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中垣内が一緒に勉強したいと言ってきたので、ユアチューブへの投稿動画を勉強のやり方にしてみたよ

 さて、家庭科部の部活動の最中に東雲(しののめ)さんや、西海枝(さいかち)さんに、勉強を教えていた俺だが、どうやら中垣内(なかがいと)も勉強を教えてほしいらしい。


 俺のもとに来ると中垣内(なかがいと)東雲(しののめ)さんや、西海枝(さいかち)さんをちらっと見た後に言った。


「ね、ねえ。

 あんた、あの二人に数学を教えてあげてるみたいだけど、あたしにも勉強教えてよ」


「それは別にいいけど、何を教えてほしいんだ」


「あたしは国語」


「国語か。

 ちなみに苦手なのは現代文・古文・漢文のどれだ?」


「もちろん全部よ!」


「お、おう」


 そんなことを胸張って言われても困るがな。


「まあ、お前は小説とか、論文とか読むタイプには見えないし、なんとなくわかるよ。

 まあそれなら動画配信用の撮影をしつつ、国語の勉強のコツを教えていくとしようか」


「うん、よろしくね」


 そういうと中垣内(なかがいと)は機嫌よさそうに自分の席に戻っていった。


 本来ならば、わからないことは国語担当の教師に聞くべきなのだろうが、数学教師と同じように国語教師も国語が大好きだから、国語が嫌い、苦手な人間が、なぜそうなるのかわからなかったりするんだよな。


 で、放課後は中垣内(なかがいと)との動画撮影。


 ノートパソコンやカメラなどをセットし、国語の教科書や、国語の辞書、学校で配布されたプリントなどを用意する。


「んじゃま、そろそろ撮影に入るぞ」


「はーい」


「さてさて、童貞のケンジと」


「処女のオトメのコンビで送る」


「グダグダ高校デビューチャンネルー。

 さて、今日は中間テスト対策の勉強方法についてだ」


「勉強って大変だよねー。

 あたしは国語全然ダメなの」


「ああ、まあそういうやつ少なくないよな。

 けど高校入学して間もない時期から大学受験を意識して勉強はしておいた方がいい。

 最初でつまずくとその後ずっと授業についていけなかったりするしな」


「え?!

 そうなの?」


「そういうわけで今日は国語の勉強法について。

 まずは現代文から入っていこう」


「うん」


「現代文は、まず読解の基礎力を習得するのが大事だ」


「えっと言っている意味が、よくわからないんだけど?」


「ようするに文章を読んで、その文章からどう意図があるのか、どういうことを伝えたいのかという、その文章の作者やテストを設問する教師などがさせたいこと、つまり文章を論理的に読み取れるようになるのが大事ってことだ。

