今日の家庭科部の実習ではピザを作ってみたよ
さて、今日から夏休みが始まるまでは午前中のみで授業は終わり、午後は自由時間だ。
と言っても部活動があればそれに参加はするんだけどな。
俺は念のため大仏さんへメッセージを送った。
”こんにちは。
今日の家庭科部の実習は何をする予定ですか?”
返事はすぐ帰ってきた。
”はい、こんにちは。
今日は久しぶりに調理実習をしたいと思います。
何を作るかはみんなで話し合って決めましょう”
”了解です。
あ、今回も動画撮影大丈夫ですか?"
”ええ、大丈夫ですよ”
というわけで、俺、西梅枝さん、東雲さんの3人で家庭科の調理実習室に向かった。
そして、大仏さんと雅楽代さんはすでに来ていた。
「こんにちは、いつも早いですね。
大仏さん、雅楽代さん」
俺がそういうと大仏さんが、笑顔で答えた。
「こんにちは。
久しぶりに家庭科部の実習の日ですから」
大仏さんがそういうと、雅楽代さんも言った。
「今日は何を作るか話し合ってからスーパーに食材の買い出しにも行きましょう」
俺たちはうなずき、俺は言う。
「ええ、今日は授業も午前中だけで、部活動の時間はたっぷりありますしね」
そして西梅枝さんも言う。
「調理をするのは久しぶりですからワクワクします」
そして東雲さんがいう。
「少し時間がかかっても大丈夫なら、あたしは手作りピザが食べたいでーす」
それを聞いた大仏さんがいう。
「ピザですか。
ハンドメイドだと大変そうに思えますが、実はそこまで時間はかかりませんし、良い提案ですね。
では今日はハンドメイドのピザにしましょう」
ビザの手作りに今日の実習が決まったことで俺は言う。
「ピザってデリバリーとかで頼むと3000円くらいしたりするし高いもんな。
まあ、スーパーの冷凍ピザとかはそこまで高くないけど、デリバリーのピザに比べると美味しくない気はする。
でも粉から作ったりすればそこまで高くはないだろうし、多分冷凍ピザよりは美味しいだろうしいいんじゃなかな?」
というわけで俺たちはみんなでちょっと大きめのスーパーへ向かった。
そしてまずは小麦粉のおいてあるコーナーで俺は大仏さんに聞いた。
「ピザ生地ってパンと同じ強力粉でいいんでしたっけ?」
俺の質問に大仏さんはほほえみながら答えてくれた。
「ピザ生地には本来準強力粉を使うのが最も適しているのですが、日本では準強力粉をおいているスーパーは少ないので強力粉に薄力粉を混ぜて作ります。
割合としては10対3程度です。
好みによっては中力粉でも良いですけどね」
「なるほど」
俺と大仏さんのやり取りを聞いた東雲さんが不思議そうに言った。
「えっと、準強力粉とか強力粉とか薄力粉とか中力粉って何が違うのかな?
