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長い話は拷問と同じ。

 魔王・・・ゲームや小説などで出てくる空想の存在。その多くは魔族の王として登場し世界征服など多くの悪行を行う。生きていれば一回は聞いたことがあるであろうポピュラーな存在。

 そんな存在が俺?・・・いやいや、そんなはずはない。これはきっと何かの間違いだ。きっと何かしらその世界とやらが問題を起こしたに違いない!


「う~ん、それは無いと思うな。一応ボクにも伝わってきたし。」


 ・・・じゃ、じゃあ夢だ!今までのこと、全部夢なんだな!目が覚めればきっと


「話が戻されそうだから先に言っておくけど、夢じゃないから。証拠に蹴ってあげようか?」


 ・・・結構です。


「うん。ボクも自分を痛めつける趣味は持ち合わせていないからよかったよ。さて、何が不満なのかは分からないけどおめでとう!!君こそがこの世界の魔王だったんだね!」


 ・・・頼むから満面の笑みで言わないでくれ。ついでにそんなに目をキラキラさせないでくれ!なんでそんなに嬉しそうなんだよ!?


「え、だって最上位存在だよ?この世界のトップだよ?これの何が嬉しくないのさ?」


 いやだろ魔王なんて!?まず肩書きからすでに痛いし、今後どうやって人に接すればいいんだよ!?何か、最初の自己紹介のときに「俺、魔王なんです。(キリッ」みたいなことを決め顔で言えとでも言うのか!?


「あ、いいねそれ。」


 やめてくれ!!


「あははは、冗談だってば。何が痛いのかは知らないし、君の世界ではどうだったか知らないけど、この世界では存在クラスは持っているだけでもすごいんだから。別に気にするほどじゃないでしょ?」


 ・・・そんなすごいのが俺にあるはずがない。やっぱり何か不具合が


「それは無いね。世界に不具合ってまずいでしょ?それに、君が直接聞いたことでしょ?絶対に不具合なんてないね。」


 ・・・泣いてもいいですか?


「・・・何がそんなに不服なのか分からないけど、好きなだけどうぞ。」


 それから数時間、洞窟の端で本気で凹み続けた。



 ~~~体操座りで数時間後~~~


 凹むこと数時間。隣で妖精に慰められながらもこの世界のことについて詳しく話された。

 まず一つ目。この世界は俺が思っていた以上にファンタジーらしいファンタジー世界だということ。モンスターはもちろんのこと、魔法すらも実在している・・・むしろ身近なものらしい。RPGの世界そのままだと思ってくれてかまわない。

 そして二つ目。この世界には存在クラスというものが存在していて、その存在クラスによって個体の能力、できることが決まっているらしい。存在クラスは大きくわけて3つ

 下位存在

 中位存在

 上位存在

 の3つに別けられているんだとか。その中でも上位存在にのみそれぞれの個体に真名マナが世界から与えられ、他を圧倒するほどの特殊能力が与えられるんだとか。・・・ちなみに、俺のような最上位存在は1000年に一度生まれるかどうかの貴重な存在らしく、神に近しい存在らしい。

 そして三つ目。・・・これがどうも納得いかないんだが、最上位存在【魔王】は一国を築き上げなければいけないらしい。その名の通り、魔族の王であるからにして神に近い存在である魔王が魔族たちを率いらなければならないらしい。もししなかった場合・・・口にするのも恐ろしい災厄が降り注ぐことになるみたいなことを言っていたんだが・・・やっぱり伝統?は大事だと思うので守ることにする。

 以上のことを長々と説明された。ホントはまだ話したいことがあるらしんだが、これ以上は拷問だと却下した。伝えるべきことはその場その場で伝えるように説得したところ


「君がそこまで言うなら別にいいけど、後で後悔してもしらないよ。」


 と渋々ながらも了承を得た。・・・含みのある言い方ではあったものの。

 とにかく、長々と続いた話もここまで。もうそろそろ洞窟の外に出たいんだが・・・いかんせんこの格好(素っ裸)だからなぁ。


「外に出るの?それなら・・・ほら、祭壇にきれいに保管してあったよ。この服」


 おぉ、ありがとう。ていうかなんで服の場所を知ってるんだ?


「さて、なんででしょう?特に今は関係ないから話さないでおくよ。」


 っく、まさか話を中断されたことを根に持ってるのか。


「まさか~。ボクが親切にも話してあげようとしてるのに拷問だと途中で止められた程度で怒ると思うの?」


 ・・・・・・ごめんなさい。


「そんなことよりも早く外に行きたいんでしょ?早く着替えてよ。」


 ずいっと服を押し付けられる。やっぱり根に持ってるな、これは。今後は注意したほうが良さそうだな。

 とりあえず服に一通り目を通して、特に変わったところがないか確認する。・・・いや、だってカビとか生えてたらいやだろ?まぁ、変わったところなんて謎の服の柄位しかないんだけども。

 とりあえず、何も問題はないようなので着替えるとしようか。


「まったく、ボクが持ってきたんだから変なところなんてあるはずないでしょ」


 っとご機嫌ななめの妖精が文句をいってくる。

 ・・・そういえばさっきから妖精妖精と呼んではいたもののコイツの名前を聞いてなかった。


「名前?ないよそんなの。ボクは君なんだから強いて言うならジリウムが名前かな?」


 は?・・・つまり俺と同じ名前ってことか?


「うん。」


 同じ名前って、これから呼ぶときとか色々面倒だしなぁ。・・・しょうがない、名前を付けるしかないか。


「名前を・・・つける?」


 そうだよ、お前の呼び名をつけるんだよ。それとも何か嫌なことでもあるのか?


「う、ううん。ないない、全然ないよ!」


 おぉう、そうか。問題ないなら別にいいんだが。・・・名前かぁ。いざ付けようとするとすっごい恥ずかしいな。とりあえず俺の分身とはいえ女の子なんだし可愛らしい名前がいいよな、きっと。

 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・

 ・・・うん、そうだな。『アマナ』なんてどうだろうか?


「あまな?」


 そう。俺の居た世界では最後に『な』を入れることで女の子っぽい名前になるという特殊技法(笑)があってな。そして今の俺の心境にもっとも似合う天候『雨』からとって『アマナ』だ。


「なんかすっごいバカにされてない?」


 い、いやいや。俺の中での精一杯の可愛い名前なんだが・・・ダメか?


「ううん。いいよアマナで。・・・アマナ。エヘヘ」


 やけに気に入ってくれたみたいだな。まぁ考えた側としては嬉しい限りなんだけど。

 さて、服も着替え終わって相棒の名前も決まったことだし、外に出ようか!


「うん!いこう!!」


 俺はやけに元気なアマナと共に、洞窟の出口に向かって歩き出した。



アマナの名前の由来ですが、主人公はああ言ってますがこれも植物の名前。『オオアマナ』から取っているんです。花言葉は「潔白」「純粋」です。

今後のアマナには純粋で潔白であってもらいたいものです!

では!

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