模擬戦 7
ルーフィ救出は?
手を離せない僕は、顔だけ上げ横へ向くと、心配そうに僕を見る、クルルにレノア、ファーナにルールディ先生、それとゴルド・・・
「ファーナ! ゴルド抹殺!!」
「へ?」
「!? はっ、はい!!」
ドッゴッ!!
「ぐぇ!」
腹に一発、腰の入ったファーナの鉄拳が砂の詰まった麻袋を思いっきり叩き込み破れて中身が出てしまったような状態にゴルドがなっていた。
「あ、危なかった。ルーフィに顔向けけが出来なくなるところだった」
「そ、そりゃ・ない・ぜ・・」
すまん! ゴルド! 君の死は無駄にしないぞ!
「お兄ちゃん、馬鹿やっている場合じゃないんでしょ!?」
「あ! そうだった。皆、どうして逃げなかったの?」
「そんなの当たり前じゃない。お兄ちゃんは私達の大事なお友達だもの、独りで頑張らなくてもいつでも助けてあげるもの!」
真剣な眼差しで、僕に訴えかけるクルル。
「私も誓いましたよ? フェル殿をお守りすると? ですから来たのです」
「みんなフェル様が好きなのですわ。いつでもお力になりたいと思っているのですわ」
「お、おう、お・俺も・・だぜ・・」
生きていたのか。しぶとい。でも嬉しいよ。
「皆! ありがう! 是非助けてほしいんだ!」
「そうこなくっちゃ! で、どうしたら良いの?」
「皆で、僕の後ろに回って、背中に手を当てて魔力を送ってほしいんだ。分かる?」
「うん、たぶん大丈夫だと思うよ」
「私も大丈夫です」
「私も大丈夫ですわよ」
「お・俺も・・」
ゴルド、いい加減起きてくれ。
「ありがとう! それとルールディ先生!」
「は、はい! フェル様」
「先生は、僕のサポートとして一緒に魔力制御お願いします。どうにも一人では処理しきれないので」
「分かったわ! フェル様の魔力に同調してみせるわ」
「ありがとうございます。それじゃ所定の位置について!」
僕の合図に、皆がそれぞれのポジションに立つと、一斉に頷いてくれた。
「お兄ちゃん! 良いよ!」
「おう! じゃあお願い!」
「「「「「はい!!」」」」」
今、皆の気持ちが一緒になった。これなら大丈夫。
僕は、先程と同じようにルーフィの胸に唇を当て、体の奥へとその意識を潜らせていった。
・・・・・良し! さっきより断然良い! 先ずレバイディの悪質な魔力を浄化する。本来治癒や浄化系は光属性が持つ者とされていたけど、今回は、浄化というより悪質なレバイディの魔力をルーフィの魔力から引き剥がせれば良い。その為には大量の魔力でルーフィの魔力の本流に同調して攻撃すれば良い。
僕はルーフィの魔力の本流を探す。入り乱れ指向性の無くなった魔力の流れを一つずつ確認する。
それにしても、これだけ乱れているのに、良く精神力を保っていられる。普通ならとっくに精神が崩壊して自我を保てなくなっていてもおかしく無いのに。
それにしても、魔力の流れが複雑すぎる、本流の様な大きな流れが幾つも存在して、見極めるのに時間が掛かり過ぎる!
くっそ! どこだ?! ルーフィ! 君は今どこにいる!!
僕は意識をさらにルーフィの奥へと集中して飛ばす。
ルーフィ! ルーフィ! ルーフィ!!
『た・・・・・たす・け・・』
『!? ルーフィなのか?』
『・・・・・フェル・・・・・』
あっちか!
僕は、声が聞こえたと思った方へと自分の意識を向けた。さらに奥へと進めるが、それに比例して悪意の感じる魔力が僕の邪魔をする。
どけ!
僕は慎重に、でもなるべく早く、悪意を避け、潜っていく。
「?! あ、あれか!?」
ようやく、遠くに白く輝く、でも小さな光が見えた。
あれがルーフィの本流の中心。でも弱くなっている。このままじゃ!
必死になって手を伸ばす。けれどレバイディの魔力が行く手を邪魔する。
もう少しなのに! 届かない!!
『お兄ちゃん!!』
『クルル?』
『今、私の魔力を送るから、それに乗って!!』
クルルの言葉の直後、物凄い圧力が後ろから迫って来る。
これか!?
ググゥオオオオオオ
一瞬で僕は飲み込まれそのまま光の中心へと押しやられる。でも不安は無い。クルルの優しい気持ちが伝わってくる。
ありがとう!
みるみる近づく小さな光。僕はそれに手をいっぱいに伸ばす。
あと、少し!
届いた!!
『・・・・・・・・フェル・・・・・あ、りがとう』
その瞬間光は大きく膨れ上がり、それはルーフィの姿へと変わっていく。
僕は、抱きしめた。ルーフィも抱きしめ返してくれた。
光はさらに膨れ上がり、僕達を包み込むと一気に外へと流れだす。
『ぐぅおおおおお、お、おのれ~!!!』
断末魔の様な声が聞こえた気がした。
読んでいただきありがとうございます。
是非、次回も来てください。




