家庭科部の部活動もユアチューブに投稿することにしたよ
さて、翌日の放課後は家庭科部の部活動に参加する日だな。
月曜日は脅迫状の件もあって、部活動をさぼったので今日はちゃんと参加しておかないと。
俺は西梅枝さん、東雲さんと一緒に家庭科実習室へ向かった。
そして、今日も大仏さんと雅楽代さんはすでに来ていた。
「こんにちは、大仏さん、雅楽代さん。
月曜日は急に休んですみませんでした」
俺がそういうと大仏さんは首を横に振ってから言った。
「いえいえ、なにやらトラブルがあったようですが、もう大丈夫なのですか?」
そう聞かれたので俺は例の脅迫状を取り出して二人に見せてから言った。
「根本的な解決はしてませんが、警察に相談はしましたし、今のところ何も起きていないので多分いたずらだと思います」
俺がそういうと雅楽代さんが少しほっとしたように表情を緩めていった。
「性質の悪いいたずらですが、実害がないならまだよかったですね」
実は実害がないどころか、危うく大けがをするかもしれなかったのだが、結果としては俺が過去に転生したのはよくわからないままだが、何者がやったのかは分かったんだよな。
「あ、それでですね。
俺、いまユアチューブに動画を撮影して投稿してるのですが、家庭科部の部活の様子を撮影して投稿してもいいでしょうか?
念のためお二方にも当面は顔出しなしでお願いしたいのですが」
俺がそういうと大仏さんはニコっと微笑んでうなずいた。
「部活動を紹介するユアチューブの動画も今は結構あるようですし、もしかしたら部員が増えるかもしれませんね。
私は構いませんよ」
雅楽代さんもうなずいて言った。
「そういうことならじゃんじゃん撮影して、あげちゃってくれるかな?」
「ありがとうございます。
そういえば長期休暇には家庭科部は部活動がない場合が多いみたいですが、うちはどうなんでしょう?」
俺がそう聞くと大仏さんが答えてくれた。
「うちもゴールデンウィークとか夏休みなどには部活動はないです。
来週以降の来月はテスト前ですし、中間テスト後までは今日が最後の部活動ですね」
「なるほど、わかりました。
では、今日は何を作るのですか?」
俺がそう聞くと大仏さんが答えてくれた。
「今日はフォンダンショコラを作ってみましょう」
「フォンダンショコラですね。
手間をかけなければ30分ぐらいで作れますし、美味しいですからいいですね」
という訳で今日はフォンダンショコラ作成だな。
「んで、撮影の前に大仏さん、雅楽代さんのハンドルネームを決めたいのですが大仏さんが”おっかさん”、雅楽代さんが”うっちゃん”でどうでしょう?」
俺がそう聞くと大仏さんが苦笑して答えてくれた。
「まあ、それでもいいと思いますよ」
雅楽代さんもうなずいて言った。
「私もそれで構いませんよ」
という訳で撮影開始だ。
「よし、じゃあ始めるか。
さてさて、童貞のケンジによる動画投稿番外編。
今日は俺が所属している学校の家庭科部の部活動の風景を伝えていくぞ。
ちなみに参加メンバーは俺、さっちん、しーぽんと家庭科部の先輩であるおっかさんとうっちゃんの5人だ」
「はじめまして
家庭科部の先輩であるおっかさんです。
では今日はフォンダンショコラの作成です。
材料は板チョコ、バター、砂糖、薄力粉、ココアパウダーですね。
今回は簡単手抜きレシピですが、ガナッシュを作る場合は生クリームとミルクチョコレートを、溶かして混ぜ、ラップを敷いた容器に流し込み、粗熱が取れたら冷蔵庫で2時間冷やします。
で、オーブンを予熱しながらチョコレート生地を作りますが、ボウルにチョコレートとバターを入れて湯煎にかけ溶かします。
それから 別のボウルに卵と砂糖を入れて、泡立て器でよく混ぜ、よく混ざったら、数回に分けて加え、混ぜます。
そこへ ふるった薄力粉とココアパウダーを加えて、さっくりと均一になるまで混ぜます。
全てまざったら紙のカップに6分目程度で入れます。
後はオーブンで10分程度焼けば完成です」
その説明を聞いて東雲さんが言う。
「おおう、結構簡単だねぇ」
「しーぽんはそう思うなら、自分でもつくりなよ」
「あたしは食べる専門だもんねー。
そういえばケンジはなんでまた、家庭科部に入ろうと思ったん?」
「え?
