真実と現実と
空想、厨二、学無し、お約束、ご都合、はしょり、それでも読んで貰えたらこれ幸い
一面真っ白な部屋、方向感覚がなくなりそうになるほど白い部屋。中央にベッド上半身を起こしながら男が一人。
「…東条 勝己?」
「君らは…?」
「俺は暁 昇、ガングリフォンって言った方がいいのかな?」
手っ取り早くワードを言う。騒がれても困るしね。
「俺は如月 輝眞、グングニル貴方の息子の飼い犬だ」
「ガングリフォンにグングニルそうか、完成していたのか…」
どうやら現状についてはよく知らないらしい。
「…君らがここにいると言うことはオーガのことを聞きに来たのだろう?」
なかなか鋭いオッサンだな、
「…わかってたような口振りですね」
輝眞はオッサンを睨む。
「すべて話すのはたやすい…が、知る覚悟はあるのかね?」
俺達はゆっくり頷く。
ナノテクノロジーを使い人間の能力を活性化、強化する研究していた西条 政孝、同じく研究に携わっていた東条 勝己、そしてもう一人"臼井 香苗"という女性。まどかの母親だ。まどかを産んですぐに他界した。
そのころから正孝は変わった。クローン技術まで研究し始めたのだ。
自信が専門としていたナノテクノロジーとクローン、人道に反する研究…死者の再生。
幼いまどかの面倒を師匠(柳葉)に任せ、研究に没頭し続けた。勝己は一人当初の実験を続けた。
ある日革命的な発見をした勝己はレポートを手に政孝の元へ走った。このレポートこそ政孝、勝己の当初の研究であるナノテクノロジーによる身体能力の強化に関することであり、後にまどか、哲らの手によって完成した"GGFsystem"である。
あわよくば現実に戻って欲しかった。立ち直って欲しかった。
…事件は起きた。
「や…やった!は、はは、これで‥これで!!!」
政孝の前には巨大なカプセル、その中には女性の姿があった。勝己は唖然とし、声も出なかった。
勝己が息を飲んだ次の瞬間、女性の姿だったそれは巨大な化け物に変貌した。
カプセルは割れ化け物は叫び声を挙げる。
「あ‥あぁ、そそ、そんな、そんなことが!!」次の瞬間、政孝は胴から上を喰いちぎられ絶命した。巨大な化け物は体中から粒子のような光を撒き散らし、研究所から飛び去って行った。勝己はその時半身に粒子を浴びてしまったらしい。
「…その名残がこの腕だ」
勝己の左半身は異形と化していた。日に日に浸食されているらしい。
「…いずれワタシもオーガとなってしまうだろう、政孝を止めることの出来なかった報いなんだろう」
「…‥」
言葉が出なかった。「君達に…とくに輝眞君、君にお願いがある。」
オッサンは静かに切り出す。
「…息子のことなんだが、今の息子は名誉に目が眩んでいる。間違いを起こさないように面倒をみてやってくれないか?あの時の政孝と被って見えてしまうのだ……勝手なのは重々承知している、だがどうか‥」
「…まぁ、乗りかかった船だし、期待に添えるかわかりませんが任せて下さい」
輝眞はニカッと笑ってみせた。やっぱり"夕也"に似てる。
「…オッサン最後に一つだけ聞かせてくれ、粒子を振り撒く奴がオリジナルなんだな?」
「…あぁ、おそらく奴を倒せば」
「それ以上はオーガは増えない」
オーガは元々人間で粒子を振り撒くオリジナルが諸悪の根元、それだけまどかに伝えよう。
…知らないほうがいいこともあるよな。俺達は部屋を後にする。
「腹減ったな」
俺の腹が鳴る。
「そうだね、ラーメンでも食べてくかい?いいとこがあるんだ」
輝眞も腹が減ってるらしい。
「ラーメン‥いいねぇ」
二人でラーメンを食って帰った。はがゆい気分を少し紛らわせた気がした。
あざーす(・ω・)/