文ちゃんとの薔薇園デートは成功といえると思う
英語で「Blue Rose」といえば「不可能」「存在しない」の象徴だった。
しかし2002年に青いバラの開花が成功すると青バラの花言葉は 「夢かなう」「奇跡」「神の祝福」となったのである。
ちなみに青いバラの開発には日本の酒造メーカーのヨントリーが深くかかわっていたりもする。
申し訳ないが明日も開店準備だけで上がりたい旨を王生さんに伝えておこう。
「すみません。
明日はお隣さんと八千代のバラ園へ出かけるんで、白檮山さんが来たら上がりでお願いします」
俺がそういうと王生さんはにっこり微笑んでうなずいた。
「わかりました。
先週も言いましたが今はさほど忙しくない季節ですし、開店準備をやってもらえるだけでも助かりますから大丈夫ですよ」
「なんかすみません」
「お隣さんはすごく県立船橋高校に通っていると聞きますし、とても頭のいい方なんでしょうが、高偏差値の学校だと色々大変でもあるのでしょうね」
王生さんの言葉に俺はうなずく。
「たぶんそうなんだと思います。
いい学校に行くのもストレスはたまるみたいですね」
そこへ白檮山さんが口をはさんできた。
「まあ、秦君はモテまくるから、お隣さんも大変でしょうしね」
その言葉に俺はぐうの音も出ない。
「まあ、確かに。
ああ、そういえば白檮山さん、毀滅のコスプレ製作はうまくできそうです?」
俺がそう聞くと白檮山さんは苦笑しながら言った。
「二年生の家庭科には被服の実習があるから何とかなるかなって思ったんだけど、なかなか難しいわよね」
おおよそ予想通りのその解答には俺も苦笑
「あー、やっぱりそっちも苦労してる感じですか。
俺のほうもあんまりうまくいってなくってちょっと困ってたんですけど、俺のお母さんのお姉さんがそういうのが得意らしいので今度教わりに行くことになってます」
「へえ、それはすごいね。
秦君が教わってみてコスプレを作るのによさそうなら私にも教えてもらえるように紹介してもらえないかな?」
白檮山さんの言葉に俺はうなずく。
「ええ、いいですよ。
俺だけコスプレが完成して白檮山さんが完成しないのは本末転倒ですしね」
俺の言葉に白檮山さんは苦笑しながら言った。
「まあ、言い出しっぺがコスプレを作れないのはないよね」
そして俺たちの会話を聞いていた新發田さんはうらやましそうに言った。
「コスプレですか……楽しそうだけど私はかわいくないですし衣装を着ても似合わないですよね」
それに対して俺はいやいやと首を横に振る。
「新發田さんは十分かわいいし、栗花落カナオのコスプレとかなら似合うんじゃないかな?
そういえば栗花落のよみってつゆ,つゆり,つゆいり,つゆおちなんかがあるけど。そのうちのどれが正しい読み方のか示されてなかったっけ?」
俺がそういうと新發田さんは一瞬きょとんとした後で顔を真っ赤にして言った。
「わ、私がかわいいですか……栗花落のよみは”つゆり”のはずですね」
そして白檮山さんは苦笑しながら言った。
「おうおう、そういうことをサラッと真顔でいうから秦君は秦君なんだよねぇ。
まあ、実際まゆちゃんはかわいいと私も思うよ」
「そ、そうですか。
白檮山さんにそのように言ってもらえると自信が付きます」
新發田さんがそういうと白檮山さんはいたずらっぽく笑いながら言った。
「え、じゃあ、まゆちゃんもコスプレしちゃう?」
「それはちょっと……。
今は小説や漫画を描くのでいっぱいいっぱいですし」
白檮山さんはそれを聞いて苦笑しつついう。
「あー、それもそうだよね。
でも、気が変わったらいつでも私か秦君に言ってくれればコスプレ仲間に入れてあげるからね」
「あ、はい、わかりました」
そして上がりの時間が来たので家路についた俺はさっそく文ちゃんへメッセージを送ってみる。
『文ちゃん、明日だけど西船橋駅の改札口で10時半に待ち合わせでいいかな?』
