龍神教団 4
投稿いたします。
詰め所の入り口前に着いた僕は、木の柱が2本簡単に立っている門の所から慎重に中の様子を伺う。
人影は見当たらない。
門の所には今、入場の検閲を行っている兵士が3人見える。この兵士達は、先程、馬車が入って来た時から検閲を続けているので、直接的な関りはないだろう。
すると僕があの時見た兵士は他に居るはず・・・・
辺りを慎重に見渡すが、その時に見た兵士がやっぱり見当たらない。と言う事は、詰め所の建物の中だろう。
僕は、詰め所の入り口を潜り、建物へと近づく。
建物は、丸太をそのまま加工して積み重ねた作りで、結構頑丈そうだ。
建物の入り口は直ぐ分かったけど、簡単に入るわけにもいかないので、建物周りを一周してみた。
すると、人が一人、入れそうな小窓を発見。木戸の窓が半分上がっているので中の様子がうかがえるかもしれない。
僕は、慎重に窓の下まで駆け寄ると、ゆっくりと頭を上げる。
先ずは、声が聞こえるか耳を澄ますと、中から人の声が聞こえて来た。
「・・・・うけだな」
「そうだな。これだから検閲の役は辞められなねぇよな」
「確かに、密航者、犯罪者からの通行料、貴族の密輸、いやぁ~色々稼がせてもらっているぜ」
「他の奴らには絶対に漏らすなよ?」
「分かっているって。だいたい、この帝国は固いのだよな。これくらいの犯罪目をつぶりゃ良いのに、すぐ摘発だ! ってうるせぇからな」
「でも、さっき依頼してきた貴族みたいなのがこういうお堅い国にも居るんだよな」
「そのおかげで、俺らも甘い汁をいただけるんだ、良い事じゃねぇか」
・・・・さっきの依頼? 貴族? クルルの事か?!
「でも、さっきのガキ、案外体も成長してたな」
「ああ、あれなら、貴族の奴らも喜んで買うだろうぜ」
「でも、依頼主は、あのルーデフィスタ侯爵の縁者だろ?」
「そうだな、あの侯爵家の者はちょっとやばいからな。あれにさらわれた女、子供は数多くいるって聞いた事がある。その殆どが闇の中に消えて、二度と日の当たる場所に出られないって話だからな」
「どうも、やばい宗教団体とつるんでるって話らしいぞ」
「ああ、あれだろ? 龍神教団とかいう、それこそ闇の教団だろ?」
「あの、異界大戦で封じられた邪龍を復活しようと考えてる、だったか?」
「案外、さらった子供を生贄にしていたりしてな・・・・」
二人の男は、テーブルに向かい合い、自分達が話していた事の内容に身震いする。
「や、やめておこうぜ。こんな話誰かに聞かれたら俺達が消されちまわねぇか?」
「だな。俺達は言われた通りして、小銭を貰えればそれで良い」
二人の男はそのまま沈黙してしまう。
よし、情報としては十分だな。しかし、帝国の兵士の中でもこんな闇に手を染める者が居るんだな。
「後で、サリダとルーフィに伝えとかないといけないな」
僕は、取り敢えず今は騒ぎにしたくなかったので、この男達は無視し、一旦レノアの所に戻る事にした。
・・・・・・・・・
「あ、フェル殿、お帰りなさいませ。お怪我はありませんでしたか?」
相変わらずレノアは丁寧な言葉で僕を迎えてくれた。
「大丈夫だよ。それよりクルルをさらった人物が浮かんできたよ」
「そ、それは、本当でございますか!?」
冷静は装っているけど、やっぱりレノアってクルルの事が気が気でないんだろうな。
「犯人は、グァズベルド先生か、レバイディ君かどちらかは分からないけど、ルーデフィスタ侯爵家の縁のある者で間違いないだろうね。
「そうと決まれば、ルーデフィスタ家に乗り込みましょう!」
「落ち着いて、レノア。焦らず進めるよ? 奴らだって馬鹿じゃないのだから警備だっているだろうし、ここはもう少し暗くなってからにしょう」
僕も一刻も早く、クルルを助けたいが、まだ夕方には少し間があるからな。暗くなるのを待とう
「クルル、必ず助けるから、もう少しの辛抱だよ」
読んでいただきありがとうございます。




