102 如月の研究成果
前回のあとがきにも書きましたが完全に続きです。
しかしこのまま黙っていてもしょうがないと思ったのだろうどこからともなく「力が欲しい」というか細い声が聞こえてきた。
「よろしい」
そう言うと如月は机の上に謎の装置を置き「では始めましょう」と、謎の装置のスイッチを入れる。
装置からは音楽が流れだした。聞いたことも無い不協和音が揃った不快な音楽。
「な、何よこの音~」
「葵、この音を聞いちゃダメだ!」
忠告したのは小雪だった。
「雪ちゃん?」
だが、それに対する返事がない。それどころか葵自身もこの音に耐えるのに必死で小雪を探す余裕さえない。
結局、何もできないまま音は鳴りやんだ。葵自身の体には何ともない。けれど、明らかに周りの様子はいつもと違っていた。
「さぁどうですかこの力は。この力で風川圭を殺すのです!」
圭君を殺す? どういう事⁇ 葵には理解できなかったがそれでは脳ではなく視覚からどういう事かある程度理解出来た。
「風川圭を殺す」
「風川圭を殺す」
「風川圭を殺す」
「風川圭を殺す」
全員が全員、壊れたロボットかのように同じ言葉だけを繰り返していた。それは小雪や朱里、亜紀に至っても同じ。例外と言えば本当に葵だけだ。
「如月! みんなに何をしたのよ~」
「あらあらクラスで三番目に力のある川上さんには効かなかったようで」
「さっきから何言ってるのよ! 意味わからない」
「言っている意味が分からないのはあなたの方ですよ。あなた方が望んだことではありませんか。『力が欲しい』と。それを叶えたまでです」
「叶えたって……。どこがどういう風に叶ってるていうのよ!」
「全く。なら先に力を見せてあげましょう。私の力でどのくらい強くなったのか試してみるといいでしょう。春風さん内田さん」
そう言って指を鳴らすと、小雪と朱里は一瞬で近づき、葵の腕を片腕ずつ抑えた。
「雪ちゃん? 朱里ちゃん?」
「どうですか。これが私の力です。痛いですか? 強いですか⁇」
「二人とも! お願い離して‼」
「ハハハ。無理ですよ。彼女たちにあなたの声なんて届きませんよ。それとも友情パワーで私の力に抗えるとでも」
如月の言う通り二人の力はいつもの数倍、いや数十倍はあった。全く腕が動かないし足を使って逃げようとすれば腕が引きちぎれそう。
「くぅ…………」
「その恐怖と怒りに満ちた顔、ゾクゾクしますね。何ならそのままセメントにでも固めて私のもとに置いておきたい」
如月は葵が動けないことをいいことに、彼女に近づき、上から下から舐め回すように指を肌に滑らせる。
「…………!」
「良い、良い、良いよ。凄くいい。さすが女子高生ですね。抗いたいのに抗えない。ホッント、ゾクゾクします。本当なら、もう少し遊んでいたい気持ちもありますが、安心してください。すぐにあなたも楽にしてあげますから」
「さんざん触りまくった挙句に殺すつもり」
「とんでもない。風川圭を殺すのにターゲットと桐原さんを除いたとすれば圧倒的クラス一位の実力を持つあなたを殺すのはもったいない」
「じゃあ…………」
如月は不気味な笑顔を浮かべながら己の右手を使い葵の顎を上げさせ、自分に無理やり視線を合わさせた。
顎くいって今でもドキドキシチュエーションの一つなのでしょうか?




