異常性
長らくお待たせ致しましたぁぁあ!!最近遅くまで起きてられない事が多くて投稿が疎かになっておりました。何時もと何ら変わらない短い1話ですがどうぞお読み下さい!!
◇
――目が覚めた。
「あ、れ……何で、俺…」
眼福光景は一体何処に行ったのやら。気付けば俺は再び床に倒れ伏せていた。
何とか顔を動かし、星実を見てみると彼女も同様、真・剣姫形態のまま仰向けに倒れているのが分かった。なのに、この状況を全く理解出来ずにいる。
瞬間、ノイズが走った。軽い頭痛が波の様に押し寄せてきて引いていく。
「お目覚めですか」
恐る恐る声の主を確認する。白の衣装に身を包んだアスラが、一切の乱れもなく佇んでいた。
何時の間にか攻勢が逆転してしまっている。何時だ?何時、俺達は負けた?
確かにアスラは星実が打ち倒した筈だ。俺は重たい体を起こして激しく押し寄せるノイズと頭痛に声を押し殺して悶えた。
「何があったんだ…?」
「何て事はありません。あなた達は、私の見せる幻に躍らされていたんですよ」
「幻…?」
「ノイズ」
ドキリとする。身に覚えがあり過ぎるからだ。確かに、アスラと対面した直後から度々ノイズが走る現象に襲われている。
「頭痛」
ノイズと共に頭痛があったのも事実。つまり、俺達は最初からアスラの術中に嵌まっていたと言う事になる。
「……まさか、な」
「ええ、そのまさか。あなた達は最初の一撃を防げなかった時点で、幻術に掛かっていたんですよ」
「まんまとしてやられたってわけか……」
「ですが良い筋はいってましたよ、そこの剣姫とやらも」
星実へ目を向ける。目立った外傷は見られないけどどうも起き上がりそうにない。俺達の知らない幻ではない戦いの中でコテンパンにされたんだろう。
間抜けな自分達に笑いすら込み上げてきた。俺は片手でその笑んだ顔を隠す様に覆い、立ち上がる。ここまでされて黙ってられる程俺は甘くねぇ。
「くっくっくっ……あはははははは!!」
空を仰いでただ、笑う。それはまるで自分を嘲笑う様な笑いだ。
「ほんっっと情けねェ……」
静かに右手を横へ伸ばして星実の手元に転がるベルゼギヌンテを呼び寄せた。オリジナルより劣りはするが、何て事はない。俺の能力があればオリジナル以上の物なんて幾らでも生み出せる。
ノータイムでベルゼギヌンテをショートソードサイズへ作り替えてその場で軽く振って使い心地を試し、良好である事に満足した俺は燃える様に熱い瞳でアスラを見据えた。
「テメェみてえな雑魚に躍らされちまったかと思うと自分が情けなくて情けなくて――つい、殺したくなっちまう」
一踏みでアスラの懐へと距離を詰める。風速すらも振り切った速さを視線で捉えきれなかったアスラは突然目の前まで移動してきた俺に驚愕の眼差しを向けてくる。だが、もう遅い。
「――あっ」
忌々しい純聖剣を握る左腕を肩から切り飛ばす。そしてその腕を掴み取り、肩の断面に指先からねじ込んだ。何とも痛々しい光景だ。
「酷い事をします。これでは左手を使えないじゃないですか」
「ひでぇ脳みそしてやがる。こんなにされてそれだけで済ませちまうのかよ」
「これは指先まで折れてしまってますね」
痛みに顔を歪ませる事なく、真顔のまま肩の断面に刺さった腕を引き抜いて溜め息交じりに言うアスラの異常性に流石の俺でも引いた。
この雰囲気、どうしてくれようかと思った時だ。不意に謁見の間の左側にあった扉から1人の老いた男が現れた。
「おっとお花摘んでる間に来客が来とったか!これはすまんすまん!ワシはこの国の王様である!」
「へ?」
軽いカミングアウトに素に戻った俺であった。
次回予告詐欺なのがだんだんバレかけつつある!?
次回、軽い王様!お楽しみに!!




