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苦手な方はご注意ください。

VR洗脳訓練法

作者: 春野 尚弥

街に鳴り響くパトカーのサイレン。

泣きじゃくる子供、面白半分で撮影する若者

まるで虫のように集る野次馬。

僕の目の前で人が殺された

それも僕が目を開けた瞬間にだ。

黒いフードの男が女性に刃物で

体のありとあらゆる所を

めった刺しにして、殺害した後

まるで次の獲物を捉えるかの如く、他の人物に

目を光らせた。

「次はお前だァ!!」

と、子連れの母親めがけてナイフを構え走り出した

僕はというと恐怖と現実味の無さに

立ちつくしていた。

何もする事が出来ない。怖い。死にたくない。

「やっぱりこんなの無理だ、夢と言ってくれ

殺されるくらいなら何だってする...!」

目の前でまた黒いフードの男が命を1つ。

また1つと奪ってゆく。

血まみれでピクリとも動かない母親の手を

握りしめて泣き叫ぶ小さな女の子。

悲鳴とサイレンの音が耳の奥で炸裂し

目の前はスローモーションになりゆらゆらと

地面に倒れ込んだ。

「もう...嫌だ。嫌なんだ。夢なら覚めてくれ」

黒い液体の様なモノがまとわりつき

ゴポゴポと不気味な音を出しながら

体が暗い穴へ落ちていった。

「うん、段々良くなってきてるよ。お疲れ様」

聞き慣れた声がして僕はゆっくりと目を開いた

そこには顔はハッキリ見えないが白衣を着た何者かが立っていた

「今日の訓練は終わりだよ、よく頑張ったね」

そう言って、白衣の男は部屋を出ていった

辺りを見渡すと、自分はベッドに横たわっていて

目の前には大きな謎の機械。

そしてその機械が1人につき1台装着されていた

よく見ると自分と似たような格好で人が横たわっていた。

数百人は居るだろうか...

言葉には出来ないがとにかく"異様な光景"だった

ふと、彼は横にあるモニターに目を移した

するとニュース番組が流れていた。


「2×××年 ×月×日 午後〇〇時△△分

-最新ニュース-

人間がどんな事にも耐えられる心、精神力強化の為

日本政府はVRによる洗脳訓練を法律で定め

新入社員を対象に導入した結果、ここ数年退職者が0になっており

日本の経済は向上したとの結果が出ています。

尚、VRに流れる映像は1人1人別の映像が流れており、これは新入社員がお互いに話の共有などを防ぎ

仕事とは無関係な話題を切り出させない為でもあると言われています。

ですが最近では、このVR訓練の効果が見られない者が少数ながら出てきていると報告がありました

そこで日本政府は今日から新しく「VR洗脳訓練不適合者処置法」が定められ、より一層経済向上を目指していくとの事です。以上、日本政府テレビでした。」





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