25 圭と由美のタッグバトル
「お前ら! なに寄ってたかって女の子をいじめているんだ!」
何とか、俺は戦いが始まる前に輪の中に入ることが出来た、入るついでに一人吹っ飛ばして来たから残りは『あるやつ』を含めて八人だ。
「師匠⁉」
「なんだぁお前」
由美ちゃんは驚いていたが、『あるやつ』の方は至って冷静だった。視線を由美ちゃんから俺によこし、獲物を横取りされたライオンのような眼つきで睨んでくる。
そんな彼に対して俺は律義に名乗った。
「風川圭。ただの生徒だ‼」
ここは盛大に。校庭に響くぐらい大きな声で叫んでみたところ、一瞬でアイドルレベルの注目の的に。
「ただの生徒って……かっこいいんだか、かっこ悪いんだか。ホントバカね~。私は川上葵。ちょっとばかり楽しませてもらうね」
さらに葵も後ろから追いかけてくれていたみたいで、剣を抜きながら俺たちのもとまでたどり着いた。
多勢で襲ってくる男たちに対して、うまく剣をよけながら確実に自分の攻撃を当てていく。数では負けていても個々の能力でいえば断然こちらの方が上だった。
攻めあぐねる仲間たちを見て『あるやつ』のイライラもかなり上昇しているのが態度から見て取れた。
「クソ! てめぇーら遅いんだよ‼ 変な男と女二人がどうして殺せねぇーんだよ!」
だが、俺としては「変な男」もそうだが自分だけ高みの見物をするコイツが許せなかった。
「由美ちゃん! あいつを二人で片付けるぞ。取り巻きは葵に任せていいか?」
「はい! 師匠」
「もちろん。任せなさい」
俺は葵だけを残して真っ先に『あるやつ』に突っ込んむ。最初の一撃は相手の剣で受け止められてしまったが、想定通り。俺はそのまましゃがみこんで、第二撃目を待つ。由美ちゃんの連撃を。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
もう聞きなれた彼女の声。でもそれが俺のしゃがむ合図になる。
「何⁉」
さすがに『あるやつ』も躱しきれなかった。『あるやつ』のほほに猫のひげのようなかすり傷を付ける。
「やってくれんじゃねぇーか! あんまり俺をなめんじゃねぇー」
さっきやった俺の自己紹介以上に声を荒らげ空に飛ばす。
そして由美ちゃんの方にまっすぐ向かっていった。
ちょっとしたデジャブ。VR世界にで俺が死んでいた(振り)をしていた時のイノシシ戦と同じだった。
俺と『あるやつ』の間くらいに由美ちゃんがいて、そして三人が直線上にいる。敵の『あるやつ』は全速力で由美ちゃんと俺のいる方向へ。そして由美ちゃんがそれをギリギリで躱した。
ということは…………
「け、圭君⁉ 危ない‼」
葵の声は今日一番の大声だった…………。
前回のあとがきで圭君も参戦です的なことを書きましたがなんか葵ちゃんもついてきちゃいました(笑)
おそらく次が乱闘戦の最後だろうと思います




