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ロスト学園  作者: 神木界人
8章 特別待遇林間学校
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98 別れ

 俺がここまで走って来てのは、紛れもなく葵からの救援を期待したからだ。


 ここは葵が敵と戦っていた位置の直線上にあるゆえに、葵は戦いながら俺の戦況を確認することも出来るはず。そしてもしも自分が本当にピンチになった時には魔法で助けてくれるはず……。


 と、完璧すぎる。実に完璧すぎる。我ながら自分の戦術力が怖すぎるぜ。


「だから、私がそれ協力しなかったらどうするつもりだったのよ!」


「んなことは欠片も心配してなかったよ。葵ならきっと助けてくれるって」


 だってパートナーなんだから。


 そう思って言ったんだけど葵はなぜか照れながらそれを誤魔化すかのように「とっとと残りも片付けるわよ」と。


 だが再び剣を前方に構えると、ほとんどのイベルタス軍人は俺たちの場所から消えていた。そこらへんで死んでいる人の数を足しても最初の大軍にはならない。


「全く腰抜け連中だったわね」


 俺たちがその違和感に戸惑っていると、腕を組みながら陽子さんがこちらへ歩いてきた。剣は既に懐に仕舞われている。



「どういう事ですか?」


「どうもこうも圭君が戦っていた男がいたでしょ。彼が奴らの指揮を執っていたリーダーだったようでね。噂に聞いていた顔じゃ無かったから本物のボスって言うわけではなさそうだけど、一番隊長とかその位の実力者であるのは確かだわ。そしてそのリーダーが負けて氷漬けになっちゃったもんだから、みーんな尻尾をまいて逃げちゃったのよ」


「へ~やるじゃない圭君」


 葵がからかうように俺を突っつく。


「いや、お前のおかげだろ葵。お前が魔法を放って……」


「な、何言っているのよ! あ、あれはたまたまあいつに当たっただけで」


「まぁまぁいいんじゃない。星羅には二人の活躍でイベルタスを退治できたって伝えておくね」


「「こいつのおかげです」」


 ハモった。なぜか分からないがこういう言葉だけ息が合う。


「ふふふ。本当に仲良しね」


 微笑ましいカップルを見るかのように陽子さんは手を口に当てながら笑う。

 そりゃ俺としては微笑ましいカップルになりたいもんだけど、まだそうじゃないし、なんか恥ずかしい。葵も「そ、そうじゃないですから!」みたいに否定しているもんだから俺もそれに合わせて「だ、誰がこんな奴と」と否定してしまった。

 そして心の中で、また葵に告白するタイミングを逃したと軽く後悔。

 なんかここ最近はこんな事ばっか繰り返している気がする。一生告れる気がしないんですけど……。


「まぁ成績優秀で見ていて面白かったけど、あなた達と一緒に居れるのもこれで最後ね。少し寂しいけどまぁ出会いがあれば別れもあるものだし。学校に帰っても仲良くやるんだよ」


 戦いが終わって間もなく、まるで戦いが終わるのを待っていたのかってくらいタイミングよく校長のヘリコプターが迎えに来た。それに合わせて俺と葵は陽子さんに手を振りながらそのヘリコプターに乗り込む。


 正直初めのうちはあんな特訓に意味なんて無いって思っていたけど、実践をしてこれだけ成果が出ていたとなると、急に別れが寂しくなった。どうしてかはさっぱり分からない。ただ理由は無くまたいつか会えたらなと。



USBが見つかったことは良かったのですが、いきなり線路を戻した感じになったのでキャラ性が崩壊していないかだけ心配です(そんなことは無いと思うのですが)


あと、飛ばしていたストーリーですが話の流れを壊すのもアレなので序章の上にある、サブエピソードにひっそりいつかぶち込んでおきます

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