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俺こそが主人公!! ~突然ですがギルド作ります~  作者: 半裸紳士(童心)
お城にレイド
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圧倒的な実力差

最近疲れがどっと押し寄せてきて何かをする気力すら削がれてしまいます。

バイタルミンに手を伸ばす事すらままなりませんよ!


「先制はあげる」


星実はそう言うと、腰に提げた剣を手に取る事なく両手を挙げた。流石に俺もこめかみに青筋。

うわあ、なめられてるなあ。フェスもこんな気持ちだったのかな。


「後悔するなよ!」


イメージする。拳サイズの石ころを。

俺の手の平にイメージ通りの石ころが生み出された。魔力が消費されたからこれも魔法の一種なんだろう。

しかしこのままでは恐らく星実を傷付ける事は出来ない。だから俺はこの石ころをさらに金属へと変化させた。石ころより遙かに硬いそれは、当たればまず無傷では済まない。


「喰らえ!!」


掛け声と共に金属が弾丸の如く射出される。動体視力が強化された俺の目ですら辛うじて軌道を捉えられるかレベルの速さだ。そう簡単には止められまい。

そう思っていた時期がありました。


「何?今ので攻撃したつもりなの?」


「わりと傷付けられる自信あったんだけどなあ……」


あくびをしながら片手で受け止められた金属が無造作に投げ捨てられる。流石勇者として召喚されているだけあるな。

これは一筋縄ではいかなそうだ。せめて腰の剣を抜かせるくらいはさせたい。


「だったらもう、これしかないよな」


白銀の両刃剣。それは傷付ける事のみに特化した剣だ。イメージ通りに構築された剣は空間の歪みと共に俺の手元に現れる。

名付けてベルゼギヌンテ。この名前に意味はない。


「はあぁぁ!!」


ベルゼギヌンテの柄を両手で握り、突撃する形で星実目掛けて駆ける。剣の扱いなんて初めてだけど何となく、不思議と体がどうすればいいかを教えてくれている。

恐らく星実はこのまま刺突を繰り出してくると思っているに違いない。その裏を掻く。

俺は星実に届くか届かないかまでの距離に到達すると同時に大きく飛び上がり、星実の背後に着地する。そして剣を走らせ、星実を一閃。

やはり一筋縄ではいかない。金属音が劈き、後少しのところを受け止められてしまった。だがこれで星実に剣を抜かせる事が出来た。

背中を向けたまま逆手に持った剣で俺の攻撃を防いだ星実は此方を一瞥すると口角を上げ、手首を捻っただけで俺の剣を弾いた。本当に俺と同じタイミングで召喚されたのかよと疑いたくなる。

星実は軽やかなステップを踏みながら俺と距離を取った。


「今のは良い線いってた。褒美に今度は私から一撃あげちゃうわ」


腰が深く落とされる。異世界での戦闘経験がほぼない俺は酷く警戒し、何時来るか何時来るかと身構えた。正面か、側面か、それとも背後か。神経を研ぎ澄ませて攻撃に備える。

緊張感漂う沈黙を先に破ったのは、やはり星実だ。正面からさっきの俺が放った金属と同等の速度で迫ってくる。


「速い…!」


「アナタが弱いだけ」


背後からの声。そんな馬鹿な、と動揺を隠せない。確かに眼前には星実の姿がある。ならば後ろから聞こえるこの声は一体何なのか?

その答えはすぐに判明する。目の前の星実が、ブレて消えてしまった。となると今のは残像って事になる。漫画の世界だけだと思っていた残像を目の当たりにして驚愕してしまった俺は、為す術なく背後からの攻撃を受けてしまう。

恐らく柄の部分で殴られたんだろう。腰辺りに一点に集中する痛みを感じた途端、逆くの字に近い体勢で吹き飛ばされた。


「ぶぁぁあっ!!」


思わず変な声が出てしまって恥ずかしい。飛ばされた俺は丁度前方にあった岩をも巻き込んで壁に叩き付けられる。

そこで、再び俺の頭の中は白く染め上げられた。今度は強く、狂おしく。

ベルゼギヌンテの名前の由来は特にありません。意味もありません。

中坊だった僕が適当にこれ格好良いってなって名付けたんだと思います。

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