表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
授かったチートが強力すぎる  作者: 長月真砂
異世界転移編
6/97

狼の使い魔

「え、どういうこと?」

『ですから、私をあなたの使い魔にしてほしいのです』

「ごめんね、使い魔って何?」

『使い魔というのは、契約し従えた動物や魔物の事です! 使い魔は、主がいつでも召喚できるようになる他、稀にスキルやステータスを共有する事が出来るようになるんです!』

「なるほどねー。いいよ、契約するにはどうするの?」

『主となる者の血を私が飲めばいいのですが……』

「あああ、難しい」


 さっき頑張ってあれだったからね。一滴血を流すのに労力はどれくらい必要か。

 アイスソードなら何とかなるかな……


『お前、使い魔になるだと!?』


 あ、白い方が我に返った。


『ええ』


 黒い方、あっさり肯定した……


『人間に服従するのか!』

『あんなに凄い力を持っているのにですか? あなたも好きでしょう、ああいう人』

『…………』

『私達二匹とも契約してしまいましょうよ』

『こうなったらお前は止まらないからな……分かった。俺も使い魔になる』


 なんか最後あっさりねえ、白い方。誇りみたいなの持ってるかと思ったけど。

 私は……腕切るの頑張るか。いや、好きなわけじゃないんだけどね。

 私の周りに防御結界を張ってと。これで風はこの中だけなはず。

 アイスソードで腕を切りつける。

 私の周りだけに風が吹き荒れ……さっきよりはマシ、程度の傷はついた。

 何度かそこと同じ所を切りつけたら一滴だけ血は出てきたけどね。


「ごめん、これ舐めて」


 腕を見せて、先に黒い方に舐めさせる。

 すると勝手にステータスが出てきて、項目が一つ追加された。

 成功かな?


「これで契約って完了?」

『はい。使い魔のステータスは、主も見ることが出来るようになります』

「へえ……なんかこの世界って凄い。次は白い方ね」


 もう一度切って血を流して、白い方に舐めさせる。

 ステータスにもう一つ項目が追加された。契約完了。


「さ、確認させて。……あれ、名前がない。どうして?」

『俺たちに名前が無いからだな』

「名前が?」


 黒い方にも視線を向ける。

 頷き返された。


「じゃあ、私がつけさせてもらうわね。えっと……黒い方がコク、白い方がハクで」


 黒と白の音読みなだけだけど、気付く人はいないはず。だってここ、異世界だから!


『私がコクですね』

『俺がハクか』


 あ、ステータスに名前が追加された。

 確認しよう。


----------

コク  レベル28

    ダークウルフ(魔物)


HP  156,200

MP  253,600

SP  102,200

攻撃力 129,100

魔力  270,800

防御力 199,400

素早さ 293,000


固有スキル

闇属性

状態異常耐性A

攻撃魔法補正


追加スキル

獣人化

覚り

スキルリンク

ステータスリンク

----------

----------

ハク  レベル28

    ホワイトウルフ(魔物)


HP  162,100

MP  101,100

SP  205,000

攻撃力 290,800

魔力   96,700

防御力 253,000

素早さ 296,200


固有スキル

光属性

状態異常耐性A

身体強化補正


追加スキル

獣人化

スキルリンク

ステータスリンク

----------


 ううむ、これは凄いのか凄くないのか。一般人ってどれくらい?

 それにしても、スキル……


「ねえ、闇属性とか光属性とかって何?」 

『無属性攻撃がその属性になったり、その属性の攻撃が効きにくくなります。私の場合闇属性なので、攻撃が闇属性になりますし、闇の魔法は効きにくいです。ただ、反対の光属性の攻撃が効きやすくなりますし、光の魔法を扱いにくくなります』

「何となく分かったわ。じゃあ、獣人化って何?」

「こういうスキルです」


 ステータスから目を離してコクの方を見て、絶句。

 だって、狼の耳と尻尾のある黒髪で紅い瞳の青年がいたから。


「え、もしかして……コク?」

「はい」

「『獣人化』はそのままの意味だ」


 あ、ハクもなってる。こっちは白い髪と紫の瞳だ。

 二人ともかなり容姿端麗な方じゃない?

