取りあえずある程度の形にはなってきたかな
さて、朝から少し大変ではあったが、なんとかなったようでよかった。
そして、昼休みは予定通り球技大会に向けてバレーボールのパス練習の続きだ。
バレーボールを借りてきて、俺と南木さん、中垣内と言うメンバーで練習の続きをする。
そして中垣内が俺たちに言った。
「大会まであんまり時間もないから、あなたたち二人の場合、サーブはフローターサーブじゃなくて、アンダーサーブで行きましょ」
「アンダーサーブっていうと腕を下から振り上げてボールを打ち上げるサーブか」
俺がそういうと中垣内はこくりとうなずいた。
「そうそう。
アンダーハンドサーブはボールを山なりに上げるから、威力はさほどないけど、初心者でもネットにひっかけたり、コートアウトさせたりしづらいから、その分ミスが少なくなって、確実性は高いからね」
南木さんがほっとしたように言う。
「それなら何とかなりそうですね。
中垣内は頷いて言った。
「じゃあ、片方がサーブして、もう片方はレシーブして相手に返す練習をしましょう。
私はアンダーサーブの打ち方を教えるから、サーブレシーブは交替でやって見ましょ」
俺たちはそれに頷く。
「了解、んじゃ最初は俺がサーブで、南木さんがレシーブでやってみよう」
「わ、わかりました」
俺と南木さんは15m位離れ、俺の近くで中垣内がいう。
「じゃあ、アンダーハンドサーブのやり方だけど、まず相手に対して正面を向いて、ひざを少し折って構えて」
俺は言われたとおりに構えた。
「こんな感じか」
「そうそう、それから左足を一歩前に出しながら、右腕を後ろに引いて、左手に持ったボールを右腕の前に落とし、重心を正面前の方向へ移しながら、ボールの下の中心を手首に近いところですくい上げるように腕を振り切り、からだ全体でボールを相手に向けて押し出してみて」
「了解」
俺は中垣内の言ったとおりに、ボールを右腕の前に落としながら腕を振り上げてサーブを打った。
打ったボールを目で追いかけていくと、山なりの打球はいい感じに、南木さんのところへとんでいき、レシーブされたボールは俺の元にもどってきた。
「なるほど、確かにこの方がコントロールは付けやすいな」
俺がそういうと中垣内はふふっと笑いながら言う。
「まあ、超初心者向けのお子様サーブなんだけどね」
「まあそれでもうまくはいらないよりは全然ましだな」
そして次は南木さんがサーブを打つ番。
やはり中垣内が南木さんのそばに行ってサーブの打ち方を教えながらだ。
「ええ、っとこんな感じですか?」
「ええ、そんな感じね。
じゃあ、実際にサーブをうってみて」
「はい、行きますよー」
「よしこい」
パコーンという音とともに放たれたサーブボールは俺の近くに落ちてきたのでレシーブして南木さんの元に返す。
「やった、うまくできましたー」
南木さんが笑顔でそういうが確かに上手く出来るのって嬉しいよな。
「スポーツも、勉強と同じで上手く出来なかったら簡単に出来る事からやり直すのが上手く出来るようになる近道なんだな」
俺がそういうと中垣内はまたふふっと笑いながら言う。
「ええ、そういうことね」
「本当たすかったぜ」
「そうですね、助かりました」
後はスパイクとブロックだけどこれはコートのネットが無いと難しいかな。