まあ、家事を覚えておけば高校を卒業した後にも役に立つだろ?
スポーツ系の部活に入っても大学進学以降でそれが役に立つことはほとんどないけど、家庭科部で料理なんかを覚えれば大学に行ったり就職した後でも使えるはずだし」
「なるほど、それは確かにそうかもだけど、本当は女の子の多い部活に入って女の子と仲良くなるのが目的じゃないの。
バイト先もパティスリーだし」
「それについては否定しないよ。
でもね、女の子と仲良くなりたいっていうのは、健全な高校生男子なら、みんなが当然思うことだと思うよ。
なにせ非モテ男のバレンタインデーは悲惨だぜ。
今年はお母さん以外のチョコが一個くらいはもらえるかもって期待しても、結局はもらえることはなくって、家に帰ってお母さんからもらった板チョコをほおばる日なんだからさ」
「ああー、まあ言いたいことは分からなくもないけどね。
でも今のケンジだったらチョコの10個や20個くらいは当然もらえるっしょ?」
「いや10個や20個はどう考えても無理だと思うけど?」
「そうかな?」
「男ってのは自意識過剰だからちょっとしゃべったことがある程度の女の子からでも、チョコがもらえるんじゃないかって思うけど、現実は非情だからね。
でもまあ、本当にバレンタインデーには義理でもいいからお母さん以外の女の子からチョコが欲しいとは思うよ」
「んじゃまあ、かわいそーなケンジ君には、来年のバレンタインデーにはあたしが義理チョコを送ってあげるよ」
「そりゃうれしいね。
10円のチロルチョコでもチョコはチョコだし」
「いやいや、さすがにもちょっとましなものを送るっしょ」
「それならなおさらうれしいかな」
そんなやり取りをしていたら西海枝さんも会話に加わってきた。
「あ、あたしもケンジ君にチョコを送りますよ。
せっかく家庭科部でお菓子の作り方も習ってますし、手作りチョコをおくっちゃいますからね」
「いやあ、それはめちゃくちゃ、うれしいね」
「あはは、じゃあ、あたしたちも贈らないとね」
大仏さんがそういうと、雅楽代さんも言った。
「新人部員を連れてきてくれたのは助かりましたからね」
「うおお、どうやら今年は4つチョコレートはもらえそうだし、滅茶うれしいですよ」
ちなみに今日は焼成している間に勉強をやってる時間がなかったが、フォンダンショコラは美味しかったよ。
------掲示板の反応------
[完全に]ケンジのハーレムちゃんねるについて語るスレ[美少女ハーレム?]
20:名前:名無しのお兄ちゃん
ケンジこのやろう
うらやましすぎるぞ、おまえ
21:名前:名無しのお兄ちゃん
もてない男のバレンタインが非モテには地獄だというのはよくわかる
だがケンジ、てめーにそれを言う資格はねぇ
22:名前:名無しのお兄ちゃん
さらっと部活の先輩二人からもバレンタインチョコ確約されてたしな
本当に高校生デビューの童貞なのかよ
23:名前:名無しのお兄ちゃん
>>22
だよな。
しかし、しーぽんはやっぱ可愛いな。
24:名前:名無しのお兄ちゃん
しかしハンネのつけ方が結構ひどくないか?w
25:名前:名無しのお兄ちゃん
>>24
ケンジはマザコンっぽい気がするから、おっかさんっていうのはむしろ……
26:名前:名無しのお兄ちゃん
>>25
おおう、確かにそうかんがえると、ケンジの本命はおっかさんか?
27:名前:名無しのお兄ちゃん
>>26
それにしても、ケンジは手が広すぎるだろ
28:名前:名無しのお姉ちゃん
>>27
クラスメイトに、部活の先輩に、バイト先にパテスリーの店長やバイト仲間もみんな女だもんな。
とはいえこれだけやっても女の子たちに嫌がられない社交性の高さはすごいと思うけど
29:名前:名無しのお兄ちゃん
しかし、まだまだメンバーが増えそうな気がするのは俺だけか?
絶対増えそうだよな
30:名前:名無しのお姉ちゃん
>>29
俺もそうおもうよ。
むしろどこまで増えるか見届けたくなった。