全部小麦粉でしょ?」
それに対して大仏さんは丁寧に答える。
「強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉の違いは、グルテンというタンパク質の含有量の割合の違いですね。
グルテンの量によって生地の弾力の強さが変化し、グルテンの含有量が多い強力粉は粘り気が強く、グルテンの含有量が少ない薄力粉は粘り気が弱めです。
なのでパンは強力粉、ピザやフランスパン、クロワッサンに中華麺などは準強力粉、生パスタやうどん、たこ焼き、お好み焼きの生地などは中力粉、ケーキやクッキー、天ぷらの衣などは薄力粉を用います」
説明を聞いた東雲さんはちんぷんかんぷんのようだ。
「なるほど。
よくわからないけどメニューによって、小麦粉の使い分けた方がいいってことだね。
まあ生地作りは秦ぴっぴに任せるけど」
そのセリフに俺は言う。
「本当東雲さんは自分で料理や裁縫はしないんだね」
しかし東雲さんは悪びれすに言う。
「いやあ、人間には得意不得意ってもんがあるっしょ?」
「まあ、それは分からないでもないけどな。
さて生地の材料を買ったら後は乗せる具かな。
俺はポテマヨツナコーンにしようかな」
俺の発言を聞いた東雲さんがニヒヒと笑っている。
「秦ぴっぴは本当お子様が好むような具材が好きだよね」
「えー、ポテマヨとかツナマヨは大人だって好きだろ?」
俺たちのやり取りに西梅枝さんたちはくすくす笑っている。
そして鳥のもも肉を見て西梅枝さんはを伸ばした。
「私はテリヤキチキンに挑戦してみます」
そして照り焼きのタレや舞茸に小ネギも手にしている。
「あたしはお肉マシマシで行くよー」
東雲さんはウインナーにサラミとベーコンに玉ねぎとピーマンのトマトソースで行くようだ。
「みなさん、材料は決まったようですね。
では学校に戻って調理実習に取り掛かりましょう」
大仏さんの言葉にみんなうなずいて俺たちは学校へ戻った。
そしてやるのはまずは生地づくりで、ボウルにぬるま湯に砂糖とドライイーストを混ぜ合わせて10分ほど置くと少し膨らんでくる。
これはイースト菌が砂糖を餌にして増えてるからだな。
そこに強力粉と薄力粉に発酵させたイースト菌を加えて混ぜ、合わせた水とオリーブオイルを少しづつ加えて粉っぽさが少なくなるまで混ぜる。
である程度きれいに混ざったら塩を加え、全体が綺麗にまとまるまで捏ねる。
塩を加えるのを最後にしてるのはイースト菌の働きをなるべく阻害させないようにするためだ。
で、ボウルにラップをふわっとかぶせ、電子レンジを150wにしてで40秒加熱してから10分ほど置いて発酵させる。
こうすればオーブンの発酵モードで発酵させるより時間がかからないですむんだな。
で発酵できたら生地を軽く丸めたあと、円の形に手で伸ばし、縁の耳の部分の生地を少し厚めにすればてピザ生地の完成だ。
後は、俺の場合コーンのホール缶を開けて水を切り、ツナ缶を開けて油を切って、皮むきと下茹で済みのじゃがいもを食べやすい大きさに切って生地に乗せてマヨネーズをたっぷりかけまくれば後は焼くだけだ。
西梅枝さんはフライパンで食べやすいサイズに切った鶏もも肉と舞茸に照り役のタレを絡めて加熱してるので、俺は東雲さんの買ってきた肉や野菜の具を適当に食べやすい大きさに切って生地に乗せる。
その上に刻み溶けるチーズを載せて、ピザソースをかければ後は焼くだけだ。
230℃に余熱したオーブンで10分、チーズが溶けてピザの耳に焼き色が付くまで加熱すればいい匂いが漂ってくる。
「うわあ、美味しそうな匂い」
東雲さんはそう言って目を輝かせている。
そして焼き上がったらオーブンから取り出して、ピザカッターで適当な大きさに切った後、みんなで試食だ。
早速俺は俺の作ったポテマヨツナコーンを食べてみる。
「うん、ポテマヨは正義だね」
そして東雲さんもたっぷりお肉の乗ったピザにかぶりついた。
「うーん幸せ」
そして西梅枝さんも自分が作ったテリヤキチキンに小ネギをちらした後、口にした。
「うん、美味しいです」
その後は大仏さんと、雅楽代さんも加わってみんなで3枚のピザを食べ尽くした。
「うーん、意外と時間もかからなかったし、美味しく仕上がってよかったな」
俺がそういうと東雲さんもうんうなずいていった。
「意外と手作りピザって簡単なんだね。
びっくりした」
「そういうのは自分で作った人の言うセリフだと思うけどな」
俺がそういうと西梅枝さんたちはくすくす笑っていた。
まあ、今日の調理実習の動画もなかなか好評で良かったぜ。