 日本語の文章を読み取れる能力を作り、更に、その読み取る力の土台の上に、日本語の文章を表現する力をつけないといけないってことだな。

 むろん読めなかったり、書けなかったりする漢字はちゃんと暗記して覚える必要はあるけどな」


 それら力をどうやってつけるのかというと、それは、文章を読むことによってしかできなかったりする。


 しかし実際には読むというよりも問題集を解く方が分かりやすく思えるためそっちに頼ってしまいがちだ。


 だから、国語が難しいと思う人間は少なくないのだな。


 そして、文章を読んでちゃんと表現したものを他者へと正確に伝えようと、脳内で整理するためには、声を出して音読するのが一番。


「じゃあ、まずはどうすればいいの?」


「じゃまあ、実際にやってみよう。

 国語の教科書を開いてくれ」


「……うん」


「じゃあ、まずは一番最初の範囲の小説文章を10分、合計20~30回音読する」


「え、それだけ?」


「ああ、ただし棒読みするだけではなく、アクセントなどをちゃんとつけて、うまく読むのが大事だ。

 そして意味が分からない言葉や漢字が出てきたら、必ず辞書を引き言葉と意味をノートに書き留める」


「ふむふむ、じゃあやってみるね」


 そして中垣内は教科書に載っている小説を音読し始めたので、俺はキッチンタイマーを10分にセットした。


 最初はうまく読めていなかったのだが、何度も繰り返すとだんだんうまく読めるようになっていく。


 そして、意味の分からない言葉はちゃんとノートに書き写してもいる。


 やがてタイマーが鳴ったので俺は中垣内(なかがいと)に声をかける。


「よし、時間だ。

 どうだ、やってみた感想は」


「うん、なんとなくわかった気がする」


「ちなみに”しかし”や”だが”といった逆説の接続詞のあとには、作者の主張が書いてあることが多いから、そこが重要なポイントになることが多いぞ。

 現代文というか文章を読むという行為にはセンスが必要だと思われがちだけど、勉強としての現代文には正しい読み方が存在し、その通りに読むことが出来さえすればテストでいい点を得ることができる」


「そうなんだ」


「で、教科書の文章を読むのが楽しくなってきたら、評判のいい小説を読むのもいいぞ」


「うん、そうだね」


「金がなくて本が買えないなら、WEB小説投稿サイトもある。

 有名なところだと”小説家になろうぜ”だな。

 その中でも、女の子向けなのは異世界恋愛ジャンルだな」


「そうなの?」


「ああ、ハーレクインロマンスとか、童話のシンデレラなんかが好きなら、たぶん大丈夫だと思う」


「じゃあ、今度読んでみよ」


「ってな感じで、今回はこんなところだ」


「みんなまたねー」


 という感じで、今回は国語の勉強方法について、役に立ちそうなアドバイスの動画をとった。


 そのころの匿名掲示板


 ------掲示板の反応------


[ほんとに高校デビュー?]ケンジとオトメについて語るスレ[しかもまさかの個人勢?]


 1:名前:名無しのお兄ちゃん


 ここは自称高校デビュー、ユアチューバーのケンジとオトメについて語るスレです。


 現状は他のユアチューバーについての話題を出さないようにお願いします。


 2:名前:名無しのお兄ちゃん

 >>1

 スレ立て乙


 3:名前:名無しのお兄ちゃん

 >>1

 スレ立て乙

 個人スレできんのはええw


 4:名前:名無しのお兄ちゃん

 >>1乙

 ちなみに今回の動画もう見たやついるか?


 5:名前:名無しのお兄ちゃん

 >>4

 見たぞ、ケンジってやつ、本当に高校デビュー組か?

 あんな可愛い女の子を捕まえられるなんて、とても信じられん。


 6:名前:名無しのお兄ちゃん

 >>4

 見た見た、あいつ話がうまいだけじゃなくて、頭もいいのな。


 7:名前:名無しのお兄ちゃん

 >>6

 あれならオトメもつかまるだろうさ。

 おれだってすげー役に立つよなと思ってる。


 8:名前:名無しのお兄ちゃん

 >>7

 教科書を一生懸命に読んでるオトメたんカワユス


 9:名前:名無しのお姉ちゃん

 だが、なろうぜをすすめるのはどうかと思う。

 そこは素直にハーレクインロマンスをすすめろと。


 10:名前:名無しのお兄ちゃん

 なろうぜ異世界恋愛とハーレクインって、そんなちがうか?


 11:名前:名無しのお姉ちゃん

 まあ、中間対策は、はやめにはじめといたほうがいいんじゃね

 国語以外もやってくんねーかな


 12:名前:名無しのお兄ちゃん

 >>11

 たしかに

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― 新着の感想 ―
[良い点] ヒロイン達を出来る限り平等に扱おうとしてる所 [気になる点] 中垣内が人気あるのは他ヒロインと比べて主人公と一対一で接触する機会が多いからかも 自分も中垣内好きなんで全然オッケーなんですけ…
[一言]  文章力養うなら、ちゃんと編集の目を通った書籍を読むべきじゃないかなぁ。  興味を持つためならいいけど、ブロークンな日本語が普通に出てくる文章は、勉強にはならない気がします。
[一言] 中垣内さん好きだわ……なんか、好きだわ……
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