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ARTEMA SAGA  作者: ロゼオ
第3章 旅立ちの時
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レダスという強力な後ろ盾を得た俺達は、廃墟と化したリエコスを徘徊していた。

片手じゃ数えられないほどの死体と、多数の負傷者。

あのマリちゃんの友達であった銀竜がハウルの下で暴れ回った事は容易に想像が出来た。

きっとシルバーを取り返す……!

ハウル以上のカリスマ性を得るというよりかは、乗り手であるハウルを倒してという方法になるだろうがな。

とにかく王との約束もある通りガゼドに向かわないと。


暫くすると上空に飛空艇が現れた。

何だよレダス。

この世界にそんなハイテクな物があるなら先に言ってくれ。

飛空艇はシュシューッと音を立てながら着陸した。

降りてきたのは騎士団幹部のピンク髪のセレナ。

遅かったか……!といった反応だった。


レダスにセレナ。

トップクラスの力量を誇る彼らが居れば旅はずっとラクになる。

どうやらセレナはハウルと巨竜を追って駆けつけたようだった。


「セレナさん、久しぶりっす。もしかしてガゼドに向かうんすか?」


俺は中途半端な敬語を披露した。

歳はあまり変わらないはずだ。

それにしてもこの世界は若者が多い。

旅人ハイディスのような四十代のキャラクターは滅多に見かけない。

魔王が居なくなって人口は増加傾向にある、といった所なのだろうか。

まあとにかくリエコスを潰された事はあまり褒められた事でない。

騎士団の幹部として正義感から駆けつけたのだろう。


「ガゼドは我が国の国境を越えた場所にある。そう易易と飛空艇で潜入できるとは思えんな」


騎士の装備をしたセレナは腕を組んで言った。

海を跨げば其処からは他国か。

港町まで歩いていくしかなさそうだ。


「ガゼドに向かう君にはこれを預けておこう。一緒の御守りだ」


と俺は十字の首飾りを貰った。

兜の顔の部分を開け、俺は首飾りを自身で付けた。

どういう効果があるかはお楽しみってか。


「ありがとう……」


セレナも綺麗な顔立ちをしていた。

如何にもゲームの世界のキャラって感じだ。

お互いに手を振り、セレナは飛空艇に乗ってアーディスの方向である西へ帰っていった。

どうやら彼女の部下である騎士団も十名以上同行していたようだった。


いつからかこの世界の者が放つオーラも感知出来るようになっていた。

アニキやハイディスを始めアルテマには強者が多い。

その力量を見ただけでおおよそ測る事が出来るようになってきたのだ。

その点で言うとレダスの力は中々のものだった。

港町までは取り敢えず俺達は安泰だろう。

問題は海を越えた後。

他国での冒険は一層危険度が増す。


俺達は再び東への歩を進める事となった。

アルテマ東砂漠はもうちょっと続くようで、体長五十センチのサソリには相当ビックリした。

クレラの火炎弾(ファイアボール)が対象を襲う。

レダスの超念力(サイコアタック)もかなりの威力を誇っていた。

超能力に近い一種の黒魔法は、ぶつけ相手を吹き飛ばす。


サソリの毒には要注意だが、遠距離技を使っていけば基本問題は無かった。

それよりも……!

先頭を歩く俺とクレラは蟻地獄の罠のような穴に、あっという間に落ちてしまったのだ。

下は遺跡のような造り。

「おーい!」と上の方からアスカちゃんの声がする。


「俺達は大丈夫だ。きっと後で合流しよう!」


俺は石造りの床から立ち上がり辺りを見渡した。

古い遺跡のような場所だ。

どうせならレダスも含めた八人全員が落ちてきても構わなかったが、まあクレラとの二人きりを満喫しよう。


俺の運命の人。

彼女の幼馴染であるアスカちゃんを俺に紹介したがっている節があるが、何はともあれ波長は合う。

もしかしたらホワイトロックを含めた三又にすらなりそうな気さえしたが、とにかく今はクレラと遺跡を散策だ。


そう言えばアーディスでの昼食代を返し忘れていた。

闘技場で得た金貨で十倍返しにしてもいいが、この遺跡にはそれを超える宝物が潜んでいそうな、そんな気すらした。


ムッ、あちらの陰からミイラ男。

己の大剣で斬り殺してもいいが、なるべく無駄な殺戮は避けたい。

俺とクレラは逆方向に駆け出した。


走った先にあったのは魔術師のロッド。

その名の通り魔力を底上げする杖のようなのだが、こんな所に逆さに突き刺してあるなんて。

クレラはロッドを引き抜いた。

これで元々強力だった彼女の魔法が一層強さを増した事になる。

ロッドは小さなサファイアが散りばめられてあり、全体的に金色で中々綺麗だった。


「試しに使ってみる!」


ロッドのお試しに命を落とす事になるミイラ男には若干同情したが、発射された火炎弾(ファイアボール)は予想以上だった。

先ずサイズが一点五倍にまで成長しており、燃え盛るマグマは相変わらずだ。

灼熱の炎は一瞬でミイラを焼き焦がした。


「頼もしいこって」


「見て、コッチ階段があるよ」


「なぁ、クレラ」


「?」


「いつもありがとな」


「あ、うん」


大好きだとは言えなかった。

思春期特有の照れってやつか?

と、とにかく告白を急ぐことないんだ、まだ目的地まで距離がある。

階段を登っていくと陽がスッと差し遠くにフォックス達六人の姿が見えた。

偶然だったがクレラのロッドが手に入った。

それは大きい。

セレナさんのくれた首飾りも意味深だったし、俺達は着実に強くなってる。


「もう直ぐ砂漠も終わりですよ。このまま東へ行きましょう」


と地理に詳しいレダスが言う。


「クレラに新しいロッドか。俺様も気は抜けんな」


「クレラちゃん凄ーい」


とフォックスにアスカ。


「鬼に金棒やでなー」


「私も頑張らないと!」


皆口々に言う。

クロウ何も喋ってねーけど。

まあもう直ぐ砂漠も終わるみたいだし七人、いや八人仲良く次のエリアへだ。

クレラへの大切な想い。

いや恋愛的感情だけじゃないぞ、旅の仲間皆への想いをこれからも大切にしよう。

俺達は日が沈む前にアルテマ東砂漠を越えた。






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