同じアニメ好きということで白檮山さんと新發田さんを引き合わせたけどすぐに仲良くなれたようだ
さて、バイトの上りの時間になった。
俺と白檮山さんは、高校生なのであまり遅くまではバイトはできないんだよな。
で、上がるときに、俺は白檮山さんに聞いてみた。
「白檮山さんって、毀滅の刃好きですか?」
「あ、うん好きだよ。
アニメにもなったし、やっぱり義薪だよね」
「ああ、そこはいったん、腐ったカップリングから離れてほしいんですが。
で、ですね。
俺のクラスメイトにも、毀滅の刃が好きな女の子がいるんですけど、同じクラスに同じような趣味の女の子はいなさそうなんで、良ければ明日パティスリーに来てもらうように伝えるので、友達になってあげてもらえませんか?」
俺がそういうと白檮山さんはニコっと微笑んでうなずいた。
「うん、当然いいよ。
こう言うことを、話せる女の子の友達がいたら、いいなって思っていたしね」
「わかりました。
では伝えてみますね。
まあ、あちらに何か予定が入っていたら無理ですけど」
「その子がイベントとかに出かけるタイプじゃないなら、たぶん家で漫画を読んでるとかだとは思うけどね」
「まあ、俺もそんな気はしますけどね。
あ、白檮山さんのSNSID教えてもらえます?
そうすれば連絡もとりやすいですし」
「うん、いいよ。
はい」
という訳でSNSIDの交換も無事終了。
「じゃあ、また明日ですね」
「うん、またね」
白檮山さんと別れたら、新發田さんへ、メッセージを送る。
『こんばんは。
明日って何か用事が入ってるかな?』
しばらくして新發田さんのほうが既読になって、メッセージが返ってきた。
『いえ、明日は特に用事はないですよ』
『あ、それなら新發田さんと同じように、毀滅の刃が好きな女の子がバイト先にいて、あちらもあってみたいって言ってるから、駅前のパティスリーのアンドウトロワに来られないかな?』
『あ、そうなんですか。
それならぜひ行きたいです。
何時ごろがいいのでしょうか?』
『朝10時から夕方17時までの間ならいつでも大丈夫だと思うよ』
『なら朝一番の10時に伺いますね』
『了解』
という訳で新發田さんが、朝10時からくるということを白檮山さんに伝える。
『明日の朝10時に、お店に来てくれることになりました』
『本当?
それはうれしいね』
『こんなことでうそをついても意味ないですから』
『まあ、それもそうだね。
連絡ありがと』
『いえいえ』
という訳で翌日。
いつも通り店に早めに来ては、店中をピカピカに掃除して、開店準備を整え、10時になった。
約束通り10時きっかりに新發田さんがお店に訪れた。
「いらっしゃいませ、新發田さん。
来てくれてありがとう」
「お、おはようございます。
いえ、私も楽しみでしたし」
という訳で新發田さんを、イートインスペースに案内し、一つのテーブル席に座ってもらった。
「ご注文はいかがなさいますか?」
「えっと、おすすめはなにかな?」
「フルーツタルトかロールケーキに紅茶のセットですね」
「じゃあ、フルーツタルトのセットで」
「かしこまりました、少々お待ちください。
いま紹介したい人も呼ぶね」
という訳で白檮山さんへ、今店にはいった女の子が紹介したい人だと伝える。
「白檮山さん、今テーブル席に案内した女の子が毀滅好きの子です」
「あ、そうなんだ。
じゃあちょっと行ってくるね」
「ええ、どうぞどうぞ」
俺はその間にティーセットを用意して、リーフティーをゴールデンルールにしたがって入れた。
そして、フルーツタルトをトングでつかんで、ケーキ皿にのせ、それらをトレイにのせて、イートインスペースに運ぶ。
そして聞こえてくる二人の声。
「毀滅でいちばんかっこいいキャラは誰だと思う?」
白檮山さんがそう聞くと、新發田さんは答えた。
「わたしは宇髄天弦ですね」
へえ、ちょっと意外。
「私はやっぱり冨岡義雄だな」
と白檮山さんもいうが、正直二人の好みは反対だと思ってた。
「お待たせしました。
フルーツタルトのセットでございます」
俺は二人の前にそれぞれ、フルーツタルトと紅茶と付随物を置いていく。
「あ、フルーツタルト、すごい綺麗ですね」
「でしょー、うちのお店の自慢の一品だよ」
フルーツタルトをたべ、紅茶を飲みながら、楽しそうにしゃべる二人を見たら、やっぱり引き合わせて正解だったなと思ったよ。
「ああ、私もこのお店で働けたらな……」
新發田さんがそういうが、これに関しては店長の王生さんでないとわからないな。
「新發田さん。
店長さんに、このお店でまだバイト募集してるか聞いてみようか?」
「う、うん、お願いできるかな?」
「じゃあちょっと聞いてみるよ」
俺は奥に行って王生さんに聞いた。
「王生さん、ここって、まだバイト募集してます?」
「いえ、今は募集はしてませんが」
「んー、売り上げ的にバイトの人数は今が精いっぱいってところですか?」
「そうですね。
現状でも最低限月125万円の売り上げがないと赤字ですし」
「となると、週一日休みとして、平均一日5万円ですか。
販売単価から考えると確かに厳しいですね。
とはいえテナントの賃貸料もこの立地だと高いでしょうしね」
「そうなんですよ」
「んー、SNSやフリーペーパーなどからの集客は、とっくにやってるでしょうし……。
とりあえず俺のシフトに入る時間を削ってその空いた時間に入ってもらうとかだとどうでしょう」
「それなら大丈夫ですよ。
人件費は変わりませんしね」
「あ、ちなみに王生さんは、ユアチューブの宣伝用動画を撮影して配信するとしたら顔出し可能ですか?」
「え、動画配信ですか。
ええ、それは可能ですけど」
「そうしたら、ここの店の宣伝の動画を俺が撮影して、ユアチューブにアップするってのはどうですか?」
「そうしてもらえるなら、むしろありがたいですけど」
「ん、なら善は急げですね。
撮影は明日でいいでしょうか?」
「ええ、いいですけど……秦君はいいのですか?」
「あ、俺は基本的に日曜は暇してますんで、大丈夫です。
白檮山さんにも、顔出しで宣伝動画に出られるか聞いてみますね」
「ええ、お願いします」
という訳で、俺はホールに戻って白檮山さんにも、顔出しで宣伝動画に出られるか聞いてみた。
「白檮山さん、ユアチューブの宣伝用動画を撮影して配信するとしたら顔出し可能ですか?」
「え、うん。
私は大丈夫だけど」
「でしたら、明日撮影のための時間少しとってもらえませんか?
そんなに時間はかけませんので」
「うん、大丈夫だよ」
そして新發田さんがきいてきた。
「私は働けそうですか?」
「あ、うん、俺の入ってるシフトの時間を削ればいいって」
「え、それで、秦君はいいんですか?」
それにたいしては白檮山さんが苦笑して答えた。
「というか秦君は長時間働きすぎ。
土曜日に時間を削ってちょうどいいんじゃないかな」
俺は苦笑して答える。
「まあ、そうですよね」
ということで、明日は撮影用機材を持ってこないとな。
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