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授かったチートが強力すぎる  作者: 長月真砂
異世界転移編
1/97

いきなり異世界

「こういうことでいいんだね? あなたが私をここに呼び寄せた。理由はなんとなくで、別の世界に私を飛ばそうと思ったと」

「そうだよ」

「だから特別に、そっちの世界で役立ついいスキルを渡そうと」

「うん」

「私が飛ばされる世界は、魔法があり、王様だとか騎士だとか冒険者だとかの他に、獣人や魔物もいる世界」

「分かってるならいいじゃない。そろそろ飛ばしていいかな?」

「良くない! せめて家族にお別れくらいさせてーっ!」

「ああ、したことになってるよ。それに僕の力で『それが自然』と思わせた」


 こう有り得ない事をポンポンと当たり前のように言うのは、自称『神様』と名乗る青年だ。

 綺麗な群青色の髪に、淡い水色の瞳。あと、整いすぎている容姿。

 こんな状況じゃなければ見とれてただろう美貌なのに、今はその状況。


「そういうことじゃなーい! 私自身がやらないとホームシックになるかもしれないの!」

「ここ数日様子を見てたけど、君の性格だったらそういうことは無いよね? でも、君に記憶を渡しておくから」

「だ~か~ら~っ!」


 でも問答無用にその『お別れの時』の記憶を渡された。

 それで、その時のことがよ~く分かった。

 結構、いやかなり不自然だった。

 何よ、『異世界行ってきます』って。

 家族も『分かったよ』で納得するんかい!


「…………ねえ、かなーり不自然じゃない?」

「あ、そろそろ向こうの世界に君の肉体を作り終わるよ。じゃ、いってらっしゃい」

「あ、こらまてーっ!?」


 視界が一瞬で真っ白に染まり、即座に暗転する。

 で、目を開けると……一番に目に入ったのは青空だった。

 いつの間にか寝ていたので起き上がって周囲の景色を見てみる。

 まず、今私がいる場所は荒野。全体的に黄土色で石や土ばっかり。ちょこちょこと草もあるけど、ザ・雑草だった。

 で、周りの場合。

 右に池と川。左と後ろに緑いっぱいの森。前方、崖と海。

 いやいや、ここからどうしろと?

 ステータスとかないのか?

 その時、視界に緑の文字がいっぱいに浮かび上がった。


「何これ、すごい項目の数ね……あ、ここにステータスって書いてある。どれどれ………」


 ピコンッ。


「……………」


 パタン。

 見て0.5秒でステータスを閉じた。


「あ、あれ? 見間違いだね、有り得ない数字が見えた気がしたんだけど」


 で、もう一度開いて確認してみる。


----------

神薙(かんなぎ) 咲耶(さくや)  レベル1

       人間


HP  999,999,999+

MP  999,999,999+

SP  999,999,999+

攻撃力 999,999,999+

魔力  999,999,999+

防御力 999,999,999+

素早さ 999,999,999+


固有スキル

魔法創造

スキル創造

鑑定眼S

イメージ補正S

自動翻訳


全能神の加護

----------


「…………………何してくれてるのよあの神ーっ!」


 声は意外とよく響いた。

 そしてどこかで「名前はイザヤだよ」とあの青年神様が言った気がした。

 うん、それならそれでいい。あの声が本物でもそうでなくても、あの青年神様は『イザヤ』って名前で決定よ!


「まあいいわ。さて、と。落ち着いたし食料を採りにでもいこうかな」


 で、走り出した。

 そう、いつも通り。いつも通り軽く走ろう程度の力で、走り出した……はず。

 一歩踏み出した後違和感を覚えて後ろを振り返ると、立ってた場所からもう十五メートルは離れていて、地面は大きく抉れていた。


「うっわぁ………うーんこれは……非常にやばい」


 一歩でこれ? これ以上の力で走れないじゃない。


「あ、魔法創造ってスキルがあったから……浮遊魔法が作れそう」


 イメージは、当たり前だけど反重力。まずは重力魔法。

 これと風魔法を使えば、浮遊魔法で出来上がるはず。

 あ、なんか物凄く詳しくイメージできる。スキルのイメージ補正かな。


「詠唱は……一応入れておくか。よし、『浮遊』」


 そのままなのは仕方がない。あんまり長い詠唱にしても覚えられないし、簡単な方が魔法発動のイメージもしやすい。

 それに結果オーライ。飛べたもの。

 飛んでみると、一気に色んなものが目に入って来る。

 例えば、途方もないほど大きかった海とか。

 例えば、思ったより広大な森とか。

 例えば、ずっと向こうに見えるお城のある町とか。


「って町!?」


 行こうとして、ぎりぎりで思いとどまる。

 だって、走ろうとしたら地面陥没するステータスだよ? 9が9個並びまくってプラスまで付いてるステータスだよ? 力を使いこなせてないとなると、惨事しか思い浮かばない。