『うん、僕はそれでいいよ。
すっごく楽しみにしてるからね』
『了解、なるべく期待に沿えるように頑張るよ』
というわけで翌日のバイトで開店準備を行い、白檮山さんが来たらバトンタッチして俺は西船橋駅に向かった。
15分前の10時15分には到着できたし、今日は準備万全だな。
しかし文ちゃんはすでに改札前に到着していた。
「あ、文ちゃん、おはよう。
もしかして結構待ったかな?」
俺がそういうと文ちゃんフフッと笑って言った。
「ううん、僕もさっきついたばかりだよ。
15分前行動は基本でしょ?」
「ああ、ちょっと余裕を見て行動するには15分前行動とかにはなるよな。
じゃあ、行こうか」
「うん、いこっ」
俺たちは東葉高速鉄道に乗り電車に揺られて、八千代緑が丘にある京成バラ園へ向かった。
電車はさほど混んでおらず隣に座っている文ちゃんは上機嫌で俺に聞いてきた。
「うーん、楽しみだね。
でもなんで今日はバラ園なのかな?」
文ちゃんの質問に俺は答える。
「そうだね。
バラ園を選んだのはあんまり金がかからなくて人も多くなくて文ちゃんがリラックスできそうな場所だからかな。
買い物だと相応にお金が必要になるし、遊園地とかテーマパークのように入場料やパスポートにお金がかかって、さらにアトラクションで待ち時間が長くて、人も多い場所より、適度に体を動かせてゆっくり過ごせる場所のほうがいいかなと思ったんだよね」
あとは他の女の子とデートした場所や行動圏内と被らなそうな場所でもあるし。
「ふうん、さすがあっちゃんはいろいろ考えてるんだね。
たしかにお金があんまりかからなくて人が少なめのほうが僕的にはいいし」
電車に乗って15分くらいでバラ園の最寄り駅に到着したのでそこで降りる。
そして俺は文ちゃんに聞いた。
「駅からバラ園までは徒歩で15分くらいのはずだし、今日は天気も良くも悪くもない感じだから歩いて行ってもいいと思うけど、バスに乗っていく?」
俺の言葉に文ちゃんは少し考えてから答えた
「うーんと15分ならのんびり歩いてもいいかな?
バス料金はそんな高くないと思うけど、それを浮かせばジュース一本とか飲み物一杯分くらいは買えるだろうし」
俺はコクっとうなずく。
「じゃあ、バラ園まではのんびりあるいて行くとしようか」
「うん」
というわけで俺たちは、八代緑が丘駅からバラ園目指しててくてく歩きはじめながらおしゃべりを続けた。
「うん、でも今日は雨が降ったり風が強かったりみたいに、天気が悪くなくて、よかったよ」
文ちゃんの言葉に俺はうなずきながら答える。
「たしかに。
いまは梅雨時だからそこまで暑くはならないにしても、雨が降らないでよかったよな。
バラは5月から6月と10月から11月ぐらいがピークだけど春は一番バラが多く咲いて今は遅咲きのバラが色とりどりに咲き始めて美しい時期なはずなのに強い風が吹いてたらだいなしになりそうでもあるし」
「そうそう今ってバラの花がいっぱい咲いてるトップオブピークの季節なんだよね」
「そうそう、原種バラやつるバラなんかに関してのピークは過ぎてるとは思うけど、四季バラとかは今が見ごろだと思う。
だからちょうどいいかなっていうのもあるんだよね。
もちろんバラ以外にも今はアジサイやユリの花が見ごろなはずだし。
仮に今が四季バラなんかが咲かない冬でも山茶花や椿、牡丹なんかが咲いてるはすだし、温室もあるから」
「うん、本当に楽しみだね」
そんな話をしながら歩いていたらバラ園に到着した。
「あ、文ちゃんちょっと待ってて」
俺はそういうと入り口付近にあるベーカリーショップであるものを買った。
「ごめん、待たたね。
じゃあ、さっそく中に入いろうぜ」
「うん、行こう」
入園料を払って中に入ると、中には色とりどりのバラが咲き誇っている。
そしてあたりにはバラのとても甘い香りが漂っている。
「うわあ、なんだかすっごく甘い香りがするね」
