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ARTEMA SAGA  作者: ロゼオ
第2章 主要都市アーディス
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金網から出て報酬の金貨を手にした俺達が中央通りへの道に出た時だった。

なんとあの王に呼び止められたのである。

「今夜仲間と共に王宮へ来い」と。

断るという選択肢はなかった。

ギラギラしたファーを着た王様だったが、高校に居た不良とは何処か違った。

それでもうつけ呼ばわりする者がいそうなのも事実だった。


何にせよ俺達は貴族達の住むエリアの更に奥の王宮に呼ばれる事になったのだ。

闘技場とはまた違った緊張感がある。

パーティ七人ともシーンとしていた。

一体王が俺達に何の用があると言うのだ。


夜になり、俺達は煌びやかな王宮へと足を踏み入れた。

着くまでに何軒かの貴族の館を目の当たりにしたが、やはり王宮は別格だった。

壁に金箔が貼られているのである。


「ようこそアーディスの王宮へ。ソラ殿とその一行、中へ入られよ」


左右に立つ門番は一際強そうだった。

騎士団の中でもエリートってか?

彼らにも既に話は通っていたようで、俺は自分の名が呼ばれたことが少し嬉しかった。


王の間までは曲がりくねった階段を登ったりと色々あったが、一番驚いたのは竜の模型だった。

竜騎士アレサンドロの乗っていた銀竜のようだ。

ゴクリと唾を飲み俺達は王の待つ部屋へと進んだ。

左側には騎士団を率いる金髪のエリザベス。

右側には眼鏡をかけた秘書のような白髪の男が立っているのだった。

どうやらジンという名のこの王は俺達を歓迎した。


「よく来たね。『冥道クロス斬り』、中々だったよ?」


「え?」


トロールを葬った技の事だろうか。

あれは大剣ソーイアロとの心の連携で。

俺が言葉に困っているとジン王はじーっと見てきた。


「鎧欲しい?(防御力)足りんでしょ?そんな服じゃ」


王は部屋の隅に飾ってある鎧の方を見た。


「ま、まさかアーディスの家宝アレサンドロの鎧を、どこぞの馬の骨かも分からぬ若造に譲り渡すとおっしゃるのか!?」


「えー、別にいいじゃん。鎧なんか飾ってても意味ないし」


ジン王は中々のイケメンだった。

おまけに太っ腹とでも言うのか。


「タダであげる訳じゃない。魔王復活を企む者がいるとされる『ガゼド』に赴き平和を実現すると約束したらあげるよ」


なるほど交換条件か。

アレサンドロの鎧の性能は凄まじそうだ。

銀色でトゲトゲしていて大きい割に重くはなさそうな、なんとも言えない強そうな鎧だと見受けられた。

それにしてもそれを頼まれるなんて冥道?クロス斬りとやらは凄い技だったのかなぁ。


「如何に大剣ソーイアロを使ったと言えどそう簡単に冥道への道は開かれん、そうだったなトーマス」


トーマスは秘書の名前のようだった。

比較的常識人で、ジンには手を焼いてそうだ。


「まあソラ殿が行かないなら騎士団を遣わそう」


王の言葉を聞いた時、エリザベスの顔が曇った。

彼女、本当は戦いたくないのだ。

それがソーイアロの娘というだけで、騎士団として王に命を捧げている。

まあどうせ鎧は欲しい所だったし、エリザベスに無理はさせたくない。

俺は王の要求に対し二つ返事で承諾した。


明日からガゼドへの道のりが始まる。

途中砂の町リエコスを経由するようで、俺達は今晩王宮に泊まる事になった。

ベランダに出てみると星が綺麗に見て取れた。

そこへ現れた鎧姿のエリザベス。

白く綺麗な肌をしており、よく見れば美人だった。


「あの……ありがと。引き受けてくれて」


「なんのなんの。鎧欲しかったし」


「父上の剣が認めた男はきっと貴方が初めてみたい」


「おー、世話になってるぜこの大剣には。あの冥道クロス斬りは偶然だろうけど」


冥道と言えば亜人二人を連想させられた。

アニキめ、もしかしてそこまで計算済みで?

何にせよ最高の鎧が手に入って良かった。


「……気をつけてね。バイバイ」


「おう!」


あーあ行っちゃったよ。

それにしても此処アルテマの美人の多いこと。

闘技場で得た金貨は俺の鎧以外に使い回せる事になるが、慎重に使い所を判断しないと。

俺が星々を眺めながら考え事をしているとクレラとアスカが後ろに立っていた。


「よう、夜景でも見に来たの?」


「まあね。それよりソラって私とアスカちゃん二人共大切にしてって言われたら大切に出来る?」


「え?」


「冗談だよ、冗談。そこ退いて〜」


夜景を観る特等席を横取りされた。

それより何だったんだよさっきの、意識しちゃうじゃんかよ。

クレラはいつも通りニコニコしていたが彼女達がレストランで話してた事って一体……。


ま、まあとにかくガゼドに向かって魔王復活を阻止。

その為の剣と鎧は手に入った。

今のところ俺のゲームライフは順調と言える。

何より仲間達が頼もしかった。


「また明日」


クレラとアスカにおやすみを言い、俺は男用の寝室へと足を運んだ。

慣れない人は迷いかねない広さだな、流石王宮……。


蝋燭だけの灯りの部屋でフォックスは既に寝ており、レインとクロウが対話しているのだった。

見た感じ、この二人は意気投合してそうだ。

吟遊詩人である虹色髪のレインと翼の生えた入れ墨のクロウ。

一見共通点は少なそうだが、二人共根は優しいのかもしれない。


何にせよ、わーいフカフカのベッドだ。

現代日本の一般的なベッド以上の柔らかさだった。

この辺は流石王宮と言うべきか。

歴史的に見ても昔の偉い人は贅沢三昧だったんだろーなーって。

さあもう寝よう。

明日からガゼドへの長い旅が始まる。

王がチャラいのは予想外だったけど、おかげでアレサンドロの鎧が齎された。


クレラとの運命、きっと掴み取るんだ。

そんな中アスカちゃんの存在が頭をよぎる。

まあ今日はもう寝るとしよう、おやすみ。

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