王国六騎士団そのよん!
全然進まない。
◇
殴打、殴打、殴打。持続再生のお陰で怪我はないものの、そろそろその再生も追い付かないレベルにまで達しようとしているパンチラッシュから逃れる為に俺は頭上に光の球体を具現化させた。
「あ、ああっ!あれは!!」
「何々ぃ?」
わざとらしく俺が指差した場所、頭上を見上げる騎士様とついでに兵士の諸君。ちゃんと見上げている事を確認した俺は、ニヤリと笑みを浮かべて指を鳴らした。直後、光の球体が広間全体を覆う程の輝きを放った。
太陽を直視した時以上の変わらない光だ。それはもう、眩しい。幸い俺は目を瞑らせてもらったから大丈夫だったけど、直視してしまった騎士様と兵士の諸君はご愁傷様だ。
「うああぁ、眩しい…!」
「掛かったな!!さあ喰らえ、俺の意識刈り取り回転手刀!!」
両手で目を覆って悶える騎士様を突き放し、手刀を作る。そこに触れると意識を失う気の様なものを纏わせ、広間の壁に届く長さまで伸ばしてから剣での回転斬りを模倣した動きをする。パーフェクト、誰1人として起きている者はいなかった。
「最初からこうすればよかった」
出し惜しみの結果がこれだよ。この癖、何とかならないものか。
「あら?もう終わっちゃったの?」
「あ、ソードウーマン!」
「星実でいいわよ」
1人と1羽と1本の代表がお前でいいのか、と問いたくなるけど我慢して隣に来た星実を横目に見る。でかいしやっぱ化け物だわこいつ。
「1人エイリスとか言う騎士来たろ?もう倒したのか?」
「とっくの昔にね。身体慣らす為にウジャウジャと湧いてくる兵士と戯れさせてもらってたわ」
「早く来いよ!こっち大変だったんだぞ!?」
「それで負けてたら私的に面白かったんだけど」
「それだけの理由で俺を泳がせてたの!?」
星実の相手をしてても疲れるだけだ。これ以上は無駄だと諦めた俺は溜め息を吐いた後、気を取り直して階段へ歩き始める。続いて星実が足音も立てずに着いてくる。怖いわ。
2階、正確には3階に到着する。そこはまたもや広間だった。形は違ってはいるけど。
「外見とは違って中はうんざりするくらいに単純だな」
「――単純で悪かったね」
正面の扉を開けて現れたのは美少女ではなく、高貴さを感じさせる衣装に身を包んだ金髪オールバックの男だった。見た感じ俺と同じ年くらいだと思われる。
ちゃっかり美少女騎士様2人を後ろに引き連れているところを見るに王子様だろうか。
「エイリス、リモラ、フローラルを打ち負かすとは中々の腕前のようだ。けど残念だったね」
両腕をスァーッと広げて王子様は言う。って言うかさっきの奴フローラルって名前なのか。
「ここにいる第3部隊、第2部隊の隊長を務める王国六騎士団が誇る2人……ラタニアとマータスの前に君は敗北する」
「マジでか。第1部隊の隊長さんは出さなくていいのか?」
「……出すまでもないよ」
少し顔を顰める王子様に不審を覚えるも、俺は前に出て剣を抜き取ったラタニアとマータスに警戒する。
「さあ、お前達の茶番もここでお仕舞いだ。ラタニア、マータス。侵入者を片付けろ!」
「…了解」
「命令を遂行しますわ」
俺にとっての王国六騎士団3回戦目が今、ここに始まった。
次回、紅き閃光!お楽しみに!!