「この辺りにはダマスク系のバラが多いらしいからね」
「ああ、ダマスク系のバラを集めてバラのにおいが強くなるようにしてるんだ」
バラには大きく分けてヨーロッパ系のダマスクと、中国系のティーがある。
ダマスクは華やかでコクのある甘さがあるが、ティーの場合はグリーン・バイオレット、いわゆるスミレの香りに近く、その香りも弱めなものが多いらしい。
「いかにもバラ園らしい工夫だよね」
「そうだね。
このバラ園は関東では最大級で園の中では1万株の約1600品種のバラが栽培されてるらしい。
といっても岐阜には3万株の約7000品種のバラが栽培されている世界最大級のバラ園があったりするけどね。
まあ、たくさん品種があっても細かい品種の見分けがつくのはよほどのバラマニアだけだと思うけど」
俺がそういうと文ちゃんは笑って言った。
「まあ、観葉植物でもランとかバラとか菊とかのマニアはすごいからね」
「そうだよな。
まあ、バラの品種がどうとかがわからなくても綺麗だな、いい香りだなということが分かれば十分楽しめるけどな
「そうだよね」
やがてバラがトンネル状のアーチ伝いに咲き誇る場所に通りかかる。
「バラ園ではこう言った大型の橋や棚、あとは西洋東屋のような、巻き付いたつるバラの花が咲いている景色を、下から見ることができる設備があるのがいいんだよな。
やっぱり自宅では、なかなか難しいですから。
まあバラの栽培自体は思われているほど難しくないみたいだけど」
「確かにそれはそうだよね。
入り口に薔薇の小さな橋がある家とかはたまに見るけど」
「で、無数のバラが咲き、薔薇の甘い香りが漂う橋や棚などの下を通り抜けることができるのが、トップオブピークこの季節ならではのバラ園のいいところさ」
「確かにすっごい濃密なバラの香りがするね。
うん、これはちょっとお姫様気分を感じるよ」
「実際に大規模にバラの色と香りを楽しめる場所というのは案外少ないしな。
まあ谷津にも小さなバラ園はあるけど、そっちは飲食できる場所や売店もないしね。
それにトップオブピークも終りに近い梅雨時ならの、人もそこまでは多くないとおもったし」
「確かに、人はあんまり多くないね。
うん、あっちゃんはいろいろ考えてるよね」
文ちゃんの言葉に俺は答えるべくいう。
「まあ、この前の文化祭二日目ははちょっと無神経すぎたからその挽回のためにも喜んでくれるために、どうすればいいか考えるのは当然だよ?」
「えー、あっちゃんなんでそんなことをサラッと、言えちゃうかな?」
「え、これくらい普通じゃない?」
「うーん、高校一年生の男の子でそういうことを言えるのは、多分普通じゃないと思うよ」
まあ、確かに普通じゃないかもしれない。
「そろそろ昼時だし、一時間くらいは歩いたからちょっと疲れただろうし、カフェで昼食でも取ろうか」
「うん、そうだね。
ちょっと疲れちゃった」
「まあ、この中にはレストランもあるけど、そっちだと、一品で2000円から3000円くらいするからちょっと予算的にきついし………」
「そりゃあ、お昼ご飯で一品2000円から3000円はちょっと無理でしょ」
「まあ、今回のデートに遊園地とかテーマパークといった場所を選ばなかったのは、そういう食費とかが多くかかるというのもあったんだよね」
「たしかにTDSとかだとめちゃくちゃ高いもんね」
そんなことを話している間に、俺たちはバラ園を見渡せる小高い場所にある、カフェテリアに到着した。
パラソルのついたテーブルとチェアがあるオープンテラス席が結構広い。
今の季節だとオープンテラスで周囲に赤、白、黒、黄色、ピンクなどのバラが咲いてる様子を眺めながら、のんびりお食事ができるみたい。
「ここの売りはバラ園だけあっって、バラの花を使ったジャムとバラを使ったローズティ、あとはバラのソフトクリームなんかだね。
