101 デートと科学
先生たちが会議をしていたのと同時刻。俺と先を乗せたリムジンは目的地に到着していた。
「おい咲、ここはどこなんだ」
「ここは桐原家が私有する遊園地ですわ」
「…………」
私有する遊園地ってどんだけ財産があれば遊園地が作れるんだよ。
「さぁ一日たっぷり遊びますわよ」
まぁどれでも乗り放題、順番も優先的に乗れる遊園地デートなんてなかなか出来るもんじゃないし、しっかりと楽しませてもらいますか。
「では、まずはあれからですわね」
「あれ?」
「もちろんですわ。遊園地に来てあれに乗らないなんてどうかしてますもの」
あーあれか。ここまで来たら誰だってあれの正体だって分かるもんだ。
俺と咲は一緒にあれの元へと向かった。
「さぁ着いたわよ」
俺たちの目の前には現れたのは確かにジェットコースターだった。ただそのジェットコースターの形状が普通じゃない
モノレールの中でも珍しいと言われる懸垂型のレールとコースタで(よもやジェットコースターでは聞いたことも無いけど)、さらには乗客がコースターに乗ってすらいない。宙づり状態でこうもりみたく足だけを固定されてぶら下がっているのだ。
伝わるだろうかこの異常な光景が。
「まさかじゃないけどあれに乗るとか言わないよな……」
だが、彼女は満面の笑顔でパーフェクトスマイルには勝てなかった。
*
時同じくして雲雀学園。時間にして三時間目、科学の時間。
「今日はこれで授業を終わりにしましょう」
「あれ如月。まだ時間あるけどいいのか」
A組の男子生徒が時計を指しながら言う。授業終了二十分前だ。
一部では「じゃあこっからは自由時間でいいのか」とか色めきだってもいたが、
「ただ、少しお話があります」と如月が声を掛けると一気にムードは下がった。
「んだよ話って」
とても教師と生徒の会話とは思えないやり取りだが、今更如月の方もそんなこといちいち気にしてはいない。
「話というのは、あなた達は強い力が欲しいかどうかという話です」
だが、さっきまでの空気は一変し、ピリつく。ろくに授業も聞かない生徒たちが今日一番で静かになった瞬間だろう。
「つまり今の自分よりも強い力、戦っても負けない力、あるいは強い奴と対等に戦る力が欲しいかという事です」
「何が言いたいんだよ如月。そんなの欲しいに決まってる! でも出来るわけねぇーだろ」
「ふふふふ、私の科学力を使えばそんなことも可能なのですよ」
如月のやつは本気だ。からかいでここまで授業の時間を潰したりしないし、そもそも授業以外で口を開くことすら珍しいのだから。
「さぁどうします?」
さすがにさっきまで威勢の良かった男子生徒も空気感というものを感じ取ったのか何も言い返せなかった。
しばらくはこんな感じでデートエンジョイ勢と学校組の二視点を平行的に移していこうと思います。
って言ってもそんなに長い事でも無いです(笑)
次回は完全続きからで




