広瀬君の誕生パーティをやることを提案してみた
さて、剛力君と一緒に広瀬君の誕生日プレゼントを買いに来て、買い物が終わった後、マッグで何かを食べようかとなった所で、偶然東雲さんと西梅枝さんの二人と出会った俺たちは、みんなでマッグに行くことにして、だべっていた。
そこで俺はふと思いついたことを提案してみる。
「明後日の広瀬君の誕生日だけど、もしみんなや広瀬君の都合がつけば、放課後に簡単な誕生日パーティみたいのをやってみたらどうかって思うんだけどどうだろう?
場所はここでもいいし、カラオケの少し広めのパーティルームでも、俺のバイト先のパティスリーでも、ファミレスでも、なんならもっとよさげな場所があればほかの場所でもいいし」
俺がそう言うとまず賛成したのは東雲さん。
「誕生日パーティをやるのはあたしも賛成。
すっごくいいと思うよ」
しかし剛力君は首をひねっていった。
「僕も明後日の放課後は大丈夫だけど……テスト前期間中に誕生日パーティをやるっていうのは、広瀬君はどう思うかな?」
確かに広瀬君って割と勉強優先なところはあるよな。
「あ、そういわれると確かになぁ。
どっちかというと広瀬君は勉強が優先っぽい感じはするし」
俺がそう言うと西梅枝さんが微笑みながら言う。
「確かに今はテスト前の期間ですけど、放課後にちょっとした誕生日パーティをしようっていうくらいなら、広瀬さんは参加してくれるような気がします。
それに提案はして損するものではないと思います。
逆に今のうちにどうすれば広瀬さんが参加してくれるか考えるのもいいんじゃないでしょうか」
西梅枝さんの言葉に俺はうなずく。
「確かにそうだな。
誕生日パーティをしようっていうくらいなら広瀬君は参加してくれる気はするけど、どうせなら参加したいと思ってもらえるような場所とかを提案したほうがいいだろうな。
そうだと周りの目があんまり気にならなそうな場所になるきがするし、一番よさげなのはカラオケか?
バースデーソングとか歌うのもカラオケなら全然有りだしな」
俺がそう言うと少し考えたあとで東雲さんは賛成してくれた。
「そだね。
カラオケなら大きな声で歌ったり、誕生日おめでとうって言ったりしても周りの迷惑にならないだろうし、無難なとこじゃないかな?」
そして西梅枝さんと剛力くんも同意してうなずいてくれた。
「私もカラオケボックスで少し広い部屋を借りるのがいいと思います」
「カラオケなら周りに声も聞かれないから恥ずかしいこともないし、いいと思うよ」
みんなの賛成が得られたので取り合えず場所はカラオケでいく計画で行こうか。
「そもそも高校生が気軽に利用できて個室が抑えられて、人数がいてもさほど金がかからない場所ってあんまないもんな」
一番金がかからないのは自宅なんだが、呼ばれてるわけでもないのに自宅へ押しかけるのは流石にちょっとなって感じだしな。
そういえば小学校のときは誕生日パーティを自宅でやって、友達も呼ぶみたいなことをやっていた気がするが、中学校に上がってからそういうこともしなくなった気がする。
小学校に比べて中学校は学区の範囲が広いから家が遠い友達が増えたからだろうけどな。
それはともかく個室やパーティルームを利用できたりするというだけならば居酒屋やレストラン、ホテルなどもあるが高校生にはそれらの施設は色々敷居が高すぎる。
ああ、そういえば西梅枝さんさんとの買い物の約束もあったよな。
「西梅枝さん。
本当は期末テストが終わって落ち着いてからのつもりだったけど、来週の土曜日に予定がなければ前に言ってたハーフパンツの生地を買いに行かない?
生地は津田沼やラララポートにある湯沢屋で手に入りそうならそっちで買いたいけど、あんまりいいのがなかったらまた日暮里に行ったほうがいい気もするし」
俺がそう言うと西梅枝さんは笑顔でうなずいてくれた。
「はい、私は大丈夫です。
土曜日楽しみにしていますね」
ん、これで予定がうまく埋まったな。
「そういえば中垣内と南木さんも球技大会で一緒だったし誕生日パーティに参加するか聞いておいたほうがいいかな?」
俺はみんなに聞いてみた。
「そうですね。
わりと一緒に行動することとも多いですし、二人も誘ったほうがいいと思います」
西梅枝さんがそう言うと東雲さんもうなずく。
「んだね。
最低誘うだけ誘ったほうがいいんじゃん?」
まあ、それもそうだよな。
俺は中垣内と南木さんにメッセージを送ることにする。
『こんにちは。
明後日は広瀬くんの誕生日なんで本人が了承したら、カラオケボックスで誕生日パーテイをしようと思うんだけど、良ければ参加する?』
二人からは即座に反応が帰ってきた。
まず中垣内の方は
『もちろん参加するわよ。
でもプレゼント用意してないけどどうすればいいかしら?』
と来たし南木さんのほうも
『はい、私も参加したいです。
でも、プレゼントを用意してないのですがどうしたらいいでしょうか?』
と帰ってきた。
『だったらいまから誕プレ買う時間あるかな?
俺は船橋のロストで買ってその後マッグで昼飯を食べていたから、京成船橋駅のぼり側改札で待ち合わせとかなら案内できるぜ』
そう送ったらまたしても二人からは直ぐに返信が戻ってきた。
『じゃあ、お願いするわ』
『はい、ぜひお願いします』
となると待ち合わせ時間をどうするかだけど今は14時か。
『了解じゃあ出かけるための準備時間と移動時間を見て16時待ち合わせでどうかいな?』
そして二人からはまたすぐ返信が戻ってきた。
『私はそれでいいわよ』
『はい、それで大丈夫です』
『じゃあ、そういうことで』
という結果を俺はみんなに話す。
「ふたりとも参加したいって。
でも、プレゼントを用意してないから今から見繕うために16時で待ち合わせることになったよ」
それを聞いた東雲さんはちょっとあきれたように言った。
「なんか今日の秦ぴっぴは手際が悪いねぇ」
俺は苦笑しつつ答える。
「まあ、色々予定外なんでなぁ」
それを聞いた西梅枝さんがくすっと笑っていう。
「秦くんもっとスマートな感じだと思っていたのでちょっと意外です」
俺は苦笑して答える。
「いや、そんなに俺は要領は良い方でもないよ。
だから色々考えて行動するようにはしてるんだけどな」
やがてお開きになってみんなは家路についたようだ。
俺は待ち合わせがあるんで、ザ・ダイトーギガ船橋店で暇つぶしでもしておくか。