まあバラ尽くしの食事っていうのもたまにはいいんじゃないかな」
俺がそういうと文ちゃんはコクっとうなずいた。
「なるほど、じゃあせっかくだからそれを頼んでみようかな?」
そして、カフェテリアでウエイターとして出迎えてくれたのは、若い執事の格好をした男性。
「おかえりなさいませ、お嬢様、お坊ちゃま」
「あ、え、ええと、ただいま?」
「執事。
お嬢様を席にご案内してもらえるかな?」
執事に声をかけられて、文ちゃんがわたわたしている様子に俺はくすっと笑う。
そして、執事がまたもや俺たちに声をかける。
「では、お二方、こちらへどうぞ」
俺たちは執事のエスコートで席に案内される。
そして文ちゃんが席に着こうとすると、執事がすっと静かに椅子を引いて、さらに、膝にナプキンを掛けている。
そしてさらに慣れた手つきで水を俺たち二人のグラスにサーブしてくれた。
「御用の際はこちらをお使いください」
テーブルの上には、執事を呼ぶハンドベル、そのほかには上品な小ぶりな器に入ったバラもおかれていた。
そして執事がメニューを置くと一礼する。
「では、ごゆっくりどうぞ」
俺達はいっぱい種類が書いてあるメニューを見ていたが、文ちゃんが聞いてきた・
「ローズティの中でも、ローズペタルティ、ローズリーフティ、ローズヒップティ、ローズブレンドティってあるみたいだけど………何が違うのかな?」
その質問には執事が回答する。
「ローズペタルはバラの花びらを乾燥させたもので、ローズリーフはその名前の通りバラの葉を乾燥させたもの、ローズヒップは野ばらが咲いた後にできる果実を乾燥させたものですね。
ローズブレンドは紅茶にバラの花びらをブレンドし、一定期間置いて、バラの香りを茶葉に移しその香りを楽しむものです」
「うーん、さすが執事。
回答が速くて完璧」
「へえ、そうなんだ。
バラのお茶といっても種類がたくさんあるんだね。
ところで執事さんはどれがおすすめですか?」
「そうですね。
ローズ系の味に慣れていないうちは、ブレンドのほうが飲みやすいとは思いますが、せっかくなのでローズペタルを飲んでみるのがいいかなと思いますよ」
「ふむふむ、じゃあそうするね。
秦君はどうするの?」
「俺は文ちゃんさんが頼むものと同じでいいよ」
「了解」
おれは執事を呼ぶハンドベルを”チリリン”と鳴らす。
「お決まりですか?」
そう聞かれたので俺はオーダーを告げる。
「うん。
ローズペタルを二つとバラのジャムのロールパン2つ、あと食後にバラのソフトクリーム2つで」
「かしこまりました、では少々お待ちくださいませ」
少ししてお茶とパンが運ばれてきた。
カップで運ばれてくるのかと思ったらお茶はティーポットで来て、執事がカップに注いでくれる。
「ん、おいしい」
「確かに思っていたよりすっとまろやかな味だな」
紅茶にはある渋みが全然ないマイルドな味だからこっちのほうが飲みやすいんじゃないか?。
「光栄です、お嬢様、お坊ちゃま」
それからロールパンにバラのジャムを塗って食べてみる。
ちなみに色はイチゴジャムかと思うような、ルビー色。
「これもおいしい。
ふんわりとバラの香りがするけど、林檎とかレモンの味がするような?」
文ちゃんがそういうと執事が答えてくれた。
「バラのジャムはそれだけだと固まらないので、ペクチンの含まれている林檎を加えるんです。
量販のモノは、リンゴジャムにチョッピリだけバラの花びらを入れて、バラの香料を加えているものも多いですが当園ではたっぷりバラの花を入れております。
そしてレモンの汁を加えるのは本来、赤い色を付けるためですが、酸味を加えることでジャムの甘さを引き立たせる効果もあるようです」
「そ、そうなんだ」
「やっぱりいろいろ本格的なんだな」
そして食後のバラのソフトクリームも来た。
ちょっとずつなめてみるとバラの香りと優しい甘いミルクの風味がするな。
