入学 1
新章、入学スタートいたします。
連合共立魔戦育成学校・ラグスウィル校。
ここは、吸血鬼族の国家、ラグスウィル帝国の帝都ウィルフィスの地に魔導士と戦士を育成する目的で設立された魔戦育成学校のラグスウィル校があった。
これと同じ学校があと1か所、魔人族の国、デフィルファーブス魔国に在る。
戦士と魔導士を目指す全ての者がこのどちらかの学校を目指すのだが、その入学資格は難しく一般応募での場合、幾つかの予選試験をくぐり抜け、それに合格したものだけが、ようやく入学資格を手にする事ができる。
その為か入学出来ただけで、エリートと思われる風潮もあるようだ。
「じゃあ、入学出来なかった人はどうなるの?」
「それは、また来年試験を受け直す人もいれば、ギルドに入会して実地での経験を積んで、鍛える人もいるそうよ。ただ魔導士の場合は師事する人がいないとなかなか上達出来ないから、弟子になる人も多いみたい」
「そうなんだ」
僕は、明日からの育成学校についての解説をアルーラから聞いていた。
それまでにも、基本的な事は色々聞いてた。
学校の運営は、7大強国が全面出資する公的機関に属する施設だとか、5年間の就学を全ての学生が寮で共に過ごす全寮制だとか、全てを修了し卒業出来れば、それだけでB級ライセンスを持つことが出来るとかだ。
ただ、今日はこの帝都ウィルフィスの街を散策しながら、アルーラに学校の事やこの国の事、街の事を色々教わっていた。
さすが300年程たった未来だ。ここまで人類は復興し繁栄を築きあげる事ができたんだ。
僕は少しだけ、自分を褒めてあげても良いのかもと思えた。
神様も自己中で良いと言われたしそれぐらい思っても罰は当たらないかな?
「ねぇ、フェル。次、どこ行こうか?」
街の中心にある噴水広場のベンチに座って話をする僕とアルーラ。
「別に、この街の事、全然知らないからなぁ、そうだアルーラは行きたいところないの?」
「私? う~ん、そうだなぁ、フェルが行くところ? なんてね。てへ」
か、可愛いい!
「フェル、どうかした?」
「あ? うん! な、何でもないよ!」
い、いかん、いかん! 精神年齢では僕の方が上なのに! これでは威厳が!
と、とにかく落ち着け~俺!
「そ、そうだ、帝都のお城を見てみたいな」
「お城? う~ん私はたまに来させてもらうから、見慣れてるけど、フェルは初めてだもんね? 300年前はどうっだったの?」
この子は本当に、なんと言うか良い意味で考えないよな。
なんでも無いように僕が300年前に死んでその記憶を持ったまま、転生したという事を受け入れているんだよな。
それがありがたかった。
「そうだね。その頃は戦争で、どの国の主要都市は壊滅状態だったからな、こんなに綺麗な街並みを見るのは初めてかもしれないな」
「そうなんだ、何か可哀そうだね。よし! 私がちゃんと案内してあげる。行こう!」
アルーラは立ち上がると、僕の手を引っ張て前を歩き出した。
それから少しの間、僕とアルーラは手を繋ぎながら街の中央大通りを歩いていた。
色々な人種の人が行きかい、活気に満ち溢れていた。
「あ~、もうこのフード邪魔だよね? 天気も良いのにこれじゃ周りが見えにくくて楽しさ半減だよ。いっその事脱いじゃおうか?」
そう言ったかと思ったら目深に被ったフードに手を掛けそれを取ろうとするから、僕は慌ててそれを防ぐ。
「ちょ、ちょっとアルーラ! 顔が見えちゃうよ! あくまでもお忍びなんだからね」
僕の制止にちょっと不服そうな顔をする。
「ブーブー! フェル真面目!」
何んと言われようとこればかりは譲れないよ。一国の王女がひょいひょい街中を歩いているなんて知れたら大変な事になるんだから。
なんて事もありながら、僕達はウィルフィス城の前にある大広場にやって来た。
「す、凄い広さ、どれだけあるんだ?」
「そうね、ちょっとした小さな村ならすっぽり入るくらいはあるわね。それにしてもいつ見ても無駄に広いわ。それにこの馬鹿でかい白い塔、120フィーダはあると言われてるのよね。それもただの塔で何の機能も無いっていうんだからどれだけ無駄なのよってね」
呆れた顔で、白い塔を見上げるアルーラ。
確かに普通の大人の男性が1.7フィーダが平均だから、どれだけ高いんだ?
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