 というわけで、ここでしばらくは暮らすか。


「早速魔法を作りましょう!」


 ふふふふ……実はこれがやりたいだけなのよね。

 ここには誰もいない。そして、防音用の結界を作ってしまえば詠唱も聞かれないし魔法で音が出ちゃってもバレない!

 存分に楽しめる、魔法創造。前の世界での知識も活用しましょう!


「というわけでまずは防音結界。えっと……確か布なんかは音を吸収するだっけ? じゃあ、魔力で作った編み物が音を全部吸収して漏らさないようにってイメージでいくか」


 詠唱は『防音』。まずは大きめの段ボールくらいの大きさで作ってみる。あとは大きな音を出せればいいんだけど。


「攻撃も兼ねたいから爆発系の魔法かスキルが必要かな………」


 考えた結果、地面の土を火薬に変換して爆発させてみた。

 音は………少しだけ漏れたかな。でもかなり小さくなってるはず。

 それより、その場にクレーターが出来たことの方が問題。

 防音結界って、防音用でしかないから衝撃に効果がないみたい。

 次は防御用の結界。

 イメージは……衝撃吸収と魔法に使われている魔力の無効化。あと物質の透過禁止でいいかな?

 防御結界は『防御』っていう詠唱にする。

 もう一度、防音結界の時と同じようにしたら……音はさっきよりすごかったけど上手くいった。

 これらを荒野を囲むように張っておく。

 これで、森や小川に被害が及ぶことはない……はず。


「よし、せっかく一番に作ったことだし爆破魔法を極めてみよう!」


 しばらく実験。

 で、主に三つ出来上がった。

 一つ目は、火薬を錬金して火をつける方法。

 火薬にするのは、土の場合が多そうね。火薬にするものが周りに無くても私が作っちゃうし。

 これは私さえいればいつでも出来る。

 威力も、導火線程度からどこまでも強力なものまでいけるわね。

 火薬の種類はよく知らないけど、イメージ補正が働いてくれるので良しとしよう。

 二つ目、水素を集めて爆発させる方法。

 ほら、水素って火を近づけると燃えるから。でも調整が難しい。

 だって、結構な量の水素を集めないと全部散っちゃうんだもの。結果、どうなるか分からない量を集めることになる。水素は見えないし。

 これをやった一回目は水素が足りなくて不発に終わり、二回目は集めすぎて急いで防御結界で爆発を抑える羽目になった。

 荒野は、防御結界のおかげでセーフ。

 三つ目は、一つ目の応用ね。今度は火薬を作るんじゃなくて、空気中の水分から灯油やガスを作る魔法。

 攻撃に向いてるわね。空中で爆破出来るから。

 威力は、漫画みたいな理科の実験以上じゃないと使えなそう。すぐ爆破しないといけないし、使うのは灯油なんかだから。一つ目みたいに仕掛けられない。

 さて、以上が爆破魔法。

 ……いや、使うかは分からない魔法ね。

 いつの間にか夕方になってるし。果物を採りに行きましょう。

 浮遊魔法で木々の上を飛んで食べられそうなものを探す。

 見つけたら鑑定を使えば食べられるか分かるみたいね。

 そして見つけた、桃みたいなもの。


「へ? ローゼンピーチ? 変な名前ね……あ、薔薇っぽい香りの桃」


 安易すぎる……翻訳効果?

 そのローゼンピーチの他にも、レッドベリーとかサングレープとか、色々見つかった。

 レッドベリーはラズベリーをもっと赤く甘くした感じ。サングレープは熱をもった黄色の一粒一粒が大きい葡萄だった。

 安易な世界ね。まあ、美味しいからいいけど。

 そして、この日。

 魔法は他にも、炎、水、氷、木、土、風、光、闇の魔法を習得した。

 スキルはまだ思いつかない。

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