しかしそんな楽しい間はあっという間に過ぎた。
「お二方、そろそろお出かけの時間でございます」
執事が伝票をもってテーブルにやってきた。
「あ、はい、どうもありがとうございました」
「いろいろありがとう」
「いえいえ」
代金を清算して、俺たちたちはカフェテリアを出た。
「もう、執事が出迎えてくれるなんて、一言とも言ってなかったからびっくりした」
私がそういうと清水君はいたずらっぽく笑った。
「何でもかんでも先に言ってしまっては、サプライズにらないしね。
ここはほかにもアリスのティーパーティ風イベントや近くの乗馬クラブと提携したベルサイユのばら風イベントなんかも行われていたいたりするらしいね。
でも、楽しかったでしょう?」
「う、うん、すっごく楽しかった。
そうなんだ、それも面白そうかも」
「ん、楽しんでもららえたならなにより。
じゃあ、腹も膨れて疲れも取れたところで、もう少し見て回ろうか」
「うん」
俺は文ちゃんの手を取って歩き出し、バラ園のなかを見て回った。
そして一番奥の、自然風庭園エリアに入る。
「自然風庭園はイギリス様式で、小川や池などもなるべく自然に近い形で配置をしてあるのが特徴だけど今の季節だとアジサイとかが見ごろだな」
「バラ園なのにほかの花もいろいろあるんだね」
「バラの花だけだとどうしても開花時期の偏りが大きいし冬でも山茶花や椿、牡丹なんかは見れるみたいだ。
今の時期だとユリも綺麗に咲いてるな」
と、そういった後で、
「され、少し歩き疲れたし、あそこで少し休もうか」
俺が指さしたのは西洋東屋。
「うん、そうだね。
ちょっと休みたいかな」
西洋東屋まで歩いていき、その中に入って備え付けのベンチに二人で座る。
「なんだかんだで食事後も1時間くらいは歩たとおもうけど、足は大丈夫?」
「うん、全然大丈夫だよ。
今日は歩くってわかってたからスニーカーだし。
そんなに時間がたっていたなんて思わなかった」
「まあ、楽しい時間はあっという間に過ぎるし、ここはどこも薔薇だらけだからな」
そして俺は入り口にベーカリーでかった青いものが入った瓶を文ちゃんに差し出しながら言う。
「文ちゃんこれを受け取ってもらえるかな?」
「う、うん、いいけど、これはいったい何だろう?」
「ああ、これは青バラのジャムだよ。
青いバラの花びらにタイのハーブであるアンチャンと林檎を混ぜて作ってあるもので珍しいでしょ」
「青いバラのジャム?」
「そう。
そして、青バラの花言葉は ”奇跡”や”神の祝福”さ」
文ちゃんは前には悲惨なことになったが今はそうではない。
文ちゃんは顔は真っ赤にして受け取ってくれた。
「あ、ありがとう………ね。
僕、すっごくうれしいよ」
「最後に売店で雑貨やアクセサリー、ローズウォーターろ過でも見ていこうか」
「うん」
そんな感じで文ちゃんの機嫌はすっかり直ってデートは成功だったと思う。
家に帰ってしばらくぼーっとしていたら文ちゃんからメッセージが届いた。
『今日は本当に楽しかったよ。
ありがとうね』
『いやいや、大したことはしてないよ
あ、そろそろ期末テスト対策の勉強しないといけないけどまた教えてくれるかな?』
『もちろんいいよ』
クリア
今週土曜日:文ちゃんとバラ園でデート
予定
今週日曜日:剛力君と買い物
6月25日:広瀬君の誕生日
来週日曜日:皐月おばさん&弥生ちゃんに洋裁を教わる
未定:西梅枝さんと買い物
7月10日:東雲さん誕生日
7月21日:新發田さんと小規模同人イベントに参加
7月29日:西梅枝さんとホタル観賞
8月1・2・3日:文ちゃんと海
8月5・6・7・8日:九重さんと山でキャンプ
8月10日:文ちゃんの誕生日
8月のお盆:白檮山さんとコミケ1日目2日目に参加
8月20日:中垣内とプールデート
8月23日:南木さんと水族館デート
8月26・27日:弥生ちゃんとTDR
7月末と8月末:東雲さんと宿題