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蹴球の皇帝  作者: 86
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第0話 天才少年

『ゴーーーーール!!!!日本の麒麟児、東雲龍也(しののめりゅうや)がU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ決勝の舞台にてダブルハットトリック達成!!!!天才少年勢いが止まらない!!!!これでスコアは6-2!!!!優勝はバルセロナで決まりか!?残り時間はあと5分!!!!リヴァプールはここから巻き返すのか!!!!」


 興奮し切った実況の声が場内に響き渡る。


 今行われてるのは先程実況が言っていたようにU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジの決勝だ。


 相手はリヴァプールのU-12であり、俺たちはバルセロナのU-12だ。


 ボールを初めて触ったのは2歳の頃。その頃から才能は開花していき、8歳でバルセロナの下部組織であるラ・マシアの試験に合格し所属することになった。


 そして僅か10歳でバルセロナU-12の代表兼エースにまで上り詰めた


 つまり何を言いたいのかと言うと俺は天才だった。


 このまま俺はバルセロナに所属して、日本代表にもなり、順風満帆なプロサッカー選手の生活を送るものだとばかり思っていた。


 俺は会場の自分に向けられた歓声に対して笑顔で手を振って応える。


 少ししてからすぐに自分のポジションへと戻り、笛の音を聞くとリヴァプールボールで試合が再開した。


 結局あれからリヴァプールは俺たちのゴールネットを揺らす事ができず、優勝は俺たちバルセロナで決まった。


 この頃が俺の全盛期だった。


 4年後、14歳の時に俺は大怪我をした。


 相手には悪気がなかったし、ただ夢中でボールを奪う為にスライディングをしてきたのだからそれに対して俺は怒る気もなかった。


 病院の医者には1年はサッカーをできないだろうと言われた。


 今までサッカーをやり続けていた俺だったがその言葉を聞いても特に感情が揺さぶられる事はなかった。


 自分で言うのもなんだが冷めていたのだと思う。


 その後はトントン拍子で話が進んだ。


 俺はバルセロナを退団し、日本の普通の中学校に途中編入する事になった。


 今までたまにしか会えていなかった家族だったが、皆俺の事を優しく受け入れてくれた。


 中学では少し騒がれるかもと緊張していたが、特にそのような事はなかった。日本の中学生はプロサッカーには興味があるけど、同年代のサッカーなどには興味がないようだ。


 こうして俺は今までの短い人生の大半を占めていたサッカーを辞めた。

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