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平穏な日 18

平穏な日編最終です。

「それはじゃあお願いするとして、ラリーアの寿命の事だけど・・」

「はぁ~、神様もいい加減な事をいいますね。そんな言い方じゃ明日にでも死にそうじゃないですか。私まだ死ぬ気ありませんよ?」

「でもなぁ、神様が言っていたんだぞ?」

「大丈夫ですよ。エルフは自分の寿命については結構分かるんですよ。死に際には、人里離れ、家族から離れ、森の精霊達だけに看取られて亡くなるので、死期が近づいているのならば此処にはいませんよ」


たしかに、昔、民俗学を調べた時にそんな事が書いてあったな。


「じゃあ、本当に大丈夫なんだね?」

「はい。まだ当分は全然問題ないと思いますよ?」


当の本人がそう言うのだし、ここは信じるしかないか。

すると、後は僕自信の事だな。


「それじゃあ、後は僕のことだけど、」

「はい、分かっております。グルフェル様という事は秘密厳守ということですよね?」

「う、うん、そうだよ。でもなんで分かったの?」

「グルフェル様に昔パートナーに選ばれた女ですよ? あなた様の事はなんでもわかります」

「そうなんだ・・」

「はい」


まったくラリーアには敵わないな。


「では、僕の事はフェルでお願い。当分は育成学校に入学して魔力魂の成長と魔力操作などの魔法の勉強を優先にするよ」

「うむ、分かったのじゃ。ルールも良いな?」

「はい。その代わりなんですが・・・」


ルールディさんが、何やら手に持ってもじもじと僕の所に寄ってきた。


「あ、あのですね、グルフェル様の・・・サインが欲しいです!!」


と叫ばれて、僕の前に突き出してきたのは、真っ白なサイン様色紙だった。


「え? サイン? 僕の?」

「はい! 是非とも! 家宝といたしますので!」


サリダに一応確認するが、黙って書けと睨みつけられた。

仕方なしに僕は、色紙を受取、グルフェルとしてのサインを書いてあげた。

すると、ルールディさんは、徐に色紙に顔を近づけサインを見入ると、満足そうな満面の笑顔になっていた。

「これは アーティファクトです!」


と叫びながら、何処からともなく木箱を出すと、その色紙を入れ蓋を閉めて鍵をかけると、大事そうに抱えて頬ずりしだした。

ルールディさんも、結構変人だった。


「あ、もう一つあったんだったわ」


突然、ラリーアが叫んだのでみんなが注目した。


「どうしたのですか? お婆様?」

「いえね、本国より手紙が届いてね、アルーラの母様、現戦姫で女王の、サーラル・ミレ・フューナスが、アルーラの婚約を認めてくれたという報告がきたのよ」


婚約? 


「誰と婚約するの?」

「フェル、本気で言っているの?」

「う、うん」

「バカ! あなたの事よ! 私とあなたの婚約の事よ!」

「あ~、そうなんだ。僕とアルーラの・・・・って! はい?!」

「おめでとう! これで正式に、グルフェル様はアルーラの旦那様に決定いたしました!」

「おお! めでたいのじゃ! 今日はパーティーじゃの!」 

「いや、いや、そんなに簡単に女王様が認めるものなの?」

「フェルは、私じゃ嫌なの?」


アルーラ、不思議そうに問い返してこないで。


「いや、アルーラって、王女だよ? 次期、戦姫の筆頭候補だよ? 急にそんな話しても直ぐに承諾してもいいものなの?」

「大丈夫ですよ。私がちゃんと言い聞かせましたから」


ラリーアが自信満々に言う。

絶対に、脅しているんじゃないか?


「お婆様、やりましたね?」

「人聞きが悪いわね。ちゃんと説明しましたよ? ただ承諾もらえなかったら、私の精霊王が何をするか分からない、とは言っておいたけどね」


脅しているじゃないですか・・・


結局押し切られる形で僕は、アルーラの正式な婚約者となり、身分の問題を解決するために、フューナス王家の血筋にあたる、今は当主不在のディアダナス公爵家の養子となる事も決まってしまっていた。

あと、年齢も5才では周辺貴族に舐められる可能性もあるという事で、7才という事になった。

もう、何でもありだね。


「フェル、学校生活が楽しみだね」


そうだった。3か月後には育成学校に通う事になっていたんだ。

もしかして、アルーラの婚約者としての肩書きがついてまわるのか?

・・・・今から慣れるように心を鍛えよう。


次回からは新章の予定です。

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