測定会 6
測定はまだまだ続きますよ。
続いて、クルルだ。
「お兄ちゃん! 行ってきます!」
「おう! 頑張って!」
パタパタと小走りに走っていく。うん相変わらず水色の髪がパタパタと動いて、面白いな。
「クルル様、頑張って下さい」
一方、レノアは胸元で手を握りしめて心配そうにクルルの後ろ姿にエールを送っていた。
「レノア、君が緊張してもしょうがないよ?」
「で、でも、クルル様に何かあったら私は・・・」
「それは、無いって」
唯の測定で何かあったらまずいでしょ?
お、クルルの測定が始まった。うん緊張とかしてないようだな。
ファーナの時と同じ様に手元が光出し、その光が魔道具の中を巡りだす。
「魔晶石の中に黒い点が現れた・・え? ドンドン大きくなる・・」
パキン!
ガラスが割れるような乾いた破裂音が響いたと思ったら、箱の中の魔晶石が真っ二つに割れてしまった。
一瞬静けさが、建物内を支配した。
「や、やあね! この魔道具、古かったのかしら?」
慌てる職員さんが、あたふたと壊れた魔道具を抱え、奥の倉庫みたいなところに入って行った。
その間、涙目になったクルルがこちらを見て何か訴えかけているが、言葉にならないみたいだ。
「だ、大丈夫だからね。クルルそのまま待っているんだよ」
僕が声を掛けると、ブンブン首を縦に振ってこたえてくれた。
「クルル様、立派になられて・・・」
何故か、クルルが涙をふく姿にキラキラした目で見つめるレノアだった。
「ご、ごめんなさいね。こっちの新品の魔導具替えたから、もう大丈夫よ」
「あ、あの、これって弁償でしょうか?」
「ああ、だ、大丈夫よ。学校の備品は全て国家予算で賄っているし、魔道具もいつかは壊れるから、その予算もとっているの。故意じゃなければ請求する事はないのよ」
「そうですか。よかったあ~」
「じゃ、もう一度お願いできるかしら?」
「はい!」
お、クルルの測定、再開するみたいだ。
同じ様に棒を握って、光が出て魔道具の中を巡回して、魔晶石の中に黒い塊が・・・・・
パキン!
「え?」
「え?」
「はい?」
「クルル様?」
また、割れた・・・
放心状態の職員さんと、今度こそ大粒の涙をボロボロ流しながら、僕の方を見つめてくるクルルだった。
「レ、レノア! 早くクルルの所に・・・え?」
レノアが、青ざめた顔のまま気絶していた。
やれやれ、普段あれだけ冷静で感情が表に出ないのに、クルルの事になるとどうも感情の制御ができないみたいだ。
取りあえず、僕とルールディ先生がクルルの所にいって、職員さんに事情を聞きに行くことになった。
結果、クルルは 魔力魂の数値が100越えとなり、今すぐ戦姫クラスの戦士とパートナーが組める、魔導士レベルだという事がわかった。
クルル、凄いぞ!
ちなみに故意じゃないので弁償もしなくていいそうだ。ただ、担当職員さんの後ろで上司の様な人が顔面蒼白になっているのが見えたけど、気付かなかった事にしておこう。
「スーハー、スーハ―・・」
おい、ゴルド、お前まだ深呼吸しているのか?
読んでいただきありがとうございます。
今回は少し少な目で申し訳ありません。




