たちの後ろでもA組のみんなが必死に屍食鬼と戦っているようだったが時々聞こえてくる断末魔の叫びが俺たちをも怯ませる。
俺の見えない範囲ではどっちが優勢なのかは分からない。そんなことを気にする余裕すら屍食鬼たちは与えてくれないのだ。
しばらくは俺もうまく立ち回れていいると思っていた。
が、残念ながらそうでもないらしくいつの間にか屍食鬼たちに囲まれている。
その円の中心に俺と葵がいた。
「圭君。これはちょっとまずいんじゃない?」
「まずいどころの騒ぎで無いのは確かだよな」
屍食鬼たちはよだれなのか何なのか、白濁気味の液体を垂らしながら眼球むき出しでこちらを眺める。それが一匹ではなくみんな揃って同じような表情をしているから気持ち悪い。
「でも、これを何とかしなきゃ俺たちはあれの餌食だ」
「ま、また私、あんなドロドロにされちゃうわけ⁉ もう嫌なんですけど」
思い出す必要もないショッピングモールでのモンスターを思い出し勝手におびえる葵。
だが、その恐怖が力になったのだろうか、無類の力を出し、彼女は屍食鬼のいる方向に自ら向かっていく。
もちろん屍食鬼たちだって御馳走が自ら自分の方に向かってくるのだ。ニタリと笑い彼女に向かって数匹の屍食鬼たちが飛び掛かる。
「ふん。そう来ると思ってたわよ。気持ち悪いゾンビども」
そういうと葵はスッと下にしゃがみ込みその頭の上では東西南北すべての方向からやって来た四匹の屍食鬼たちがきれいに衝突する。
そしてお互いに激突の衝撃で怯んでいるところに容赦なく己の剣を突き上げて屍食鬼を串刺しにして見せた。
あいつはあいつで怖ぇ~。よくよく考えれば俺の周りにいる女子たちは誰一人敵に回したくないやつばかりだ。
俺は、さらに葵に対して追い打ちをかけようとする屍食鬼たちの露払いに徹した。何せ俺の役目はそれで十分なのだから。
描写がえぐい気がします。本当にR15で大丈夫なんだろうか? ま、まぁ大丈夫だよね。そもそもグールは人外だし。東〇喰種とかでもこれ以上の描写あったもんね。




