1年E組 7
そうだ朝ごはんを食べにいこう!
「申し訳ない! とんだ早とちりだった!」
テーブルに頭を擦り付けて平謝りのゴルド。まあ疑いが晴れたのでもうどうでもいいのだけど。
「そうよ、フェルがそんな大胆な事する訳ないじゃない。本当はして欲しいけど・・」
「アルーラ、ややこしくなるから、ちょっと黙ってようね?」
「ブー」
そんな、ふくれ面しても可愛いから止めてね。
「それにしても、この女が姫さんだなんて、全然判らねぇや」
「ねぇ、それって馬鹿にしている?」
「いや、姫さんっぽくなくて好感が持てるぜ」
親指を立てて、とっても良いアピールするゴルド。案外この男、大物だった。アルーラがフィーレフューナス王国の王女だと知っても、緊張する訳でもなく普通に接している。カルファーナ嬢とは、正反対の反応だった。
「それにしてもフェル、お前凄いな! 平民でしかも親に殺されかけたところから這い上がって、姫さんを嫁さんに貰うほど頑張ったんだな! 俺も頑張れば貴族にでもなれる気がして来たぜ!」
カルファーナ嬢もそうだけど、ゴルドも昨日、ルールディ先生に僕の過去の事を聞いて、感動した口らしい。別に僕が凄いわけじゃないのにね。
でもそのおかげで、カルファーナ嬢やゴルドとも仲直り出来たかので良かったよ。
「あれ? ゴルドって貴族が嫌いじゃなかったの?」
「あ? ああ、嫌いだぜ。だから貴族になるんだよ。そして平民を道具にしか思っていないような連中を片っ端から叩きのめしてやるんだ!」
「え? じゃあカルファーナさんも叩きのめすの?」
「いや、あの女はなかなか見込みがある奴だからな、問題無い!」
何が問題無いのか知らないけど、ゴルドにとっては好感を持てる貴族みたいなので、仲良く出来そうで何よりだよ。
「あ、フェル様、アルーラ様、おはようございますわ」
学生寮の食堂で、僕とアルーラ、そしてゴルドの3人で、朝食を取りながら雑談していると、そこへ話をしていたカルファーナ嬢が近づいて来た。
「おはよう」
「カルファーナ、おはよう」
「お、なんだお前か」
「お、お前とは、なんですの! あなたも一応はラグスウィル育成学校の生徒なんですからもっと上品な言葉が喋れないのですか?!」
「へっ! 言葉が変わったって、人間性が変わる訳でもないだろ?」
「言葉というのは、発するだけで力を持つものなのですわ! 魔導士の端くれならお判りではなくて?」
「はっ! そんなの知らねえや! 魔導は気合いだろ?! ここ、ここが強い奴が強いんだ!」
ゴルドは、ドンドンと胸を叩きながら威張ってみせる。
つまり心だと言いたいのだろう。
「フェル、面白い友達が出来たわね?」
「うん、僕もそう思うよ」
「「誰が、面白いですって!?」だって!?」
二人が同時に、噛みついて来た。
案外、この二人仲良くなるかも?
「まあ、まあ、それより早く朝食、終わらせないと授業始まっちゃうよ?」
「そ、そうでしたわ! ゴルドンさん、もうちょっとあっちに行って下さいまし」
「はあ? あんたがあっちで食べればいいんだろ? それに俺の名は、ゴルドランだ!」
「あら? そうでした? 下品な男の名前は覚えにくくていけませんわね」
「誰が下品だ!」
「あなたに決まってますでしょ?」
前言撤回だな、これは?
「フェル、あ~ん」
いきなり脈略も無く、アルーラが、僕の口元にスープを掬ったスプーンを差し出してきた。
「アルーラ、自分で食べられるから!」
「駄目だよ、授業中はあんまり会えないんだから、朝ぐらい良いじゃない」
何が良いんだ?
「そ、それにほら、カルファーナさんとゴルドの仲裁に入らないと・・」
「大丈夫よ、私達とはちょっと違うじゃれ合いよ」
「「誰が、じゃれ合っている、って!?」というのです!?」
「ほら、息ピッタリ」
「「!!??」」
そうなのか? って、スプーンをグイグイ押し込んで来ないで!
え~い! 仕方ない!
パク!
「えへへ、美味しい?」
「う、うん・・」
う、か、可愛いい・・・・けど、こんな朝が毎日続くのかと思うとちょっと憂鬱な気持ちになってしまいそうだよ。
後で、ゴルドに聞いたんだけど、僕達を遠巻きに見ていた人だかりの中で、こっちを物凄い殺気で見ていた男子生徒がいたらしい。
たぶん、レバイディ・ルーデフィスタ君だろうな。
何かしてこなきゃいいのだけど・・・・
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