 そういえば、前の世界でも『美形が仲間』っていうのはよくあったな。まさか、自分が体験することになろうとは。ハクもコクも魔物だけど。

 っていうかこれって二匹って呼べばいい? 二人って呼べばいい?

 ……本性の狼の姿の時は二匹でいいか。獣人化のスキルを使ってる間は二人で。


「ねえ、二人とも上位の魔物だったりする?」


 頷かれた。


「ホワイトウルフもダークウルフも上位の魔物ですよ」

「俺たちは若いが、その中でも力があるからな」

「うわあ……物凄いの使い魔にした……」


 私に比べたら弱いんだけど、それは私がとんでもなくおかしいだけか。

 いや、おかしいっていう自覚はあったけど。ここまでとは……


「あ、スキルリンクとかステータスリンクは何?」

「主と使い魔のスキルとステータスを、その名の通り共有させることです。………えええっ!? 両方出たんですか!?」


 コクは自分のステータスを確認したらしく驚いていた。

 っていうか魔物なのにステータス見れるんだ……


「その驚きようは、普通はどちらか一つってこと?」

「どちらかが出るのも稀なんですよ!」


 全能神の加護か、それとも私が幸運なだけか。

 恐らく前者ね。どちらかがでれば幸運になるんだから。

 でも、コクのスキルは使ってみたかったし丁度いいかな?


「ってそうじゃない、夕ご飯を作らないと。二人は果物取ってきてくれる? ローゼンピーチとレッドーベリーを三個ずつ。木はそこにあるから!」

「分かりました。三つずつですね」

「玄関には旗を立てておくから。そこから入ってね」


 二人は木の方に向かっていった。

 私は作った旗を入り口に立てると、水槽からリバーフィッシュズをそれぞれ二匹ずつ取り出す。

 キッチンに瞬間移動して、魚は全部捌いていつも通り焼く。


「……醤油とかないかな」


 煮魚も作りたい。

 そこに、コクとハクとが来た。


「お帰りー。果物はテーブルの上に置いといて……どしたの?」

「……どうなってるんだこの家は」

「?」

「いえ……魚の入っている壁ですが、どの町でも見たことがありませんから」


 ああ……水槽。これもこの世界に無いのか。


「これは水槽。っていうか二人とも、どの町でもってことはどこかの町には行ったことあるのね?」

「たまに各国の町に行くことがある」


 なるほど。獣人化出来るものね、この二人。

 イザヤとの会話からして、この世界に獣人はいると思う。

 町に行ったときにこの二人に案内頼もうかな?


「あ、魚は焼けたから食べましょう。……そういえば魚って食べれる?」

「魔物は雑食です。肉を好む傾向にありますが」

「へえ。じゃあ今度あれも狩ってこようかな」


 あれとはももいろウサギのこと。今は空鳥で満足してるけど。

 ちゃちゃっとハクとコク用の食器も作って、お皿に魚を乗っける。

 そしたら二人が、怪訝そうな顔をした。


「……また私何かやらかした?」

「これ………見たことのない魚ですね。スイソウに入っていた物というのは分かりますが……」

「これ、近くの川で捕ってきたの」

「なんていう魚だ?」

「赤いのがリバーレッドフィッシュ、青がリバーブルーフィッシュ」

「「え」」


 魚もか。

 これまで異常種なのね。なるほどね。


「ねえ、どういうお魚?」

「その魚……人の間では幻の魚と言われているそうです。本にも絵は載っていないので、いるかどうかすら分からない魚だったと思いますが……」

「いきなり実物を見ることになるとはな」

「水槽の時点で気付かなかったんだ?」

「別の魚に似ているのですよ。ですがその魚は焼いたりすると色が変わる魚ですから」


 そういうことか。

 まあ、これでこの辺りで捕った物が美味しい理由が分かったけど。


 シンプルな味付けしかしてないけど、素材が豪華な夕食はその後も続くことになる。

 どうせなら料理上手な人に使ってもらいたいものね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