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平穏な日 17

これからどうする? というお話

「つまり、お婆様達の最強魔法はフェル君、いえ、グルフェル様だと、確信する為にわざとだったと?」

「そうじゃ、主様なら、あたい達の魔法や攻撃の術式や方法を全て把握されていて、どんな攻撃も瞬時に解凍してしまうのじゃ」

「特に、私の風の精霊、ウィンディエレメン様はグルフェル様とも仲が良くてね、攻撃をしたふりだけだったわ」


確かめるのに、あんな物騒な攻撃魔法を使わなくてもいいのに。おかげで部屋の中がグシャグシャだよ。メイドさんごめんなさい!

「フェル君、じゃなくて、グルフェル様、本当なの? あ、本当でございますか?」

「アルーラ、その、フェルでいいよ。いくら転生したとは言っても、グルフェルは実際に死んだんだし、この時代に生まれ変わって、君達にもらったこの名前は大切なものだからね」

「いいの? じゃなくて、宜しいのでしょうか?」

「敬語も止めてね? アルーラに言われるとむず痒いよ」


アルーラがラリーアの方をチラッと見て、ラリーアが頷いたのを確認したようだ。


「はぁ~、私も変な感じだったんだ。フェル君がいきなりグルフェル様だなんて言われても私にはピンとこないし、私にとって、フェル君はフェル君だもの」

「それでいいよ。というかそれでお願いします」


僕がお道化て頭を下げると、嬉しそうに微笑んでくれた。


「あなた達、本当に仲良いわね。昔の私とグルフェル様みたいだわ」


懐かしむように語るラリーアだったが、何故かそれに反応してアルーラが僕の前に立ってラリーアを威嚇するように睨みだした。


「お婆様、いくらお婆様でもフェル君には手を出させませんよ?」

「あら、いやだわ。いくら私でも5才児に手を出すような趣味はないわよ」

「う~っ!」


威嚇している、威嚇している。


「なら、あたいは大丈夫じゃな。見た目は、それほど主様と歳は違わん様に見えるのじゃからな。はははは!」

「って、何いっているんですか! サリダ様! 御歳、何歳だと思っておられるのですか! 犯罪どころじゃ話じゃないですよ?」


サリダの方は、ルールディさんに怒られている。


「べ、別に良いではないか! 300年の思いがこの胸に詰まっておるのじゃから!」

「わ、私だけでは、いけないのですか?」


おお! ルールディさんが泣き脅しに入ったぞ? さすがにこれにはサリダも困惑しているぞ。


「わ、分かったのじゃ。だから泣くのは止めるのじゃ。な?」

「本当ですか?」

「ほ、本当じゃ! ルールに泣かれるのが一番堪えるのじゃ」


ルールディさん、サリダと身長差があるから、わざわざ膝を突いて上目使いで、聞いている。

サリダの事を良く知るポーズだ。ああなると、吸血鬼族の王族で史上最強とまで言われるサリダもかたなしだね。


「と、言う事でじゃ、あたいは主様の嫁にはもう、なれんのじゃ。このルールを娶ったからの」

「え、やっぱりそうなんだ?」

「はい、私は普人族でしたが、サリダ様に150年程前にお手付きになりまして、眷属として今は、お慕い申し上げております」

「まあな、子孫は作ってやったからの、後の余生は好き勝手に生きさせてもらっておるのじゃ」


昔から自由奔放なところはあったけど、さらに磨きがかかったみたいだ。


「ただ、ラリーアはな、主様の事を思い続けておったから、たぶん今でも生娘じゃぞ?」

「は?」

「サ! サリダ!! なんて事いうのですか! さすがに300才超えて生娘ではありませんよ! 実際に子供を作ったじゃないですか!」

「おお、そうじゃったの。すまん、すまん。じゃがその夫も、とうの昔に亡くなっておるし、それ以来一度も再婚もしてないのじゃから、きっと再生しておるよ。じゃからやっぱり生娘じゃないのか?」

「・・・・いい加減、黙らないと、その口縫いますよ?」


ラリーアの顔が怖い。冗談に思えないよ。


「グルフェル様、サリダの言っていることは真に受けないでください」

「ん、分かっているよ」

「それより、アルーラの事、本当によろしくお願いしますね」


改めて、アルーラの事をお願いされてしまった。


「あの子は、私が言うのもあれですが、本当にいい子ですから」

「ああ、分かっている。実際に僕の命の恩人でもあるしね。アルーラを泣かせたら罰が当たるよ」


僕と、ラリーアがあまりに褒めるから、当の本人は恥ずかしいのか顔を背けているよ。


「それにしても主様、アマラス神様によって転生されるとは、なんとも豪快なお話ですのじゃ」

「まあね。自分でもまだ信じられない気分だけどね。でもそのアマラス神様から言われているのが」

「邪神龍を祀る教団の事ですね」

「あぁ。で、どうなの? その邪神龍の教団って?」

「はい、確か、龍帝教とか言っていましたか? 表立った行動はしてないのですが、地下組織にはかなり蔓延っているという事で、私共も警戒や取り締まりの強化などはしております」

「つまり、実態はつかめていないと?」

「そうですね。残念ながら」


僕は少し考える。とりあえず全体像はつかめてないけど、取り締まりもしているようだからすぐにどうと言う事はなさそうかな? なら今は僕も頑張って昔の魔力魂になるよう、修練するべきだな。


「わかった。とにかく神様の信託だからね。その教団についての調査は常に行うように。あと、他の国や種族にも協力要請できるかな?」

「はい、それは私や、サリダにお任せ下さい。現戦姫や王族に働きかけていきますので」

「よろしく頼むよ」


読んでいただきありがとうございます。

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